らぷんつぇる**

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ひとりごとを言ってみたり。など。

「生の芸術 アール・ブリュット」展

2005年11月27日 22時52分56秒 | Exhibitions
こちらは銀座で。
並木通りのハウス オブ シセイドウでやってました。
それほど規模は大きくなかったです。
でも日曜日ってこともあってか、結構人入ってました。

アール・ブリュットというのはフランス語で「加工されていない、生のままの芸術」という意味。
美術教育とは無縁の人々が内的衝動に駆られて自発的に作る美的所産物のことです。
このような芸術が注目されるようになったのは、精神医学の発達に伴って「無意識」が注目されるようになったからなんだとか。
これらの作品をパリ在住の映像作家ブルノ・デシャルム氏が収集したのが、今回展示されています。

配布されているパンフレットに作家のプロフィールが書いてあるんですが、これがまた様々。
元教師、生物学者、病院の清掃人、計理士の助手、霊媒などなど。
精神を病んで病院暮らしをしていた(している)人が結構多いけど、高等教育を受けた人や画家でも、精神に異常をきたしたり交霊術に目覚めたりして「生の芸術」を生み出しているらしい。

この展示会の面白いのは見に来た人が展示品の前で必ずこのプロフィールを参照していること。
絵を観る→名前を見る→パンフで名前を探しプロフィールを読む→もう一度絵を観る
っていう作業をみんながしてました。
たしかにバックグラウンドがわかった方がいいかもしれない。
妹は私より先に見に来たのですが、彼女のように心理学やってる人なんかはより興味深く見られるんじゃないかな。

なんだか不思議な作品が多かったけど、ヘンリー・ダーガーの作品に興味をそそられた。
彼は4歳になる直前に母親と死別。8歳で孤児院に預けられた後、知的障害児の施設に送られるが、脱出。
シカゴの病院で清掃人として働きながら、小説の執筆を始める。
七人の美少女姉妹ヴィヴィアン・ガールズが、残虐非道な男達を相手に壮絶なバトルを繰り広げる物語は『非現実の王国で』と題され、15,000ページを超え、数百枚もの挿絵が添えられていたそう。
で、この挿絵、片面はヴィヴィアン・ガールズ7人分かるんだけど、裏面はやたらたくさんの女の子やら男の子やら描いてあってもはやどれなのか分からない。
「残虐非道な」って…。そして「ヴィヴィアン・ガールズ」…。
ストーリー気になるけど、展示は挿絵のみで小説の内容については何も触れられてませんでした。

全体に言えるのは、「細かい」ってこと。
すごく描き込みが細かい。
細かすぎてくらくらするようなのもある。
自分はこんなに集中できないなあ…。

*information*
場所:ハウス オブ シセイドウ(銀座)
会期:本日にて終了 
料金:無料
詳細はこちら→ハウス オブ シセイドウ

プーシキン美術館展

2005年11月27日 22時09分08秒 | Exhibitions
美術館めぐり2日目。
朝から東京都美術館に行って来ました。
やっぱり上野はすごい人…。
大半は北斎展みたいだけど。

このプーシキン展は、ロシアのプーシキン美術館に所蔵されている、ロシアの二人の富豪シチューキンとモロゾフによって収集された印象派からフォーヴィスムにいたるフランス近代絵画の巨匠による名品(油彩・水彩・版画)75点が展示されてます。
会場内にこの富豪さんの邸宅写真があったけど、とても豪華だった。
マティスルームやらピカソルームやらあって、絢爛豪華な部屋にこれでもかと言うほど絵・絵・絵…。
好きなのはわかるけど、これじゃあなんだか圧迫感が…。

プーシキン、混み具合はそこそこでした。
北斎ほどはすごくないけど、入り口付近はやっぱり人の頭しか見えなかった。
混んでいる最初の方はとばして最後に見ました。

一番の人だかりはやっぱりマティスの「金魚」。
明るい色彩が素敵。
最初は近くで観て、2回目は遠くから観た。
絵って間近で観るよりちょっと距離おいたほうが良く見えると思う。
でも離れてしまうと人だかりで絵が見えなくなったりして、ちょっと悲しいところ。

雰囲気の違う絵がいろいろ観られてなかなか充実してました。
版画があるって知らなかったけど、結構よかったかな。

*information*
場所:東京都美術館
会期:2005年10月22日(土)~12月18日(日)月曜日休館 
開館時間:9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
料金(当日):一般 1400円、大学生 1200円、高校生 650円、65歳以上 700円 (前売・団体は割引あり)
主催:東京都美術館、朝日新聞社、テレビ朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化情報省
詳細はこちら→東京都美術館