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『クレイマー、クレイマー』

これも、何度も何度も観た映画のひとつ。
この映画のセリフで、1年かけて、英語の勉強もした。

「Good night Babe, don't let the bedbugs bite」
(おやすみ、ベイビー、ぐっすり眠るのよ(ベット虫に食べられないで))

と子供に囁いているメリルストリープの優しいセリフで始まる。
思いつめた、切なく、とても美しい顔だ。

中学3年生だったか、初めて観たとき、母親に出て行かれてしまった家庭の、
仕事虫だった父親と子供の奮闘記、みたいな感覚で観ていたように思うのだが、
何度も何度も観るうちに、私も少しは大人になってきて、家を出て行った母親
(妻)の気持ち、裁判などでは決めることのできない親子の愛、夫婦の愛。
離婚の問題、親権の問題・・・さまざまなテーマが、美しく描かれているのだ、
と感じるようになった。それを彩るセリフの数々も、すばらしい。
決して、単なるお涙ちょうだいものの映画ではないのだ。

原題が、「クレイマーVSクレイマー」(クレイマー対クレイマー)というのも、
後になってから知った。

もう25年も前の映画だ。びっくりする。
今見ても、何も古いものがない。主演のメリルストリープ、ダスティンホフマン
が若い、それだけだ。映画で問題となるテーマも変わっていない。

ラストシーンには、いつも胸がいっぱいになってしまう。
「How do I look?」(私どう?おかしくない?)
「Terrific!」(すばらしいよ)
と、ダスティンホフマンがメリルストリープに言い、エレベーターのドアが
閉まり、映画が終わる。
これだけでは何が何だかわからないかもしれないが、とにかく、この
ラストシーンのこのセリフが、大人だなああ・・・・・・・・とジンワリと泣けてくる。

好きな映画は?と聞かれ、困りながらも、大好きな1本にあげる映画だ。
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