peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

ショウジョウバカマ(猩々袴) 2009年3月21日&31日

2009年04月06日 | Weblog
一関市「千厩野草会」のショウジョウバカマ(猩々袴)
 2009年3月21日



2009年3月21日(土)、一関市千厩ショッピングモール
・エスピア(一関市千厩町千厩字西小田)で開催された
千厩野草会(会長・金野昌敏)の「雪割草展」で、
雪割草と寄せ植えのショウジョウバカマ(猩々袴)
拝見しました。野生のものは、後1カ月ぐらいしないと
見られないと思います。


一関市厳美町自生のショウジョウバカマ(猩々袴)
 2009年3月31日




2009年3月31日(火)、一関市厳美町にある里山の
ミズバショウ(水芭蕉)群生地で、ショウジョウバカマ
(猩々袴)
が花を咲かせようとしていました。
場所は、国道342号線を一関市街から須川温泉/真湯温泉
方面へ進み、「骨寺村荘園案内所」前の分岐点で県道49
号線(衣川/前沢方面)へ曲がり約2kmぐらいの雑木林の
中。今まで何度か行ったことがある所です。





ショウジョウバカマ(猩々袴)ユリ科 ショウジョウバカマ属
heloniopsis orientalis
山野のやや湿った所や渓流沿いに生える常緑の
多年草。根生葉はロゼット状に多数つき、倒披針
形で長さ7~20㎝、幅1.5~4㎝あり、冬も枯れな
いで残る。ときに古い葉の先端から新しい苗が
できるという特性がある。

春、根生葉の間から高さ10~20㎝の花茎が立つ。
花茎は円筒形で葉はないが、数個の鱗片葉をつけ
る。花被片は6個あり、線状倒披針形で長さ1㎝ぐ
らい。質は厚い。花の色は淡紅色から濃紅色まで
変化が多く、白色のものもある。(「シロバナシ
ョウジョウバカマ」として記載されているものと
は異なるとのこと。)雄しべは6個あり、花糸は
花被片と同長か、やや長い。

花が終わると花茎は伸び30~40㎝ほどになる。花
被片も緑色になって残る。子房は円形だが朔果に
なると3つに深くくびれる。種子は線形で両端が尖
り、長さ5㎜ほどである。

和名の「猩々袴(しょうじょうばかま)」は、花
の色を猩々の顔の色に、下部の根生葉を袴に見立て
たものだという。別名:ユキワリバナ、カゴバナ。
花期:3~6月。
 分布:北海道、本州、四国、九州、朝鮮。
[殖やし方]株分けや実生によるが、葉先を用土に
埋めると新芽のむかごができるので、これを外し
て肥培してもよいとのこと。
ショウジョウバカマ属Helonopsisは、日本から
台湾、朝鮮に数種類が分布、日本には変種を含めて
5種ほどが自生する。ショウジョウバカマの変種と
しては、花が白く葉が薄めで縁が波状になるシロ
バナショウジョウバカマ
が本州と四国に、
花、葉ともやや小型のツクシショウジョウバカマ
(別名:ヤクシマショウジョウバカマ)
が九州に
分布する。
近縁種で葉や花ともに極小で晩秋に開花するコショウ
ジョウバカマ
は沖縄から石垣島、西表島、
台湾に分布する。
中国原産種でよい香りがする「ニオイショウジョウバカマ
の和名で流通する種は、別属のユピシランデュラ属の
植物。

一関市厳美町自生のショウジョウバカマ(猩々袴)

2009年04月06日 | Weblog
一関市厳美町自生のショウジョウバカマ(猩々袴)
 2007年4月20日




2007年4/20(金)、5年ほど前地元紙「岩手日日」
で紹介された、一関市厳美町の「ミズバショウ(
水芭蕉)」群生地に行ってきました。
国道342号線の「本寺」から「上衣川」方向に進み、
1.5kmほどの所(たぶん「上菅生沢」という所)の
山の中にあります。
広い沢のような場所に、ミズバショウが群生してい
ます。
ミズバショウは盛りを過ぎていましたが、ピンク色
ショウジョウバカマ(猩々袴)が咲いていました。
















