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ゆうちゃんである。 |
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今日も、護岸の中段にいる。 |
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と、上から、おむさんがやって来た。 |
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「おや、ゆうちゃん? そんな所にいないで、川岸に降りなよ」 |
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「降りたいけど……降りると、おかか先生に怒られるんだ」 |
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「子供は毛布やリュックに乗っちゃいけない、って先生は言うんだよ」 |
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「よーし! 僕が先生を説得してあげるよ」 |
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「先生! ゆうちゃんに優しくしてあげて下さいよ!」 |
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「いや! 先日も言ったが、甘やかしてはいかん!」 |
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「決して意地悪ではないぞ。ゆうちゃん自身のためなのだ」 |
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「ゆうちゃんは、過酷な現実を学んでいかねばならんのだ」 |
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「優しくできないんなら、今日はリュックを没収します!」
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「ほほう? このリュックを没収するってか?」 |
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「面白い! やってみろっ!」 ズン |
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「あっ、リュックに乗っちゃった!」 |
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「どうだ! この私を押しのけて、リュックを没収するか?」 |
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「くっ! よ、よーし、こうなったら!」 |
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「先生の上に乗っちゃいます!」 ズン |
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「うわあっ!?」 |
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「どうですか!? 降参ですか?」 「うわあ! お、おい! 重いよ! どいてくれ!」 |
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「わかったわかった、降参だあっ」 |