かめさんの輪(かめりん)♪

カメ好きです。活動している方をお手伝いしたり、学んだ情報を共有しています。どのカメさんもしあわせにと願っています。

ニホンイシガメを「欲しがらない」勇気を。~大量遺棄事件より~

2016-01-09 21:28:54 | 知ってみよう。
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新年あけましておめでとうございます。ごぶさたしております。
PCが完全に壊れてしまった、と思ったら、とりあえずマウスを借りてつけると
ちょっとは固まりつつも使えるので、ちょっと(心の)リハビリがてら更新させて
いただき、また事実の情報を共有させていただこうと思いますので、
よろしければどうぞおつきあいのほど。。

ちなみに、今回はいつになく深刻な内容です。
読みたくない(読めそうにない)方は、どうぞご無理なさらず。
毎度つたないですが、一生懸命書いてみます。
個人の雑感を多く含みますので、読み流して(とばして)いただきつつ。。
(「つぶやき」リハビリ、ですので、ポツリポツリした表現で書かせていただきますね)


              

お知らせ
昨年募集された「ニホンイシガメの輸出」に関するパブコメ結果は、2015年12月3日に
公開、施行され、現在甲長8cm以下の個体のみの輸出に制限、許可されています。

ニホンイシガメの輸出に係る助言の実施方針について」 ←環境省HPリンク


きょうは、大阪のいつものフィールドで、いつも懇意にしていただいているかめさんの
団体と、同じ川で自然保護活動をされていらっしゃる団体の方との合同活動、ということで
おじゃましてきました。



SNSの拡散でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、年末の(おそらく大阪のハチュイベント
「ブラックアウト」終了後)いつものフィールド活動の川に、あちこちの
フィールドから乱獲され、イベントをたらいまわしにされた揚句(推測)川に
「遺棄」しかも「大量遺棄」されたニホンイシガメ(以下イシガメ)たちがいたのです。
その数100頭以上。すごく立派なサイズの女子や、まだ甲長8cmを超えたばかりくらいのちいさな子が。

遺棄した業者は、この川をイシガメを保護している川と知ってあえて
「捨てた」のだと思う、といいます。
遺棄には、見つかった個体サイズ的にもおそらくこのたび施行された輸出制限もかかわっている、とのこと。
おそらく状況から、ろくな環境で「保管」されず、飲み水もごはんもあたえられず、
暖房のきいた乾燥したイベント会場から真冬の川に遺棄されたイシガメたちの
絶望。。

一頭でも救いたい、と川に入るも、すでに絶命している、たくさんのイシガメ。

最初は生きていた子も、昨日の時点で24頭亡くなったそうです。
私はイシガメの、しかも弱った子の対処はとてもできないので、あずからずに
「ただ今回のことで一頭でも救いたい」一心で、微力なお手伝いに(12月と昨日)
行きましたが、いっしょに捕獲作業をしてた方は、目の前にいる弱り切って
ぎりぎり動いている子を「つらくて見ていられない」と。

そして、その子たちを連れて帰り、助けたいのに動かなくなる子たちを
看取る会の方や、今回保護して手厚くお世話くださっている研究所の方の
絶望を思うと、私の思考は固まるのです。

そして、ニホンイシガメを飼育しているかめともさんや、会のベテランさん、
ブリーダーさんのお話をきくだに日々「やっぱりニホンイシガメの飼育は本当に
難しい」と感じます。

ぶりくらHPにもありますが、ほとんどのカメたちは「消費」されている。
捕獲されたものを買ってきて、飼育し、一頭、一代限りの命を終える。

もちろん、家族としてお迎えし、その命はかけがえのない存在であったりはするけれど
けっきょくヒトは自然界から自分のエゴで「この子を自分のものにしたい」と思い
迎え、そして消費しているのだと思うのです。


昨年は、とある地元団体での活動(見学)時、かめわなで事故があり、カメが調査のために命をおとしてしまう事件がありました。
救えなかった悲しみと、「だいじょうぶ」「仕方ない」との生き物好きの、大先輩の
あまりの価値観のちがいに絶望し、今後参加してお手伝いしたい、という力が出なくなってしまった。

地元のお寺の池に居た、イシガメたちだけが誰かによってさらわれてしまった。

地元の川にいた、希少なイシガメがとうとう姿を消してしまった。

イシガメを乱獲し、販売することには断固反対。だけど「割り切れ」と保護するサイドの
とてもお世話になっている尊敬する先輩に言われ、なぜ?とショックを受けた。
(その方には今でもとても感謝、尊敬しているし、価値観のレベルは人それぞれである、という
ことは「動物愛護」の観点からも言われていてふつうのことなのですが)

いくら「保護」してもそのためにつらい「ミドリガメ」に負担を強いるようなお手伝いを
しても、なくならない「乱獲」。そして無駄に多すぎる「販売・展示(野性個体)」。

・・そりゃそう、世の中はそれが「あたり前」。これが「大人の事情」。

・・・



「仕方ない」?「あきらめる」?

