peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

ヒメアオキ(姫青木)

2009年04月27日 | Weblog
北上市国見山のヒメアオキ(姫青木) 2009年4月24日








2009年4月24日(金)、北上市の極楽寺の裏山道登り口を
歩いていたら、真っ赤な実と花を同時につけたアオキ(青
木)を見つけました。
普通のアオキと比べると背丈がかなり低いのでヒメアオキ
(姫青木)
ではないかと思われます。






上の「国見山 山頂まで約20分」と書かれている表示板の所
には、普通のアオキ(青木)と思われるものも沢山花を
咲かせていました。







ヒメアオキ(姫青木)ミズキ科 アオキ属
Aucuba japonia var.borealis
高さ0.5~1mになる雌雄別株の常緑低木。茎は根元から
斜め上に伸び緑色。葉は柄があり互生する。花は4~5月
に開き、雄花序は大きく、雌花序は小さい。花弁は紫褐色
で4枚。
果実は楕円形で赤く熟す。母種のアオキは暖地性だが、
ヒメアオキは多雪地の日本海沿岸に多い冷温帯性の植物。
ヒメアオキはアオキに比べて成形、葉とも小型で葉柄、
葉の裏面、若い枝などに微毛がある。

分布:北海道、本州(日本海沿岸)。岩手県では奥羽
山脈、北上高地の北部の日本海型のブナ林(ブナ~チシ
マザサ群落)の林床に普通に生育する。
[岩手日報社発行「岩手の樹木百科」岩手大学教授・菅原
亀悦 編著より]

ウスバサイシン(薄葉細辛)またはオクエゾサイシン(奥蝦夷細辛)

2009年04月26日 | Weblog
北上市国見山のウスバサイシン(薄葉細辛)
またはオクエゾサイシン(奥蝦夷細辛) 2009年4月24日





北上市の極楽寺の裏側にある国見山(244.6m)には、極楽寺を抜けて西行法師句碑─胎内くぐり─国見山大悲閣展望台─平和観音の順に進みますが、極楽寺裏山道登り口を通れば約半分の距離で到着します。国見山頂上から平和観音を通って珊瑚岳(259.5m)に行く場合、下から登ってきたこの道と出会います。



2009年4月24日(金)、この日はエイザンスミレ(叡山菫)を見に行ったのですが、
その後、この分岐点から600mの所にある珊瑚岳(標高259.5m)まで行ってきました。

上:平和観音の方から来た道との分岐点 
山道のすぐそばにウスバサイシン(薄葉細辛)と思われる
植物が、暗褐色を帯びた花を咲かせていました。
もしかしたら、オクエゾサイシン(奥蝦夷細辛)かもしれません。








ウスバサイシン(薄葉細辛)ウマノスズクサ科 ウスバサイシン属
Asiasarum sieboldii
山地のやや湿った林床に生える多年草。和名は薄葉細辛
根を漢方で細辛(さいしん)と呼び、鎮痛、鎮咳(ちんがい)、
去痰(きょたん)に用いたとのこと。ヒメギフチョウの食草と
して知られる。
茎は地面を這って、先端に長い葉柄のある葉を2枚対生状に出
す。葉柄は暗紫色。葉は卵心形で薄く長さ5~8㎝。先は急に尖り、
基部は深いハート(心)形で、表面は艶がない。

花期は3~5月。花は直径1~1.5㎝で、2個の葉柄の基部に1個つ
ける。萼は広い鐘形。萼片の上部は水平に広がり、その先端が
キュッと上向きに曲がっているのが特徴。先端は3裂し、三角状
広卵形で、縁だけ外側に反り返る。フタバアオイと違って、3個
の萼片の下部は完全にくっついている。
分布:本州、四国、九州(北部)。
オクエゾサイシン(奥蝦夷細辛) A.heterotropoides
ウスバサイシンと似ているが、葉はあまり尖らず、
萼片にキュッと曲がった部分がない。
北海道と東北地方に分布するとのこと。

ヒメギフチョウ

2009年04月26日 | Weblog
花巻市胡四王山のヒメギフチョウ
 2007年4月28日






2007年4/28(土)、花巻市の胡四王山に行ってきました。童話村
の大駐車場に車を置いて、胡四王神社がある頂上まで約500m位
坂道を往復しました。
宮沢賢治記念館があるこの山は、「ヒメギフチョウ」の棲息地
としても知られています。






2~3年ぐらい前に行ったとき、ヒメギフチョウが飛んでいるのを
みかけたのですが、写真を撮ることはできませんでした。
今回は、30分ぐらいもねばって、ようやく撮ることができました。


なお、ヒメギフチョウの成虫が吸蜜するカタクリの花が生えている
付近には、幼虫の食草であるウマノスズクサ科ウスバサイシン属の
「オクエジサイシン(奥蝦夷細辛)Asiasarum sieboldii」が沢山
生えていました。



