京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「9月の怪談」

2016-09-01 09:36:57 | 時計修理

9月1日木曜日。
今宮神社で市の日。
鳥居前の立派な狛犬に迎えられて境内に入っていきます。
朝9時前の時間帯にもかかわらず結構な人でにぎわっていました。
残念ながら目当てのLPレコードのおじさんは不在。ちょっとがっかりしました。
「やはり売れないのかね~?もうちょっといっぱい買ってあげていたらよかった!」と反省しきりだ。

境内の中にも狛犬が待っていました。
阿吽の呼吸の前を静かに通り過ぎてお参りしてきた。

今日の戦利品。梅干し500円、落花生300円、サツマイモ小さな五本入り200円と珍しい山クラゲ(長野名産)150円をゲット。
特に山クラゲは久しぶりです。一日水に浸してごま油で炒める。コリコリとした歯にうれしいお酒のつまみになります。お酒がおいしい季節になりました。

今日から9月のスタート。8月が散々だったので9月に期待をかけましょう!
ところでバイヤーをやっていたウオッチマン倒産から8月で10年目を迎えたのでアフターサービス期間の呪いのような慣習を抜けた。
これから自由に休める。「厄落としで久しぶりに飲みましょう!」と海外の友人からお誘いもあったりする。
檻の中に10年閉じ込められていると檻がなくなってもどうしても外に踏み出せない。昨日も定休日にも関わらず工房に出てきてしまった。
徐々に一般の生活に戻れるようリハビリを頑張る時計師なのだ。

 村上春樹の小説を完読できずに図書館の戻した。
どうしても読み進められない本がある。
昔、国内外のホテル暮らしを数か月続けたことがあるのでこの小説はホテル暮らしの恐怖を正確に思い出させます。
途中ぼんやり思い出の世界に入って最期は挫折してしまいます。

「死刑台のエレベーター」という映画があるがいきなり真っ暗なエレベーターに閉じ込められたこともある。「ここのボタンを押したお前が悪い!」と係の人から現地の言葉で言われた。どのボタンなのかいまだに不明だ。

また大阪で13階の角部屋にあたったときも恐怖の一夜を送る。翌日の朝確認すると10階の部屋に寝ていた。
確かに13階のカギを渡されて入った。
「オヤ~!十三(じゅうそう)の部屋かいな~縁起がええね!」とクロークのお姉さまに嫌味を言って部屋に上がった覚えがある。一夜で部屋が変わったのでびっくりした。クロークの人に聞いてみても能面と話しているようで要領が悪く余計気持ち悪くなったのでホテルを替えた。

ヨーロッパのホテルでも問題を起こす。プチホテルではホテルを自宅代わりに住みついている人も多い。
愛想のいいお婆ちゃんはガーデニングの人だと思って話しかけるとそこの宿泊者だった。よく水をかけられた。
たびたび出かける際に庭で水の被害に会うので花の名前を教えてもらったり親しくなる。
「ブドウ畑に植えられているバラの花がきれいに咲くとその年のワインはあたり年になる!虫が付く年のワインははずれ!今年はおいしいワインが飲めますよ~!」と教えてくれる。

ある日、知人からワインをいただいたのでおばあちゃんを驚かそうといきなり部屋を訪ねた。
ノックして声が聞こえたので入る。
ところが室内は真っ暗!誰もいないし部屋を使っている雰囲気はない。独特のかび臭さだ。ホコリアレルギーなので分かる使われることがない部屋。不在だ。
すぐに部屋から離れました。
翌朝そのおばあちゃんといつものように庭で出会ったが何事もなかったように挨拶をして別れる。直後背中から「さようなら~!」と日本語が聞こえてきたのでびっくりして振り返ってもそこには誰もいない。

今年の祇園祭り。
せっかく近くにきたので~となじみの居酒屋に向かう。ところがない!そのお店が見つからないのだ。
ぐるぐる回ってあったはずの場所には古い看板の店がある。年に2~3回利用するお店だったので間違うはずがないのだ。
自宅に帰って「あの○○店、潰れたか~?変な看板が掛かっとったにゃ~」と嫁さんに伝える。
数日後嫁さんが「あんた!ちゃんとやってはるで~!ボケるには早いで!」
それを確かめるためその店に行く。いつもと変わらないでちゃんとそこにあった。
ちょっと気にかかるので「ここの近所に○○の店があったんとちゃいますか~?」と尋ねてみた。何となく雰囲気のいいお店だったのです。
「あ~あ‼それここですよ!僕のオヤジがやっていたお店で改装した折に店の名前も変えたんです。昔のお客さんがよ~迷わはりますねん。」
なるほどなるほど~!おいらはボケていなかったのじゃ~!ぼけていたほうが良かったかも~。ということで村上春樹さんの小説にはヨロズ気をつけよ!リアルなのじゃ。

今日から9月!時空の歪みが起きるお彼岸が来ます。
9月21日水曜日が定休日でお彼岸で弘法市だ。
この日の出会いを楽しみに頑張りましょうね~。









コメント
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