ショウジョウバカマ(猩々袴)ユリ科 ショウジョウバカマ属
 Heloniopsis orientalis
低山や丘、野原のやや湿った場所に生える。また、
日当たりのいい場所や、林の中のような日陰でも自
生する多年草。
葉はロゼット状で、冬も枯れないで残る。4~6月、
10~30cmに伸びた花茎の頂上に花柄をいくつかに分
けて咲く。花びらは6枚あり、ピンク色(淡紅色)
から濃紅色まで変化が多く、白色のものもある。
雄しべが6本、中心に1本の雌しべがある。花は数個
から10個くらい付くこともある。

下側の花茎には、包(ほう)という小さい葉がつ
くが、大きい葉はつかない。根には、ヘラ形の葉
が、20~30枚つく。

草の高さは、花の咲いている時には20~30cmほど
になる。花後はさらに高く50cmほどにもなる。

和名の「ショウジョウ(猩々)」は、赤毛で人に
似た中国の想像上の動物。能では赤毛、赤面、赤袴
で演じられるという。鮮やかな紅花を毛や面に、葉
を袴に見立てて名づけられたといわれる。
 分布:北海道~九州

なお、仲間には「シロバナショウジョウバカマ
(白花猩々袴)」「ツクシショウジョウバカマ(筑
紫猩々袴)」「コショウジョウバカマ(小猩々袴)
」「オオシロショウジョウバカマ(大白猩々袴)」
などがある。

一関市のショウジョウバカマ(猩猩袴)

2009年04月06日 | Weblog
一関市釣山のショウジョウバカマ(猩猩袴)
 2007年4月8日






2007年4/8(日)、一関市釣山の釣山公園の表出入口近くに
ある民家の庭先に植えられたショウジョウバカマ(猩猩袴)
が見ごろを迎えていました。野山に自生しているものと比べ
るとだいぶ早いのではないでしょうか。





一関市厳美町のショウジョウバカマ(猩猩袴)
 2006年5月11日




一関市千厩町の千厩野草の会の「雪割草展」に展示
されていた鉢植えのショウジョウバカマを先に掲載
しましたが、一関市の里山に自生するショウジョウ
バカマは、例年5月のゴールデンウィーク頃にならな
いと見頃にならないようです。
ここに掲載したのは、昨年(2005年)の5月11日に
一関市厳美町の里山で撮ったものです。






ショウジョウバカマ(猩猩袴)
ユリ科 ショウジョウバカマ属
 Heloniopsis orientalis
ショウジョウバカマ(Heloniopsis:ヘロニオプシス)属
の植物は、日本、台湾、朝鮮半島に4種と亜種、変種が分
布する。多年草で葉は螺旋状に根生し、花はやや散形状の
総状花序に数個点頭してつく。

北海道、本州、四国、まれに九州に分布し、山地の少し
湿った所に生える。やや革質で光沢のある葉を放射状に
根生し、花茎は10~30cm、開花後50cmに達する。花茎の
頂端に10花ほどが総状につき、横向きに咲く。花色は紅紫。

変種には、関東地方以西と四国に分布する白花の「シロ
バナショウジョウバカマ(白花猩猩袴:var.flavida)、
九州には「ツクシショウジョウバカマ(筑紫猩猩袴:ssp.
breviscapa)が多く分布する。花期:3~4月。

このショウジョウバカマ(猩猩袴)の和名の由来につい
て、小学館発行の久保田惇・著「野あるき 花ものがたり」
という本に、次の通り記載されています。

古人が想像した動物の一つに、猩々があります。「猿に似
て体は朱紅色の長毛でおおわれ、顔はヒトに、声は小児の
泣き声に似て、人語を解し酒を好むという」(「日本国語
大辞典」)などと解説される怪獣です。

ショウジョウバカマ(猩々袴)は、春先に咲く美しい紅紫色の
花房をその猩々の頭の毛に、そして地表を広く覆うような
葉(根出葉)の重なりをその袴に見立てて名付けられたの
でしょう。猩々が袴をはいていると見立てたのは、きっと
能の「猩々」のイメージに沿ってのことに違いありません。
(以下省略)