詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

大好きな宮沢賢治の詩 〔サキノハカといふ黒い花といっしょに〕

2008年11月06日 | 日記
サキノハカといふ黒い花といっしょに
革命がやがてやってくる
ブルジョアジーでもプロレタリアートでも
おほよそ卑怯な下等なやつらは
みんなひとりで日向へ出た蕈のやうに
潰れて流れるその日が来る

やってしまへやってしまへ
酒を呑みたいために尤らしい波瀾を起すやつも
じぶんだけで面白いことをしつくして
人生が砂っ原だなんていふにせ教師も
いつでもきょろきょろひとと自分とくらべるやつら

そいつらみんなを
びしゃびしゃに叩きつけて
その中から卑怯な鬼どもを追ひ払へ
それらをみんな魚や豚につかせてしまえ

はがねを鍛へるやうに
新らしい時代は新らしい人間を鍛へる
紺いろした山地の稜をも砕け
銀河をつかって発電所もつくれ

注:改行は僕の責任です。
サキノハカは墓という字を分解したという説がある。晩年にはマルクスやレーニンを勉強していたり、「革命」という作品名が賢治の手帳に残されている。
その他に好きな詩は「生徒諸君に寄せる」。宇宙飛行士の毛利さんが好きで宇宙まで持っていったという詩集から朗読していた詩でーhttp://www.ihatov.cc/haru_3/383_d.htm
賢治には珍しい切実な恋愛の詩「ローマンス」もーhttp://www.ihatov.cc/haru_3/315_d.htm

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
サキノハカという黒い花 (上原千春)
2012-04-07 19:58:02
はじめまして。「サキノハカといふ黒い花といっしょに」は、SF宇宙マンガ「プラネテス」に引用されていて、気になっていました。
手持ちの宮澤賢治の本を探したけれど見つからず、こちらのページで全文を読むことが出来ました。感謝します。素晴らしい詩だと思います。
返信する
コメントありがとうございました (pikki)
2012-04-07 22:48:30
この詩を賢治全集で見つけた時は全身の血が逆流するほどの感動を。

死の直前には、従兄弟とマルクスを共に勉強しようと約束するほど、賢治にとって革命は重要なテーマだったのではと。
作品として残っているのは『オッペルと象』くらいですが・・

賢治がもっと長生きしたら、どれほど人類の貴重な文化遺産の作品が残されたろうかな・・とつくづく残念です。
返信する
お返事ありがとうございます (上原千春)
2012-04-13 19:17:55
宮澤賢治の言う「革命」という言葉には、自分が忘れてしまった、なにか熱いものを感じます。すばらしい出会いでした。
「銀河鉄道の夜」が完成していたら、また違ったものになっていたのでしょうか?
返信する

コメントを投稿