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本屋さん

本屋さんの空間

本がたくさんあるところ、なぜかワクワクして好きだ。
駅ビルやデパートなんかにある、大きな本屋、いわゆる「書店」
「ブックセンター」「大型書店」「図書館」・・・・
とにかくそこに居るだけで胸が騒いでしまう。

その理由とちょっと違う理由で好きなのが、町の本屋さん。
なぜか「さん」がつく。
本好きな人が、本を探す、本に触れる、本を買う、といった
理由で足を伸ばす書店」や、しゃれた洋書や美術書なんかも置い
てある「ブックセンター」・・・・
でも「本屋さん」はそんなんじゃない。本の種類もそんなにない、
小さい本屋なのだ。

町の本屋さんは、買物の帰りにプラっと立ち寄ってみた、ちょっと
立ち読みしただけ、知ってる人が居るから入ってみた、そんな理由で
プラプラしたりしてる人が多い。なんだか、小さい町の「社交場」の
ような場所のような気がする。

子供の頃、近所にあった「宮古書店」。最近、近くを通ってみたら、
まだ店は存在していたが、昔のそれとは違い、きちんとした立派な
「書店」になっていた。アタリマエ、「宮古”書店”」なんだから。
昔の「宮古書店」は、お風呂やさん(これにも”さん”がつく!)
の番台のように、入って直ぐの真中にレジがあり、そこにはいつも
おじいさんが入口に背を向けて座っていた。おじいさんの前には、
本棚がお風呂やさんの男湯と女湯をわける壁のようにあり、いつも
結構な人たちが立ち読みをしているのだ。
子供たちも、マンガやドリルの売り場の前に、いつでも何人かがた
むろしていた。まだ、コンビニもゲーセンもない時代だ。

おじいさんは、お客さんが入ってくるタイミングではなく、なんだか
定期的、もしくは不定期に「らっはいまへー」と大声で叫ぶ。
「らっはいまへー」。
入れ歯なのか、入れ歯がはずれているのか、入れ歯なんてしてない
からなのか、これは、おじいさんにとっての「いらっしゃませー」
だと言うことは、なぜか誰にでもわかる。

「らっはいまへー」が何度か行われると、次におじいさんは、おも
むろにハタキを手にし、人が居ようが居まいがおかまいなしに、
パタパタパタと本を掃除?し始める。どぎついピンク色の布が、
こげ茶色の木の棒に乱雑にくっついている、あれだ。
おじいさんは、結構なアクションで、時には立ち読みをしている人
にも、ハタキをかける。今思うと、わざとなのかもしれない。
立ち読みしてる人たちを、無言の圧力で追い払うおじいさんの攻撃
だったのかもしれない。
顔は無表情だ。そして時々その口からは「らっはいまへー」。
ちなみに、私も子供の頃、何度もおじいさんのハタキ攻撃にはあっている。

それでも、子供たちは(または立ち読みの大人たちも)「宮古書店」
に集まっていた。本棚の影から、おじいさんのハタキ攻撃を遠巻きに
見ていたり、「らっはいまへー」を口まねしたり。
そんな人々を、「本」という優しいものたちが、暖かく見守っていて
くれたのかもしれない。本屋さんにはそんな安心感があった。

「本」は今も昔も、何も変わらないのに、そんな町の本屋さんが、
少しづつ減ってきた。今でも、どこかの商店街などにある小さい
「本屋さん」を見かけるたびに、昔の「宮古書店」のような空間を
探してしまう。ハタキのおじいさんの「らっはいまへー」を
探してしまう。

あの頃の本屋さんの空間は、今はどこにもないように思う。
なんだか、あったかい空間だった。
あのおじいさんも、今はもう居ないだろうなああ。
いるわけないか!(^◇^;)
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群林堂 『豆大福』

群林堂(ぐんりんどう)『豆大福』

おじいちゃんの味だ。15年近く前に亡くなったおじいちゃんが、
よく、孫の私たちのために買ってきてくれた。
以来、大好物で、豆大福と言えば、「群林堂」。とってもおいしい。

豆がやわらかく、皮もモチモチ、餡子が絶品のおいしさ。

群林堂は、東京文京区は護国寺の駅の側にある。
創業が大正初期、というから立派な老舗だ。
護国寺、という場所がら、文豪からも愛されていたようだ。
豆大福は、北海道富良野産の赤えんどう豆や十勝産の小豆などで
作られているらしく、餅の塩味と餡の甘味のバランスが絶妙と評判。
本当においしい。
いつも店の前には行列が出来ていて、豆大福は早い時間に売り切
れになってしまう。

おじいちゃんの隠れ技。
もちろん、買ってすぐその日に食べるのが一番なのだが、
当日食べきらない時には、豆大福を少し薄めに潰し、そのまま冷凍!
そして後日、凍って潰れた豆大福を、網で焼くのだ!
(^¬^) よだれ~ これがまたおいしい!
おじいちゃんも大好きな食べ方で、もちろんそれは孫の私たちにも
きちんと受け継がれている。

だから、いつも豆大福は、少し多めに購入。冷凍してしまう!
(まちがっても”チン”はしないように!)

優しかったおじいちゃんの、優しい豆大福の味。1個 137円也!

http://www.ntv.co.jp/burari/040619/info01.html
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『血脈』 佐藤愛子

『血脈』
佐藤愛子
文藝春秋

佐藤洽六を父に、サトウハチローを異母妹にもつ佐藤愛子の実名小説。
うーん、おもしろすぎる。まず、80歳をこえた佐藤愛子がこの長編を
書き上げたということに驚く。
しかし読んでみると、こんな環境で育ち、そしてこの「血脈」であれば、
今尚パワフルに生きていることは何の不思議でもないような気さえする。
平穏無事な人生よりも、こんな人生って、結構楽しいのだろうな、と
何故かしみじみと思う。

そして、自分の「血脈」について考えてみた。
【血脈】祖先から受け継いだ血のつながり。血統。ちすじ。
血のつながりって何だろう。そもそも同じ「血」が流れているということは、
どういうことなのだろう。自分の祖父母や両親や兄弟や親戚たちを見て、
考えてみた。
例えば、性格や趣味や才能やらは、その「血」に含まれているのだろうか。

そしてふと思いつき、自分の「家系図」を書いてみることにした。自分の
家系図って書いたことありますか?
まず、自分、そして配偶者や両親、兄弟姉妹。それぞれの兄弟姉妹や両親・・・・
結局、せいぜいさかのぼっても、祖父母まで、そして横は、今現在ちょこ
ちょこ会っている親戚くらいまでしか書けない。意外と難しいものだ。

もし「血脈」というものがあり、それがつながっているものだとするならば、
自分の祖先をもう少し調べる必要がある。近いうちに気合を入れて?自分の
「家系図」をもう少し広い範囲で作り上げてみよう。そして、自分にはどん
な血が流れているのか、少し怖いけど、調べてみたい、と思う。
少しワクワクするでしょ。
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