いもうとよ-10

2017-04-01 09:55:18 | Weblog
おっはようございま~す。マリーで~す。

事情をご存じない皆様は、昨日のうちのおばはんの記事をご覧になっても、話がつながらないじゃないかとお考えになったかもよねえ。でもあの人としてはこんな形でしか書けないんだもん、仕方がないのよ。妹のみいちゃんはお仕事では真面目に普通の家庭の家政婦さんで働いてたし、お金のないおねえちゃんよりはお父さんと義理のお母さんにも必要なことはできる限りのことをしていたのよ。

お洒落だったし、流行にも敏感で、一緒に寮に住み込んでいた家政婦会の同僚たちともうまく仲良くしていたのよ。みいちゃんと、うちのおばはんの大きな違いはさあ、あちらは一人になるのが嫌いでほかの人と一緒に出掛けたり、おしゃべりしたりする生活が好きだったのよねえ。うちのおばはんみたいに一人になるほうが好きなのとは正反対だったんだわさ。

問題が起こり始めたのはみいちゃんが携帯電話が欲しいって言い出して、買って使い始めてからなのよ。うちのおばはんはそれには別に賛成も反対もしなかったけど、ちょっぴり心配だったのね。みいちゃんは自分のおねえちゃんの裏の事情なんて何にも知らないから電話してくるとペラペラいろいろしゃべりすぎるくらいしゃべるのよ。おねえちゃんのうちのおばはんとしては、長年の経験で、ネタ探しにマスコミ関係なんかが電話の会話を盗聴したりすることもあるのがわかってたから、みいちゃんにやたら長電話なんてしてほしくなかったの。

だってねえ、昨日の分の記事はほんとに現実にあったはなしなのよ。だからあの人のところにとんでもない国際電話がかかってきたこともあるのよ。一国の大統領の国際電話だったからちゃんと記録も残っていて、あの人の話を信じなかった人たちも何も言わなくなっちゃったわよ。それはいいけど、おかげで、うちのおばはんにはマスコミに付きまとわれたり盗聴なんて珍しくなかったのよ。それを知らないみいちゃんはペラペラ、ペラペラ、困るからとうとうやたらに電話するなって言っちゃったんだわ。

問題になるのはみいちゃんの仕事は個人のご家庭で介護や家事を手伝うお仕事よ。どこの誰だってやたらに個人の家庭の事情が外部に流れたりするのはうれしくないわよね。あの子だって口は堅かったのに、ケータイを使うとそこから外部に情報が漏れたりするなんて普通考えてないわよね。それで結局雇い主から家政婦会に人を換えてくれってことになっちゃったみたいなの。あの人だって、長年妹がお世話になっていた家政婦会を悪く言う気なんかないけど、結果としてあの子、首になっちゃったのよ。多分、家政婦会や雇い主のご家庭の家族にもマスコミから取材があったはずよ。

それがあの子の日頃の厭世的なところをつついてしまったんじゃないかって、うちのおばはんは考えてるのよ。お父さんが亡くなってからみいちゃんの拠り所になるところって長年働いてきた家政婦会とそのお仕事だったのにねえ。あの子、拠り所がなくなっちゃって、年を取っていく自分を見て死にたくなっちゃったんじゃないかしら。おねえちゃんは電話しても、電話なんかかけるなっていうし、寂しかったんじゃないかなあ。

終わってしまったことをあれこれ言っても仕方がないけど、みいちゃんはもう帰ってこないのよね。うちのおばはんのとこって亡くなっちゃった妹の下にもう一人弟がいるんだけど、あの人、妹のことで懲りてるからこのところ、弟への連絡は慎重になってるのよ。出来の悪い弟でも実の弟、たった一人の弟を心配しないわけがないんだけど、今は余計な手出しはしないで様子を見てるしかないって思ってるみたい。家族とか血縁て難しいのよね。

今日のはなしはこんなとこかしら、でもね、このはなしのキモはまだまだ先よ。ほんじゃ、またね。