今日も地球は周ってる

管理人の趣味や日々のことを徒然に。宇宙戦艦ヤマト好きーが現在進行形。時々、六神合体ゴッドマーズ。ALの右オタも兼務

梅の花

2011-02-27 18:02:23 | ヤマトSS
春はそこまできている。
風はまだ冷たかったが日差しは暖かだ。

ようやく小さな流れになった川のほとりを、二人が並んで歩く。
道端には幾本かの梅の木が、まだ小さな枝に花を咲かせている。

遊星爆弾と太陽の核融合異常増進で痛めつけられた地球の自然は、不安定ながらも、それでも逞しく美しく蘇りつつある。

「梅一輪 一輪ほどの暖かさ だな」
それまで黙って歩いていた古代がぽつりと口を開いた。
「そうね、梅の花が咲くごとに暖かくなっていく…やっとここまで地球の自然も回復してきたのね」
落ち着いた古代の声に対し、雪の声は少し明るかい。

古代は空を見上げる。
ピチパチと雲雀が鳴きながら青空を横切っていく。

「…守れたんだな、僕達。…地球を…」
空を見上げながら譫言のように古代が呟いた。

雪は黙って静かに頷いた。


「本当に今日は暖かいや。歩いていたら身体がポカポカしてきたよ」
伸びをしながら古代が言うのに
「あら羨ましいわ。私には少し肌寒い感じよ」
と、雪が返す。

ふと。古代の左手が雪の右手を取った。
「こんなに暖かい日なのに、手が冷たいじゃないか。」
雪の手を取る古代の手に力が入る。雪の手を温めるかのように。
「だって冷え性なんだもの。指先とかは冷えちゃって駄目なのよねえ」
諦め口調で雪がごちる。
言葉が途切れたまま、二人は手を繋いで川べりを歩いている。
ふと、雪が古代の手を解いた。
不思議そうな顔をする古代に雪が柔らかく微笑む。
「だって、あなたの手まで冷たくなってしまうもの」
古代も釣られて微笑む。
「僕の手なんてそんなぐらいじゃ冷たくならないさ」

その後、二人の手は繋がれなかったが、一層寄り添うように川べりを歩く姿が、早春の夕暮れの淡い光の中に溶け込んでいった。



           

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ララブラブまでいかない、ほのぼので書いてみました。
この数日の陽気に釣られたような内容ですね。
こういう他愛もない、何でもないような日常のカケラが幸せなような気がします。
古代くんと雪の2人にも、そんなカケラがあるだろう。って。

タイトルが思いつかなくて。
どこかの豆腐料理屋さんになってしまいましたw


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2 コメント

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Unknown (chu)
2011-02-27 21:50:23
ひ、冷え症っすか(^^;;;
雪さんのことだから、もうちっとロマンチックな台詞を期待したのだが。
ってか、kooさんの中ではそーいうイメージなのかな。
Unknown (koo)
2011-02-27 22:05:54
chuさん
感想ありがとうございます。
そうなんです。
私の中ではあのカップルにロマンチックはあり得ないんです(笑)
だからラブラブじゃなくてほのぼのw
ほのぼのが精一杯の甘さ。

…自分がロマンチック耐性が無いからなんですけどねorz

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