長岡京市観光協会のブログ

長岡京市の出来事を紹介します。

物集女(もずめ)車塚古墳 2

2014年06月12日 | 史跡




石室内部に置かれた石棺は、

「組合せ式家型石棺」と呼ばれるものです。

底石3枚、蓋石3枚、長側石2枚、短側石2枚の計10枚で

組立てられています。



部材の側面にある突出部は「縄掛(なわかけ)突起」と呼ばれ、

石板はとても重いので縄をかけて運んでいたものと思われます。



石棺の縁が少し赤く染まっているのがわかるでしょうか?

これはベンガラと呼ばれる赤色顔料で、石棺内部が赤く塗られていました。

組み立てる前に塗られたものとおもわれます。

副葬品の大半は盗掘されていましたが、ガラス玉、冠などの装身具

刀、鞘などの武器が残っていました。


(中央の一段上がる位置にあるのがしきみ石です)

石室床面の地下には室内にしみ込んだ雨水を、

外部へ流す排水溝があります。

玄室は四壁沿い、羨道部は梱石(しきみいし)まで両壁と中央にあります。

これらは石室の入り口で合流し墳丘外へと、

抜けるように工夫されています。



南側の墳丘外に作られた排水溝です。

長雨が続いたときには石室を除湿する水が、

少しずつ流れだしています。





物集女車塚古墳は府指定文化財として、

古墳全体に笹が植えられ公園となっています。