花巻市胡四王山のウスバサイシン(薄葉細辛)

2009年04月26日 | Weblog




4月28日(金)、花巻市の胡四王山に行きました。この山の中腹
には「宮沢賢治記念館」が建っていますし、頂上には「胡四王神
社」が建っています。そして、周囲の林床には「カタクリ」が沢
山咲いていました。カタクリの花の蜜をヒメギフチョウの成虫が
吸うそうです。

胡四王神社のところで、「ウスバサイシン(薄葉細辛)」が花を
咲かせているのを見つけました。この植物の葉は、ヒメギフチョウ
の幼虫の食草として知られているところですが、ヒメギフチョウの
成虫が飛んでいるのを見ることができました。





ウスバサイシン(薄葉細辛)ウマノスズクサ科 ウスバサイシン属
Asiasarum sieboldii
山地のやや湿った林床に生える多年草。根元から2本5~10cm
の長い柄を伸ばし、その先に長さ5~8cmのハート形の薄い葉を
つける。2個の葉のつけ根に暗褐色を帯びた花を1個つける。花
は直径1~1.5cm。。「ヒメギフチョウ」の食草として知られて
いる。
 
3枚の花びらに見えるのは、萼の一部で、基部側を萼筒という。
3枚の萼片の上部は水平に広がり、その先端がつまんだように持
ち上がる。花期:3~4月。

属は違うが、よく似た「フタバアオイ」と違って、3個の萼片
の下部は完全にくっついていて、葉のへりに毛がある。
 
和名の「ウスバサイシン」の「サイシン(細辛)」というのは、
細くて辛い根を乾燥させたもの[生薬名]で、「ウスバ(薄葉)」
は文字通り「葉が薄い」ことによる。
分布:本州、四国、九州(北部) 

北上市珊瑚岳のタチツボスミレ(立坪菫) 2009年4月24日

2009年04月25日 | Weblog
tatitubosumire北上市珊瑚岳のタチツボスミレ(立坪菫)
 2009年4月24日







2009年4月24日(金)、この日は朝からいい天気で、
風もなく絶好の行楽日和。北上市の極楽寺がある国見
山にエイザンスミレを見に出かけました。極楽寺前の
無料駐車場に車を置いて、国見山裏山道登り口を歩く。
目的のエイザンスミレにも会えたので、600mほど先
にあるという珊瑚岳頂上(259.5m)まで歩いてみることにしました。


上:鎖のついた急な坂を上ると「珊瑚岳0.6km」の標柱
がありました。






上:「珊瑚岳0.4km」の標柱






下:このような岩場上の道の傍らにタチツボスミレ(立坪菫)が
咲いていました。








上:「珊瑚岳」の表示 「珊瑚岳頂上」の標柱は見つけません
でしたが、立木に「珊瑚岳」の木札が結びつけられ
ていました。




タチツボスミレ(立坪菫)スミレ科 スミレ属
Viola qrypocra
北海道から沖縄まで、また海岸近くの道ばたから亜高山
まで、日本中たいていの所で見られる日本を代表するス
ミレ。
国外の分布は、台湾や済州島などの朝鮮半島周辺の島に
わずかに知られるだけで、日本特産同然といわれていたが、
最近の中国の文献では、中国本土にもかなり分布している
ことが明らかになったとのこと。

分布の中心は日本列島本土で、沖縄では少なく、本土から
の帰化品ではないかといわれている。また、北海道の北部
もあまり多くないとのこと。

環境への適応の幅は広く、日当たりのよい草地や落葉樹
林の下、林縁はもちろん、植林された杉林の下のような所
でも、少し日が入ればよく花を咲かせるという。

垂直分布のほうも幅が広く、本州中部では海岸から亜高
山まで見られるとのこと。

この仲間の特徴は、葉のつけ根の托葉で、櫛の歯状に
細かく切れ込んでいる。
花期は3~5月。花期の草丈は5~15㎝。咲きはじめは地
上茎が目立たないが、次第に茎を斜上させ、花が終わ
る頃に伸びて高さ30㎝ほどになる。

花は直径1.5~2.5㎝でふつう淡紫色だが、空色に近い
ものや赤みの強いものなど、変異が多い。唇弁の距は
ふつう紅紫色を帯びて細い。側弁の基部は無毛。

花柄は、茎の葉のつけ根から出るものと、株の根元か
ら出るものがある。これは根元から花柄を出さないオオ
タチツボスミレ(大立坪菫)との識別のポイントのひと
つ。

花柄に毛がないものが典型とされるが、毛のある個体も
多い。
花期の葉は長さ2~4㎝のハート(心)形で先は尖る。
花の後、茎葉は長三角形になる傾向が強い。

個体数が多く、適応の幅も広いだけに、変異が多く、様々
なタイプが知られている。分布:日本全土。