「あきらめたほうが、楽」?


爬虫類が好きな方は、イベントでかわいくって珍しいような生き物を見たくて
足を運び、入場料を払い、そこで生体を購入したりもする。

生き物を愛でることは悪くなく、情操教育や、「生き物を大切と思う気持ち」には
必要不可欠に思うし、実感している。個人的にはまちがいなく「カメ=(イコール)人生」。

けど、だからといって、野生動物を切り売りし続けていい、とは全く思わない。


たとえ、イシガメちゃんが「うるうるした目で」見つめてきても、「買ってはいけない」。
(この夏、私はとあるイベントでとても愛らしいフィールド出身の立派な販売個体の女子と目があい、心を射抜かれたのを
いまだに忘れられないでいます)
もちろん、その子がフィールド出身で、その子を私が「購入」することによって
救えるどころか、第二、第三の「犠牲イシガメ」を出してはいけないから。


このたびの件で、川から生還して保護された子たちは、収容後異常なまでにミズカビを発症し
(免疫が弱っていたり、病原菌を捕菌していると思われるような子もいたそう)
むくんで、亡くなるような子たちがたくさんいたそうです。

そして先日、フィールド調査で、もともとその川で越冬してる子たちが、なぜか
目のまわりなどひどくミズカビに侵されているような状態でたくさん見つかったそう。
(ふだんはみんなきれいです。ちなみにきょうの活動時見つかった子たちはきれいでした)

動植物は、学名上は同じ名前で、見た目も同じでも、その土地土地で独自の進化(?)特徴を
持って生息しているので、「A県で絶滅しそうだからB県の子たちを繁殖させて、放流しよう」はNG。
(おとなりの市から、などはよくあるみたいですが)

今回も、大阪の川に、いろんな日本各地のイシガメを放流(遺棄)することは
まず遺伝子汚染の問題と、そして状態のよくない個体からの病原菌への感染などの観点から
深刻な問題が。

10年以上日々活動し、保護してきた川にとって、遺棄した本人は「よかれ」と思った(?)
ことが、結果このようなことになります。。

正直、せめて容れものごと川のそばに遺棄してくれれば、保護して済んだのに。。と思います。
(一方で、橋の上からほうりおとした、でなくって本当によかった、と思います)
その前に販売者としてヒトとしての本来のありようは言うまでもなく。。ですが。。
第一種動物取扱業の取得条件が甘すぎる、という部分も個人的にはどうなんだろう、と
思ったり。
書いていいのか。。「取得できる要件」との内容に穴があるのだそうです。
せめて全員筆記試験に合格することは必須にしていただきたいと思いました。

ミナミイシガメ(おそらくB品←表現はよくないですが、、と弱っていた個体など)も
数頭見つかり。この子たちは寒さにやられていたようでした。

会の方の活動で最初に遺棄されたイシガメたちを保護したのが12月10日。私も参加したのが
17日で2回目に活動日。
地元の方の目撃談で、10日の日よりも2週間くらい前におそらく事件は起こっていただろう、ということでした。

こういう事件は、(カメの遺棄は「犯罪」と断定するような法律には残念ながらなっていないのですが)
今回のこのあまりな内容は、充分犯罪と思われます。ちなみに愛玩動物飼養管理士の試験で
も勉強する内容で、動物愛護法にありますが、飼育動物にきちんとえさや水を与えないことは犯罪で、法的にも
罰せられます。)
おそらく「氷山の一角」であり、たくさんの罪なき野生動物、とりわけカメ好きには
心が痛み、血のにじむような心持ちになるイシガメに対する所業と思われ。。

環境省には、複数報告、警鐘を訴えてくださっているそうで、文章にして提出もしてくださっているそうです。

保護して助かった子たちは、ほとんど水族館でひきとっていただき、余生を送ってもらうことになっているそうです。(姫路水族館で会えます)

