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千住明☆コンサート

2006-05-19 18:27:06 | 音楽の話
池袋の東京芸術劇場で、千住明のコンサートを聴いてきた。館内のレストランでオムライスなど食べ、そそくさとホールに急ぐ。千住明と言えば、千住三兄弟のひとり。兄の博は画家、妹の真理子は世界的なヴァイオリニスト、そしてこの方は多方面で活躍する作曲家である。う~みゅ…この兄弟、ほんとにスゴイってば(0^;;; 



千住明の存在を知ったのは、TBSのTVドラマ「砂の器」から。この作品の主人公である和賀英良が魂をかけて作るのが「宿命」という交響曲だ。主人公を演じたのは、スマップの中居くん。この難役にどう挑むのか?と懸念していたのだが、彼は見事に松本清張の世界を演じ切った。心の叫びのようなピアノが響く冒頭、その後にヴァイオリンの細い音色が悲しみを綴る。この23分の曲がドラマの成功に繋がったとも言える。「砂の器」はこれまで何回も映画やドラマになっていて、他に4つの「宿命」がある。
「そんな作品にかかわれたのは大きな幸せであり、この宿命はもうひとり歩きして私の手から離れたのがまた喜びなんです」
と千住氏は語った。

今回のコンサートでは、小松長生の指揮で新日本フィルが千住明の世界を奏でた。彼の曲は「宿命」しか知らなかったのだが、大好きな映画の「黄泉がえり」や「この胸いっぱいの愛を」、そしてHNKのテレビ小説やアニメの「機動戦士Vガンダム」、ビールのCMの曲なども彼の作品だと知って、その活躍の場の広さに驚く。この日は妹の千住真理子も登場した。初めて彼女のヴァイオリンの音色を生で聴いたが、川井郁子さまとはまた違うその繊細な響きが素敵である♪ そして最後に、羽田健太郎氏が登場し、あの「宿命」をフルバージョンで…。マエストロの小松長生も、この作品を心から愛しているのがよくわかる。暗く寂しい日本海の情景と、和賀英良のどうしようもなかった悲しい生きざまが脳裏をよぎり目頭が熱くなった。

千住明の作品は、オーケストラを使いながらもどこか「日本」を感じさせる。
『音楽は人に聴いてもらってはじめて命を持つ。僕の音楽を必要としてくれる人に寄り添える音楽を創りたい』
という言葉に、彼の人柄があらわれている。曲の合間に登場しても、あくまでも謙虚であり気負ったところが無い。これだけビッグネームになっても、真摯であり続けられるところに、人間としての真の大きさを感じた。本当にスゴイ人は、普通で自然体なんだなぁ。

彼のコンサートは年1回だけ。その機会に触れられたことに感謝!羽田空港の第二ターミナルには千住博による大きな絵がかかげられた広場があり、そこには千住真理子の演奏による彼の「四季」という作品が流れているという。近いうち、彼らの世界に触れに行ってみよう。

千住明→http://www.akirasenju.com/
TBSドラマ・砂の器→http://www.tbs.co.jp/utsuwa/