演技派女優

「おもしろいよねー。
　ｐｏｗａさんって悩みないでしょ？」
「はぁ？」
「これっぽっちも悩みなんてなさそう
　オレの悩みちょっと分けてやろうか？」

４月に赴任してきたばかりのＫさん。
新しい仕事に慣れずにアップアップしてるのは分かるけど・・・
ちょっとソレはないんじゃない？

「ちょっとー、その言い方ヒドくないですか？
　私だって悩めるお年頃なんだから悩みぐらいあります
　っていうかさ、つま先から頭のてっぺんまで悩みで溢れそうよ」

「へぇ～、じゃ、それって演技なの？
　それ演技なら演技力あるよね～
　スゲ～、演技とは思えない自然な演技だ。」
「まあねＯＬはバイトみたいなもんで本職女優だもん」

私って人からは悩みなさそうなノー天気な人に見えるのね
ちょっちゅう悩んだり、落ち込んだりしてるんだけど
会社では上手に演技して隠せてるのかしら？
ちょっとソレあるかも、Ｋさん以外と鋭いかも

４月に窓際ＯＬになり、隣はお調子者の佐賀モンコガチンだからついつい
会話がヘンな方向へ彷徨ってしまうのだ
コガチンとしゃべると調子狂っちゃうんだよね。

Ｋさんはウチの課に背を向けた席なのに残業時間になると何度も何度も椅子をクルリ回転する。
「なんですか？Ｋさん、こっちばっかり向いてるじゃないっすか！
　なんならウチの課に来ます？」
とコガチン。
「だってさー、夕方になるとソコで夫婦漫才始まるからさー。
　アンタ達夕方から冴えてくるよねアンタ達絶対おかしいよ」

うーん・・・・
なんだかキワモノ扱いされてるってカンジ～
コガチンとひとくくりでカウントされるのもどうなんだろう

ま、Ｋさんが慣れない仕事の息抜きになるなら
しばらくは観劇料取らずにコガチンと演じてやるか

「チェケラッチョ！」

実はゴールデンウィークの最終日には沖縄が恋しくなって映画館へ。
だって３年連続ＧＷは沖縄で過ごしてたんだもん。

「チェケラッチョ！」を見に行ったの。

舞台は沖縄。沖縄で生まれ育った高校生達。
冴えない退屈な日々を送る高校生たちが音楽に出会い誰かの真似でなく
自分達ならでの言葉で、自分達にしかできない表現を始めていく・・・・。

メチャクチャおもしろかった！
脇を固める俳優さんも個性的な方ばかり！
（陣内孝則、コニシキ、松重豊、ガレッジセールのゴリなどなど）
声をだして笑ったり、なんだか青春っていいなとホロリきたり。
沖縄の暑さと、高校生の気持ちの熱さがビシバシ響きます。
相乗効果！

自分でも不思議なほど三線の音に共鳴して
涙がぽろぽろ落ちました。
周波数がピタリと合ったみたい。

今年見た映画で一番好きな映画となりました。
そして、やっぱり私は沖縄が好きなんだな～としみじみ思いました。