長岡京市観光協会のブログ

長岡京市の出来事を紹介します。

乙訓古墳群はなぜ重要なのか?~6.19歴史講演会レポート~

2016年06月29日 | 情報


6月19日に、NPO法人長岡京市ふるさとガイドの会主催の歴史講演会、

「乙訓古墳群の国の史跡指定へ」がありました。

今年、国指定史跡となった「乙訓古墳群」。

実際に発掘を行った岸岡貴英氏から、

なぜいま注目されているのか、重要性はどこにあったのか、

多くの写真や地図を交えながら、わかりやすくお話しいただきました。

今回の国史跡指定は、「群」であることがポイントです。

ひとつの古墳が指定されることはよくありますが、

複数の古墳をまとめて、ということはなかなかありません。

なぜ、乙訓地域にある古墳たちは重要なのでしょう?


(恵解山古墳)

それは、この地域をみると、古墳時代の歴史のながれが分かるから、なのです。

古墳時代は前期・中期・後期と分かれますが、

そのすべての時代の古墳が乙訓にはあります。

これは、全国をみてもとても珍しいことです。

しかも、中央の政治の権力者が変わると、古墳の場所が移動します。

これは古代政権の権力の動きに連動しているためと考えられ、

古墳の分布が、あたかも古墳時代の縮図となっているかのようです。

「乙訓は、古代の歴史を体感できる場所」

―――という言葉には、胸がわくわくしました。


(埋蔵文化財センター)

お話に登場する古墳は身近な場所にあるものばかりで、

いま住んでいる場所は古代から重要な地域だったのだと再確認し、うれしくなりました。

「あの古墳は蒸し暑かった…」などの発掘担当者ならではのお話も楽しく、

とくに、土からほりあてた瞬間の遺物は空気に触れていなかったため

ピカピカでほんとうに美しい…というお話にはため息がもれました。

会場には100名ほどが詰めかけ、ほぼ満席の状態。

全員が熱心にお話を聞き、最後の質疑応答でも、

「なぜ全期間に古墳があったのか?」「古墳の形の違いには意味があるのか?」

などと盛り上がりました。

長岡京市の歴史ファンはとっても熱い!ということも感じた講演会でした。