最後の晩

2010年03月04日 03時12分00秒 | B地点 その他

 

 

02日の午後からは、もう自力で食べることができなくなったピアスちゃん。

03日の夜は、ボランティアさんがお越しになり、a/d をシリンジで与えるなど、色々と手を尽くして下さったが、ピアスちゃんは吐いてしまった。

写真はその後。日付が変わって03月04日、00時40分撮影。

00時46分。

最後の晩。

私はピアスちゃんに添い寝をした。

ピアスちゃんは、私の布団の中で丸くなり、暖まる。気持ちよさそうに、ゴロゴロと喉を鳴らす。静かな寝息を立て始める。

やがて、暑くなるのか、窮屈になるのか、ピアスちゃんはおもむろに布団から出て、枕元で、私が乱雑に脱ぎ捨てた衣服の上に座る。

また暫くすると、ピアスちゃんは、布団の中に入ってくる。

―― そんなことを何度か繰り返しつつ、私達は、明け方まで一緒に過ごした。

写真は、03時12分。枕元にて。私の衣服の上のピアスちゃん。

夜が明けた。

午前中、ピアスちゃんは、大好きなストーブの前で休む。

写真は、11時43分。

11時55分撮影。

ピアスちゃんはこの後、お昼過ぎに、一縷の望みを懸けた治療をもう一度受けるため、病院へと搬送された。


夕刻、危篤の知らせを受け、私は病院へと急いだ。

街は既に暗く、冷たい雨が激しく降っていた。

診療時間をとうに過ぎた病院は、静かだった。

惜しみなく愛情を注いでくれたボランティアさん達、最善を尽くしてくれた主治医とスタッフ、そして私、この五人に看取られて、ピアスちゃんは19時30分頃、息を引き取った。