その前日

2010年03月19日 17時40分00秒 | B地点 おむ

 

 

おむさんは、久し振りに、ネコジャラシで遊んだ。
カメラのお兄さんは、秋にネコジャラシをたくさん収穫して、乾燥させておいたのだ。
寒い冬の間は、こんな遊びもできなかった。

だから、とても楽しかった。
けれど、やがて、遊び疲れた。
日も暮れてきた。
おむさんは、眠くなった。
おかか先生も、うとうとし始めた。
すやすや
ぐーすかぴー
そして、おむさんは、夢を見たのだ……。
何か、美しいピンク色のものが、たくさん夢に現れた。
そして ―― 「明日、会いに行きます」と言ったのだ。
目覚めたおむさんは、不思議な気持だった。

「……先生、僕、とっても綺麗な夢を見ました」
「私もだ」
「……きっと、同じ夢ですね」
「うむ」
おかか先生は、桜の木の方へと歩いていった。
そして、桜の枝を、暫く見詰めていた。
先生は、何か確信を得たらしい。
おむさんも、桜の枝の下まで行った。

そして ―― いつまでも動かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


膨らんで、はじける

2010年03月19日 16時07分00秒 | B地点 おむ

 

 

「うふふっ。おい見ろ」
「桜のつぼみが、あんなに膨らんできた」
「今にも、はじけそうだ」
「明日あたり咲くんじゃないかな?」
「楽しみだな~」

ころころ
「早く咲かないかな~」

くねくね
「……おかか先生、また太ったんでは?」
「……え?」
「先生のおなかも、だんだんに膨らんで……」
「やがて……」
「ば~ん!」
「うわあ~っ!?」
「先生のおなかが、はじけたあ~!」
「……てなことになるかもっ!?」
「いや……そりゃないよ……」