今は塩水浴などさせていただいていたり、それぞれ適切な対応をしてくださっているそうです。

せめて劣悪な環境で生き延びた子たちに、穏やかな余生を送ってもらえるようにと願ってやみません。


野外個体を「買わない」選択を。それが当たり前の世の中になるよう。
少なくとも、爬虫類好きならば。。
(※飼育されている方を責める意味で書いているのではないのでご了承ください。)



まだ、記事を書く気分にはなれないかもしれない。
きょう川の活動で「最近、カメの亡くなることに触れすぎて、記事を書けなくて」と
つぶやいたら、
「(このたびの川の)報告書いてたら、またハラたってきてなぁ~」と
おっしゃっていた、川の大先輩(NPO)の代表さまの言葉になんだかはげまされ、
(ハラがたつ、でもなんでも、ただ動くための原動力になればそれでもいい)
と思いました。
そんな言葉にちょっと背中をおしていただき、「ああ、やっぱり人に力を
いただくってことは本当にありがたいことだなぁ」なんて思いつつ帰って
着替えもせすにPCに向かってる次第であります。

私は冷静な判断を失う性質なので、書いている今は自分は怒りにまかせては書いていない、
おちついてから書いている、と思っていますが。。

(もちろん、川ではめっちゃ怒ってましたよ~。。)どうまとめていいのやら、どこまで書くべきなのか
このひと月弱、悩んでいました。でもぜったい知っておいていただきたかったので、
ここで書くことは決めていました。けれど、どうしても書けませんでした。

きょうも、救出する気マンマンで行ったのですが。。

個人のご報告ですが残念ながら、ミナミイシちゃんのすでに分解しはじめてるような子しか
救えませんでした。
あ。。でも、今思えば、甲羅はバラバラでしたが、四肢はきれいだったので
甲羅部分が割れてしまってから遺棄された個体だったのか。。
それでも自力で岸辺にいたのか。。と思うと。。やりきれません。


本来は冬眠する時期なのに、浅瀬や陸場にいるような子がたくさんいました。
越冬する元気がないから。。


あとは周囲のゴミ拾いと、少しでも越冬しやすいようにとカメさんが好きそうな
場所の、じゃまそうな石をちょっとどけてみつつ。

きょうはその川の子であるクサガメを2頭だけ見つけて、調査して終了しました。
全体で見ても、きょうはカメさんは少なかったです。暖かいので
寝にくい(冬眠)かと思いますが、みんなプニ(後肢の付け根のお肉)のあるような元気な子が多くて
ほっとしました。

今年に入って以降見つかるかもしれない遺棄個体は、正直保護できても
もう難しいと思われ。。


残念ですが、起こってしまったことは仕方がない。
どんな形であれ、まだどこかにいるのなら、ちゃんと見つけてあげたいです。


以下、遺棄個体の画像です。(一枚のみ)あとその下は活動報告の画像です。
自己判断でお願いいたします。。


↓↓(死亡個体の小さい画像は、画像クリックでおおきく表示されます)








12月17日の活動報告画像から。死亡個体です。

立派なおおきさのイシガメたち。ちいさい子も。



一頭だけみつかったミナミイシガメは、元気がなかったのですが 加温してあげたら、
四肢のむくみもすぐにとれて、とても元気になってきょうもとっても愛らしくごはんを
水槽越しにおねだりしてくれているそうです。
スマホで画像も見せていただきました。
後ろ肢が両方ない子(いわゆるB品といわれる個体)で、そういう理由で遺棄されたのかな。。と話し合っていた子でした。ミナミイシにとっては、寒さが本当につらかったことでしょう。

手当たりしだい捕獲され、見た目の選別なしに販売されているようすがうかがえます。
販売されていた個体には、フィールドのナンバリング(甲羅に穴)されていた子もいたそうです。

10日に捕獲、いずれ元気になって、(捕獲後に交尾していた可能性もあるので、数年放流できないですが)
そのフィールドに帰してあげれる、と思っていて、元気にしていた立派な個体が
本日亡くなった、との知らせが。。

