cafe powa

ぽわわーん日記

三拝云

2005年04月24日 | 沖縄
沖縄本島から南へ、南へ、ずっとずっと南に下ったところに
大きな緑の島がある。

西表島。

島の90%が亜熱帯のジャングル地帯で、天然記念物のイリオモテヤマネコ
やカンムリワシが生息する自然の宝庫。

マングローブの林の間を流れる川をカヌーで漂い、青い空を見てると
自然と一体化したような気分になる。
この島の濃密な空気が大好きなのです。

そして濃密なのは空気だけではなく、ここで生きる人も濃密なのだ・・・。
といっても私が知ってるのはカヌー屋の大将ぐらいなんだけど。
大将は生粋の島育ち。
その存在自体が西表島の自然の象徴のような人です。
この島に自然を求めて都会から来るたくさんの人がリピーターとなっているんだけど、
同じように大将に会いたくて島にやってくる人も多いらしい。
私もそういうファンの一人。


カヌー屋の大将は野良犬界のボスっぽい。
子分の数は100匹ってもんじゃないと思う。本人もその数は把握してないだろう。
っていうか、本人の知らないとこでも自称子分がいっぱいいるんだと思う。

ボスがエサを探しに行く。
「今日は山!!」
と叫ぶと100匹の犬達はゼイゼイ息を切らして山へ駆け上る。
「今日は海!!」
と叫ぶと100匹の犬達はいっせいに海に飛び込み犬掻きをする。
壮大な眺めだ。

もちろんpowaだって山にだって海にだってついて行くつもりだ。

だけど、獲物を口にくわえてボスが帰ってきたら
powaはしゃがんだまま振り向く。ゲッ、ボス・・・・
ボ「お前なにやってんの?」
ポ「えっと、あのね、ここで猫ちゃんに会って立ち話してたら
  マンゴーくれてね。マンゴーっておいしいんだよ。」
ボ「このタコ!お前犬のくせになんで猫と遊んでんだよ!帰るぞ!」
と首をつかまれ引きずられる。
ボ「だけどさ、お前いつ猫語覚えたんだ?そういうの得意だなー。」
そして、powaが齧りかけていたマンゴーも取り上げられる・・・。

こういう感じだ。

でも、やっぱり大将は頼りになるし、あたたかい。


そんな大将から電話がかかってきた。
ポ「もしもし、お久しぶりです。」
大「おうっ。お前いつ西表来るの?お前が来ないからさ、お前が
  置いていった貴腐ワイン?アレもう飲むからな。」
ポ「え・・・・、あれは石垣島のおでんやさんでお友達になった方に
  頂いたものだし・・・ダメ。」
そうだ。秋に西表に行った時、半年ぐらいして澱が沈んでから飲むと美味しい
からと大将に預けてきたのだ。
「また、遊びにくるね」と。
丁度今飲み頃だ。

やっぱり、西表に遊びに行かなくっちゃダメだな。
多分大将は半年間待ちわびてたんだ。
ワインの飲み頃とpowaが遊びに来る日を。
ま、powaのファンなんだろう。フフ。
っていうか、大将は人が大好きなんだろうなー。
だからみんな大将のファンになってしまうのだろう。



★powaの西表オススメスポット★

カヌーサービス「三拝云」

大将のカヌー屋さん。
「三拝云」とは八重山地方の方言で「ありがとう」という意味だそうです。
きっとお客さんにも言いたい放題で驚かれると思いますが、
本音は「来てくれて三拝云(ありがと)」なので大目に見てあげてくださいね。