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「くたばれッ!」 |
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「うッ!? オムイか!?」 |
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「ふははは! 追忍め、油断したな!」
「し、しまッた!」 |
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「た、助けてくれッ」
「逃げても無駄だ!」 |
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「うわーッ」
「観念せい!」 |
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ドカッ
「ぐはあーッ!」 |
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「う、うう……」
よろよろ |
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「ふッふッふ。俺の完勝だな! 久し振りに実力で勝った!」 |
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「ま、待てい、オムイ……」
よろよろよろ |
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「こ、これで勝負ありか? これで終わりなのか?」
「勿論だ。誰の目にも、勝敗は明らかだろう」 |
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「何のヒネリもないではないか……」 |
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「へん。ヒネリなんぞ、いらん♪」 |
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「SF的な展開もなしか……?」 |
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「そんな展開なんぞ、いらん♪」
ぷいっ |
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「ほろっとさせる人情噺も、なしか……?」 |
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「なしッ♪」 |
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「それでは、読者が納得しないぞ……」
「何だと~?」 |
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「ええ~い! ごちゃごちゃと、うるさい奴だな!」 |
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「ようし、わかった。そこの赤い毛布にでも、くるまっていろ!」 |
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「毛布にくるまれ? こ、これでいいか?」
「うむ。それでいい」 |
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「そうすれば、なんとなく人情噺っぽい結末に見えるだろ?」 |
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「そ、そうかなあ。無理があるような気がするが……」 |
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「……ま、作者が病み上がりだから、しょうがないか」 |