カメは本当に難しいですね。。

ゆっくり加温しても、ゆっくり亡くなるであろう、と思われるとのこと。
とにかく必死で命をつないできて、免疫も弱り、栄養も残っていなかったのでしょうか。

最後のほうに仕入れて(捕獲され)もらった子は比較的元気だったのかも、と推測してみたり。


当時はこんなに立派な個体が。。本来なら、自分たちの川で繁殖し、命をつないで
きて、これからもきっと元気に生きていけたであろう子たちです。

みんな総じて元気がありませんでした。
冬だからといっても、フィールドでいつも見る子たちとは明らかに動きがちがっています。







思っていたほど冷え込まず。いつも調査測定時には風が吹き、曇って寒いのですが
過ごしやすかったです。



本日のゴミ。カメをさぐりつつのゴミ収集は毎度。
あと川いい会の方は、土木作業と、セイヨウカラシナがおおきくなる前の採集。
(ホント頭がさがります。。すごいパワーです。)

ちなみにセイヨウカラシナ、食べられますが残念ながら「まずい」そうです。。
今のところは「特定外来」に指定されてないので、ひっこぬいて持ち帰ってもOKです。
(ここの川は、今は活動時ゴミは集めて所定位置におくと収集していただけるので助かります)





ここまで、おつきあいいただき、ありがとうございます。


イベントはいずれ、なくなるでしょう。なくなるべきです。そう願います。
そして、CB(ブリード個体)を販売している、とうたっているイベントも
きちんと誠意をもって、野外捕獲個体をまぜることなく販売していかないと
同じように淘汰されてしまうことになるでしょう、と危惧されています。

CB個体のみを純粋に飼育し、自分の血をわけたかのように卵から孵して
育ててわけてくださることに感謝し、そういうブリーダーさんと販売イベントを
いちカメ好きとしては守っていける社会であるよう、守っていかなくてはと思います。

※2016.11.25 追記:イシガメたちは、手厚い保護を受けたにもかかわらず
保護先で亡くなり続け、現在は約250頭のうち10数頭が生き残るのみとなりました。

今保護活動をしている川でも、カメが生きるためのさまざまな条件がなすすべなく
破壊されて、ぎりぎり命をつないできた子たちもこの先どうなるのか?という
状況です。
「川の子を自分が保護する」と言って持ち帰るような方もいらっしゃるようですが
そのようなことはせずに見守っていただき、自分にできること、を考えて
いただければ、と思います。

川や池のようすは引き続き可能なかぎりレポートさせていただこうと思います。


やっぱり、「あきらめない」。ちょっとの「あきらめない」だけど。
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↑↑ とにかくしぼむ、「愛」(と勇気)が、ちょっとだけ、ふくらんだ。もらえた、そんな一日。

みどり保育園の園児たちは、そろそろ冬眠してひと月ですが
水温は10℃~11℃台などという高めですごしてきて、おとついからやっと9℃台に。

そろそろ体重測定で健康チェックしたいと思います。

みなさま、みなカメさまが無事冬越しできますよう。。


3 コメント

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はじめまして (晴のち亀)
2016-08-17 09:00:54
事後報告になり申し訳御座いませんが、他の方達にも読んで頂きたくTwitterに載させて頂きました。
返信する
はじめまして。 (ぽちこ)
2016-08-17 11:26:25
>晴れのち亀さま~
つたない記事を拡散、紹介していただきありがとうございます。
カメ好きとして、不幸なカメさんを減らせるように、ひとりでも(部分的にでも)共鳴していただけると、ほっとします。
もしさしつかえなければ、(私はやっていないのですが)アカウントを教えていただけるとうれしいです。
ミナミイシは50%の確率で生存、30頭ほどが保護されて信頼できる先で余生を送ってもらう流れになっているそうです。
ニホンイシガメは、この後も追記事に書いているのですが、現在も保護先で感染症による死亡(突然死含む)が続いているそうです。結局川での発見、保護個体は250頭ほどになり、今も活動時に発見されています。
返信する
追記 (ぽちこ)
2022-02-24 16:24:25
けっきょく保護されたイシガメたちはその後次々と原因不明の病気で亡くなりました。

人間の欲はとどまるところを知らず。
カメに限らず、自然破壊に加担することを「すこしはましに」しませんか・・・?
けっきょくそれは自分自身に降りかかってきます。
そして愛する仲間を大切に思う気持ちは本当は人間は持っていると信じています。

この大阪の川も とうとう乱獲されてしまいました、、人を救うのも人なら、こうして築き上げ、守ってきたものを簡単に壊せるのも人間です。

ひとりひとりが できることは なんなのか、、いっしょに考えていただけると幸いです。
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