異物付着、その後

2010年12月16日 17時10分06秒 | B地点 寄り目ちゃん

 

 

被毛にべっとり異物が付いてしまった、よっちゃんである(※参照、「異物付着」)。私は、中一日おいて、この日再び、よっちゃんの状態を見ることができた。

かつて、おむさんの異物付着事件の時には、ボラさんが、すぐに保護して、病院でシャンプーおよび毛刈りをしてくれたのであった(参照、「『激』クリスマス・イブツ」)。おむさんは保護慣れしていて、捕獲・保護が容易なので、できたことである。

よっちゃんの場合、そうはいかない。

まず、捕獲が困難である。よっちゃんをダッコできるのはボランティアAさんのみ、しかも条件がシビアで、よっちゃんがこの場所にいる限り、無理らしい。
次に、保護が困難である。私が知る限り、よっちゃんはこれまで、ボラさんによって二回保護された(※参照、「退院おめでとう」および「えらいこっちゃ!」)。しかし、いずれの場合も、よっちゃんは飲まず・喰わず・出さず・眠らずになってしまったそうだ。また、投薬もままならなかったという。

無理をして捕獲・保護したとしても、シャンプーないし毛刈りの処置そのものが困難であろう。よっちゃんの性格からして、全身麻酔でもしないと、シャンプーや毛刈りはできそうにない。そもそも、この厳寒の時期に、毛刈りをしてよいものかどうか?

仮に保護して、毛刈りをしたとしても、リリース後にどうなるか? よっちゃんがもしも姿を消してしまったら、元も子もない。(よっちゃんは今いる場所で、しばしばグレ太と激しいケンカをしている。リリース後につつがなく定着できるかどうか、ちょっと怪しいのである。)

あらためて考えてみると、被毛に異物が付着しているからといって、「ただちに命に関わる」というほどのことはない。

実際のところ、よっちゃんは、この日の時点で既に数日間、兎にも角にも、今まで通りの暮らしを現に続けているわけである。そこを敢えて、上記のような諸々の危険を冒してまで、無理な保護に踏み切るべきかどうか。

―― その後、よっちゃんは、異物を、被毛もろとも、自分で引きむしってしまい、皮膚を痛めてしまった。相貌もかなり悲惨になった。

私とボラさんは、上に述べたようなことを話し合った上で、「観察を継続し、問題が生じたらあらためて対応する」ということにした。

01月08日現在、よっちゃんは元気であり、皮膚の傷も癒えつつある。

言うまでもないが、野良猫の保護には、状況の把握・分析・判断のみならず、時間・手間・人手・費用という現実的な問題も付帯する。そして何よりも、保護が裏目に出た時に、トラブルが生じた時に、失敗した時に、その「責任」を引き受ける覚悟があるかどうか。これが、いちばん重い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


奴はとんでもないものを盗んでいきました

2010年12月16日 16時34分08秒 | B地点 おむ

 

 

名探偵ホおむズ 事件簿014


名探偵ホおむズは、テムズ河の川岸で、のんびり過ごしていた。
すると、ふいに ―― 黒いマントの男が、護岸の上に現れた。

「ふっふっふ。お前がシャーロック・ホおむズだな……」
「むっ!? 何者だ?」
「私は、アルセーヌ・ルパン!」
「何っ!?」
「うーむ! あれが噂に高い、怪盗ルパンか!」
「どうだ、ホおむズ。私と勝負をしようじゃないか」
「しょ、勝負だと?」
「日暮れまでに、私は、あるものを盗む……」
「盗みを阻止できれば、お前の勝ちだ」
「みごと盗めたら、私の勝ちだ。この勝負、受けるか!」
「お、面白い! 受けて立とう!」
「なんと! ルパン対ホおむズ! 世紀の対決が遂に実現か!」
「ホおむズ、奴に勝つ自信はあるのか?」

「さあて、どうかな……」
「とにかく、奴の出方がわからん。待つしかあるまい」

「うむ。そうだな」
―― と、待っているうちに、日が暮れてきた。

「いかん、もう日暮れだ」
「どうする、ホおむズ? 事件が起こらないじゃないか」
「うーむ。このままではまずいな……」
「このまま何も起こらなければ、オチも無くなってしまうぞ……」
「そもそも、ルパンは一体、何を盗むつもりだったんだろう?」

←推理している
「……はっ!? わ、わかった!!」
「何っ!?」
「おい、ホおむズ! 奴は、とんでもないものを盗んでいったぞ!」
「それは……今日のオチだ……」
「しまったーーーーっ!!」