ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

The Story Foreseen From Lorienの感想

2005-12-17 10:41:20 | Tolkien・HoME
この章はロスロリアンを出て以降の話の見通しを語る章でしたが,FOTRから突然ROTKまで飛んでいったりして,当初の予定だった話の構成などを見たので,ここでちょっと感想を書こうと思います。

裂け谷までまでの道のりは,すったもんだの末,3回も袋小路屋敷から出直ましたが,そのいきさつを考えたら。モリア,ロスロリアンはおどろくほどスムーズでした。これは1つは,トールキンさんはホビットの冒険でドワーフとエルフを描いているから,わりかし簡単だったのかなあという気がします。でもロスロリアンを出た後が,どうやらまたまた大変なドタバタですね。(笑)

ロスロリアンを出て,最初の大きなハイライトは,旅の仲間の離散の事件ですね。これが,景色は正式版とそんなに変わらないのに,どえらい違いがありますね。ボロミアがフロドから指輪を奪おうとするシーンは,それこそ正式版とほとんど違わないのに,その後がとんでもなく大違いです。(笑) 何が1番違うって,サルマンのオークの一団が襲って来ないのですよね。だから,ボロミアは死なないし,メリーとピピンは行方不明になるものの,さらわれた形跡がないので,皆ホビット達は4人一緒だと思い込んでしまい,レゴラスとギムリはトロッターと旅を続けるモチベーションをなくしてしまいます。

オークがボロミアとメリーとピピンを引き裂かなかった為,さらにさらに物語は全然違うモノに。。ガンダルフは復活のスタンバイ(笑)しているものの,ローハンとの関係はどうやらほとんどなしで,いきなり,ガンダルフ,レゴラス,ギムリ,木の鬚の連合軍が,ペレンノールで戦いそうです。(あれ?アラゴルンは?)

そして,フロドがボロミアから受けた恐怖を軽減してくれるファラミアもいないし,フロドは結局ボロミアに襲われたショックをものともせず? ゴラムを従え,そのゴラムからの裏切りもものともせず? サムは「塔」から救ってくれますが,最後は彼の助けすら借りずほとんど1人で指輪を棄てるという仕事を成し遂げてしまいそうです。(やっぱ強いぞ,このフロド(笑))

そしてボロミア自身も,救われる機会のないままどうやらアラゴルンに殺される運命が待っているようだし,アラゴルンも,ご先祖様からの長~い放浪生活に終止符を打ち,久しぶりに王様になるという感動がイマイチ伝わりそうにありません。

この何かバラバラな話に,皆が指輪物語のテーマだと持っている,他人への思いやりとか,希望とか,成長とか,故郷や友人や家族への愛とか,自己犠牲とか,を盛り込んでいくのもこれからの話なのでしょうが,もう1つふと気が付いた,というより思い出したのは,正式版指輪物語には,よく「対」が登場しますね。随分昔にこんな記事を書きましたが,アンドゥインにひっそりと建つ,イシルドゥア,アナリオンの兄弟王の像を見たのがその始まり,で,2つの国,2人の王,2人の支配者,2人の後継者,兄と弟,兄と妹,等々,もう数え上げたらキリのない「対」が,まだ今の時点ではよく見えないのですが,それも,これからなのですね。

これから,こんなたくさんの複雑な構成をどんどん作り上げていくんだなあと思うと,ホントによく練られた話だったんだなあと改めて思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