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『放送禁止歌』 森達也

『放送禁止歌』
森達也
解放出版社

ある深夜のドキュメンタリーで、「放送禁止歌~唄っているのは誰?規制するのは誰?」
という番組が放送された。そのディレクターである著者の森達也氏が、追加取材を加えて
書き下ろしたのが、この本だ。

「放送禁止歌」

一体、それはどうして放送禁止になったのか?なった歌たちは、その後どうしてしまったか?
誰がそれを規制したのか?次々と浮かび上がってくる疑問と、「放送禁止」を通して浮かび
上がってくる、今もなお、はっきりと残っている、われわれの「差別意識」にするどく迫っ
てくる。まるでサスペンスを読んでいるような感覚にさえ、なる。

自分自身、「差別意識」がないとは言えない。思わない。
だからこそ、差別ってどこから来るの?と素朴な疑問を、私自信に突きつけてくれるような、
そんな本だ。
そして、身の回りの出来事に、普通の感覚で、普通に疑問をなげかけられるような、それを、
不思議だなあ・・・と感じられるような感覚を持っていたい、と感じた本でもあった。

「放送禁止歌」とされているものの一覧を見た。
「要注意(!)歌謡曲一覧表」というものだ。その中には、
・S.O.S(ピンクレディ)
・おそうじオバチャン(憂歌団)
などがあった。え???なんで??と思う方は、ぜひこの本を読んで、びっくりして
もらいたい。
「放送禁止歌」ってなんなの?一体!すばらしい歌の数々を、何の根拠もなく、わけの
わからないまま、そうやって闇に葬ってきたのは一体何ものなのか!

でも、だんだん、この問題は、形を変えはしているものの、自分自身の中にもある。
そう感じて、少し心が痛くなる。

でも、とてもいい本です。
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