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おかか先生が、赤い毛布に、くるまっている。 |
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「うむ。暖かい」 ぬくぬく ほこほこ |
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「ふふふ。やはり、冬は毛布に限る」 |
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そこへ、ゆうちゃんがやって来た。 |
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「おや。ゆうちゃんが、護岸の中段まで降りて来たよ!」 |
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「おかか先生、その毛布、いいですね~」 |
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「うへへへ。うらやましいか?」 |
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「僕も、毛布に入りたいなあ」 |
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「いか~ん!」 |
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びくっ |
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「子供は風の子! 毛布なんかに入ってはいかん!」 |
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「ひゃ~! 怖いなあ」 ゆうちゃんは、おびえて、逃げてしまった。 |
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しょぼ~ん |
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「ありゃ。可哀想に」 |
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「おかか先生は、ゆうちゃんには厳しいからなあ……」
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「ねえ、おかか先生。ゆうちゃんに、もっと優しくできませんか?」 「いやいや。子供を甘やかしてはいかん」 |
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「でも、ちょっとぐらい毛布に入れてあげたって、いいでしょう?」 「いかん! ゆうちゃんが毛布に入るなんて、十年早い」 |
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「毛布に入る資格があるのは、数々の試練に耐えた猫だけなのだ……」 |
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「というわけで、さて、また毛布に入ろうかな」 |
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「あ、あれ? 毛布が無いぞ?」 |
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「おい! ここにあった赤い毛布はどうした?」 |
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「没収しました」 |
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「な、何っ!?」 |
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「ゆうちゃんに優しくできないのなら、毛布は没収です」 |
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「そんなあ~っ!」 |