被毛にべっとり異物が付いてしまった、よっちゃんである(※参照、「異物付着」)。私は、中一日おいて、この日再び、よっちゃんの状態を見ることができた。 かつて、おむさんの異物付着事件の時には、ボラさんが、すぐに保護して、病院でシャンプーおよび毛刈りをしてくれたのであった(参照、「『激』クリスマス・イブツ」)。おむさんは保護慣れしていて、捕獲・保護が容易なので、できたことである。 よっちゃんの場合、そうはいかない。 まず、捕獲が困難である。よっちゃんをダッコできるのはボランティアAさんのみ、しかも条件がシビアで、よっちゃんがこの場所にいる限り、無理らしい。 | |
次に、保護が困難である。私が知る限り、よっちゃんはこれまで、ボラさんによって二回保護された(※参照、「退院おめでとう」および「えらいこっちゃ!」)。しかし、いずれの場合も、よっちゃんは飲まず・喰わず・出さず・眠らずになってしまったそうだ。また、投薬もままならなかったという。 無理をして捕獲・保護したとしても、シャンプーないし毛刈りの処置そのものが困難であろう。よっちゃんの性格からして、全身麻酔でもしないと、シャンプーや毛刈りはできそうにない。そもそも、この厳寒の時期に、毛刈りをしてよいものかどうか? | |
仮に保護して、毛刈りをしたとしても、リリース後にどうなるか? よっちゃんがもしも姿を消してしまったら、元も子もない。(よっちゃんは今いる場所で、しばしばグレ太と激しいケンカをしている。リリース後につつがなく定着できるかどうか、ちょっと怪しいのである。) | |
―― その後、よっちゃんは、異物を、被毛もろとも、自分で引きむしってしまい、皮膚を痛めてしまった。相貌もかなり悲惨になった。 私とボラさんは、上に述べたようなことを話し合った上で、「観察を継続し、問題が生じたらあらためて対応する」ということにした。 01月08日現在、よっちゃんは元気であり、皮膚の傷も癒えつつある。 言うまでもないが、野良猫の保護には、状況の把握・分析・判断のみならず、時間・手間・人手・費用という現実的な問題も付帯する。そして何よりも、保護が裏目に出た時に、トラブルが生じた時に、失敗した時に、その「責任」を引き受ける覚悟があるかどうか。これが、いちばん重い。 |