5月25日(水)、標記の本が送られてきました。3年前ほどから私も執筆に関わっていた本がつい5日前に完成したばかりです。本の題字も書かせていただきましたが、金文字になっていました。
北村方義(きたむらまさよし・ほうぎ)(1834~1901)は、私の郷里である長野県須坂生まれ。幕末から明治に活躍した漢学者です。書は亀田鵬斎の流れを汲みます。
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今まで、全国的にはあまり注目されていませんでしたが、たいへん優秀な学者で、役人・教員も務め、長野県教育に大きな影響を与えた人物です。彼を讃える頌徳碑が長野市妻科神社の境内に建っていて、日下部鳴鶴の書によるものですが、私が信州大学教育学部の4年生の時に卒業研究で、拓本を採った石碑の一つです。その関わりから、漢詩の解釈の校正、幟の解読などに取り組みました。この本を刊行した中心人物の滝沢和久さんは、私の小学校6年生の時の恩師である青木廣安先生から紹介された方です。数名の学者が共同で作成した本です。
新潟大学の岡村浩先生も関わられています。学会でよくお会いして、仲良くさせていただいています。
漢学の流行らない現代に、珍しく硬派の本が出版されたと思っています。滝沢さんの熱意に引っ張られてできた本です。B5版、246ページ。興味のある方は、発行者に問い合わせてください。5000円程度はすると思います。爆発的に売れることはありえませんが、このような基礎文献は、長い時間が経過しても文化的な高い価値を保つものです。