石室内部に置かれた石棺は、
「組合せ式家型石棺」と呼ばれるものです。
底石3枚、蓋石3枚、長側石2枚、短側石2枚の計10枚で
組立てられています。
部材の側面にある突出部は「縄掛(なわかけ)突起」と呼ばれ、
石板はとても重いので縄をかけて運んでいたものと思われます。
石棺の縁が少し赤く染まっているのがわかるでしょうか?
これはベンガラと呼ばれる赤色顔料で、石棺内部が赤く塗られていました。
組み立てる前に塗られたものとおもわれます。
副葬品の大半は盗掘されていましたが、ガラス玉、冠などの装身具
刀、鞘などの武器が残っていました。
(中央の一段上がる位置にあるのがしきみ石です)
石室床面の地下には室内にしみ込んだ雨水を、
外部へ流す排水溝があります。
玄室は四壁沿い、羨道部は梱石(しきみいし)まで両壁と中央にあります。
これらは石室の入り口で合流し墳丘外へと、
抜けるように工夫されています。
南側の墳丘外に作られた排水溝です。
長雨が続いたときには石室を除湿する水が、
少しずつ流れだしています。
物集女車塚古墳は府指定文化財として、
古墳全体に笹が植えられ公園となっています。