ぎこちなき苛立ち

2010年12月23日 16時36分09秒 | B地点 おかか

 

 

今日はなぜか、ここを通る人が多かった。
そして、多くの人は、おむの奴を撫でていった。

奴は、人気者だからな。
この人も、
この子も。
人間が苦手な私は、独り離れて、それを見ていた。
人間に対しては、この私にも、愛し愛されたいという気持がある。

だが、不器用な私は、それをうまく表現できないのだ。
私は、そんな自分に、苛立っていた。
そして同時に、皆に好かれるおむの奴に対して、嫉妬していたのだ……。
バシッ
「何をするんです……?」

「どうだ、皆に撫でられて、いい気分か? え、おい、色男?」
「人間に撫でられるより、先生にバシッてされるほうが、嬉しいですよ」
「……う、ううっ」
「泣かせる台詞を言うなあっ」