"碧(あおい)と翠(みどり)にね、サンタさんへのお願いは何にするの?って聞いてみたの"
週に1度許可された、家族との交信。
10分に満たない時間だが、とても大切で幸せな時間だ。
しかし、乗組員に都合の良い時間を回しているため、僕が交信できるのは地球・日本エリアの深夜が多い。
そんな時間まで子供たちが起きていられる筈もなく…。
この1ヶ月は子供たちの顔を見ることすらできず、雪と2人だけの時間となっていた。
それでも、夫婦の会話は自然と子供の話へと移っていく。
「もうそんな季節か…」
長期の航海に出て1ケ月。
季節感に乏しい艦内にいては忘れてしまいそうだったが、あとひと月ほどでクリスマスだ。
僕はクリスマスの頃にはまだ星の海にいて地球には戻っていない。
「そういや、碧が宇宙の図鑑を欲しがっていたよなあ
翠は…犬を飼いたいって言ってたっけ」
今回の航海に出る前に、息子におねだりされていたものを思い出す。
ヤマトの初航海以降、地球における宇宙の情報は驚くべきスピードで変わっている。
本屋や図書館で多くを占めるディンギル戦以前の図鑑では内容が古いのだと碧が言っていた。
だから、最新の図鑑が欲しいのだと。
アクエリアス以降、地球に木々や草花がよみがえり、生活に潤いや余裕がでてくると、家族の一員としてペットを求める人も増えてきた。
僕たちの家族が住む家も、広いとは言えないが家族が住むには充分の広さがあり、子供が遊ぶのに丁度良い庭もある。
宇宙よりも身近な生き物が気になる娘は、犬をお迎えしたいとよく話していた。
"うふふ。ちゃんと覚えていたのね。さすがはお父さんね"
雪がクスリと笑う。
ただでさえ家にいる時間が少ない僕だから、子供たちの希望要望ぐらいは覚えていかないと。
僕がそう言うと雪の笑顔が一層柔らかいものになった。
"でもね、子供たちのクリスマスのおねだりは、実は……"
"碧!翠!!お父さんからの通信よ!早くいらっしゃい!"
モニタの向こう側で雪が子供たちを呼ぶ声が響き、TVの前に座っていた二人が、バタバタと通信機の前に駆け込んでくる。
""お父さんお父さん!!
サンタさんがお父さんに会わせてくれたんだ!!
やっぱりサンタさんはいるんだよ!""
はちきれんばかりの笑顔の子供たちの後ろで雪が微笑んでいる。
傍にいて触れることは出来ないけど、僕の大切な家族の笑顔。
今日と言う日にその大切な笑顔に会えたことは、僕にとっても何よりのクリスマスプレゼントだ。
「父さんは大晦日に地球に着く。だから、今度のお正月は一緒に過ごそう」
子供たちの笑顔が弾けた。
あと1週間で長かった航海も終わる。
****************************************************************************
素材 クリスマス素材サンタ館さま
※あとがき※
ある年のクリスマスに因んだ古代一家のスナップです。
いつも一緒に居られなくて、お父さんに会いたいってサンタさんにお願いしちゃうほどの子供たち。
お父さんはそんな子供たちの願いを叶えたくて、クリスマスイブだけは他の乗組員を押しのけて通信時間を早めちゃったのでした(笑)
わがままな艦長さんです(苦笑)
そんな艦長の姿に、鬼艦長の姿しかしらない訓練生はビックリ!古参の乗組員はニンマリ。
うち設定の古代くんと雪の子供は、「お父さん」「お母さん」と古代くんと雪を呼びます。
古代くん自身がそう呼んでいたしね。その方がらしいかなって。
週に1度許可された、家族との交信。
10分に満たない時間だが、とても大切で幸せな時間だ。
しかし、乗組員に都合の良い時間を回しているため、僕が交信できるのは地球・日本エリアの深夜が多い。
そんな時間まで子供たちが起きていられる筈もなく…。
この1ヶ月は子供たちの顔を見ることすらできず、雪と2人だけの時間となっていた。
それでも、夫婦の会話は自然と子供の話へと移っていく。
「もうそんな季節か…」
長期の航海に出て1ケ月。
季節感に乏しい艦内にいては忘れてしまいそうだったが、あとひと月ほどでクリスマスだ。
僕はクリスマスの頃にはまだ星の海にいて地球には戻っていない。
「そういや、碧が宇宙の図鑑を欲しがっていたよなあ
翠は…犬を飼いたいって言ってたっけ」
今回の航海に出る前に、息子におねだりされていたものを思い出す。
ヤマトの初航海以降、地球における宇宙の情報は驚くべきスピードで変わっている。
本屋や図書館で多くを占めるディンギル戦以前の図鑑では内容が古いのだと碧が言っていた。
だから、最新の図鑑が欲しいのだと。
アクエリアス以降、地球に木々や草花がよみがえり、生活に潤いや余裕がでてくると、家族の一員としてペットを求める人も増えてきた。
僕たちの家族が住む家も、広いとは言えないが家族が住むには充分の広さがあり、子供が遊ぶのに丁度良い庭もある。
宇宙よりも身近な生き物が気になる娘は、犬をお迎えしたいとよく話していた。
"うふふ。ちゃんと覚えていたのね。さすがはお父さんね"
雪がクスリと笑う。
ただでさえ家にいる時間が少ない僕だから、子供たちの希望要望ぐらいは覚えていかないと。
僕がそう言うと雪の笑顔が一層柔らかいものになった。
"でもね、子供たちのクリスマスのおねだりは、実は……"
"碧!翠!!お父さんからの通信よ!早くいらっしゃい!"
モニタの向こう側で雪が子供たちを呼ぶ声が響き、TVの前に座っていた二人が、バタバタと通信機の前に駆け込んでくる。
""お父さんお父さん!!
サンタさんがお父さんに会わせてくれたんだ!!
やっぱりサンタさんはいるんだよ!""
はちきれんばかりの笑顔の子供たちの後ろで雪が微笑んでいる。
傍にいて触れることは出来ないけど、僕の大切な家族の笑顔。
今日と言う日にその大切な笑顔に会えたことは、僕にとっても何よりのクリスマスプレゼントだ。
「父さんは大晦日に地球に着く。だから、今度のお正月は一緒に過ごそう」
子供たちの笑顔が弾けた。
あと1週間で長かった航海も終わる。
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素材 クリスマス素材サンタ館さま
※あとがき※
ある年のクリスマスに因んだ古代一家のスナップです。
いつも一緒に居られなくて、お父さんに会いたいってサンタさんにお願いしちゃうほどの子供たち。
お父さんはそんな子供たちの願いを叶えたくて、クリスマスイブだけは他の乗組員を押しのけて通信時間を早めちゃったのでした(笑)
わがままな艦長さんです(苦笑)
そんな艦長の姿に、鬼艦長の姿しかしらない訓練生はビックリ!古参の乗組員はニンマリ。
うち設定の古代くんと雪の子供は、「お父さん」「お母さん」と古代くんと雪を呼びます。
古代くん自身がそう呼んでいたしね。その方がらしいかなって。
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