大好きな中島美嘉ちゃんのアルバムが出た。タイトルは「MUSIC」。1曲目の「桜色舞うころ」を聴いて、ふと涙がこぼれた。彼女の歌声は、なぜこんなに優しく切ないのだろう。桜の開花情報も出て、もうすぐ街はピンク色に染まる。毎年桜が咲くと、2分咲きの誰もいない雨の桜並木をともに歩いた人のことを思い出す。
春雨の桜の下から始まったその人とのことは、暑い夏に向かい、お互い離れられないものになっていった。忙しい彼のことを、ひたすら待つ時間が続いた。そんな中でも、ずっと彼の和みの場となっていたかった。その人もなるべく長い時間会えるように努力してくれて、秋が過ぎ冬が巡って来てもふたりの時間は毎日のように続いていった。彼のそばにいるだけで、心は幸せで満ち足りていた。
2度目の桜の季節。また同じ並木道を手を繋いで歩ける幸せ、ふたりだけの静かな桜並木は、時に東山魁夷氏の「花明かり」のような桜の上に昇る月の情景を見せてくれたり、華やかなフィナーレのような桜吹雪を降らせてくれたりした。カメラが趣味であった彼と、その情景を一緒に撮り合った…。彼の仕事の関係でなかなか遠出をする機会には恵まれなかったが、浅間山を見ながら温泉に入り、その後大好きな軽井沢で過ごした秋の日は忘れられないひとときとなった。
永遠にこの時間が続けばいいと思っていたが、彼のことを気遣い過ぎたため、ネガティブなことやささやかな望みさえ全部自分の心の中に隠して過ごしていた私は、知らぬ間に徐々に壊れていった。眠れぬ夜に言い知れぬ不安感が襲って来るようになり、冬の訪れとともに限界がそこまで来ているのを感じ始めた。(つづく)
「桜色舞うころ」
桜色舞うころ 私はひとり 押さえきれぬ胸に 立ち尽くしてた
若葉色萌ゆれば 想いあふれて すべてを見失い あなたへ流れた
めぐる木々たちだけが ふたりを見ていたの
ひとところにはとどまれないと そっと教えながら
枯葉色染めてく あなたのとなり 移ろいゆく日々が 愛へと変わるの
どうか木々たちだけは この思いを守って
もう一度だけふたりの上で そっと葉を揺らして
やがて季節はふたりを どこへ運んでゆくの
ただひとつだけ確かな今を そっと抱きしめていた…
中島美嘉HP→http://www.mikanakashima.com/
春雨の桜の下から始まったその人とのことは、暑い夏に向かい、お互い離れられないものになっていった。忙しい彼のことを、ひたすら待つ時間が続いた。そんな中でも、ずっと彼の和みの場となっていたかった。その人もなるべく長い時間会えるように努力してくれて、秋が過ぎ冬が巡って来てもふたりの時間は毎日のように続いていった。彼のそばにいるだけで、心は幸せで満ち足りていた。
2度目の桜の季節。また同じ並木道を手を繋いで歩ける幸せ、ふたりだけの静かな桜並木は、時に東山魁夷氏の「花明かり」のような桜の上に昇る月の情景を見せてくれたり、華やかなフィナーレのような桜吹雪を降らせてくれたりした。カメラが趣味であった彼と、その情景を一緒に撮り合った…。彼の仕事の関係でなかなか遠出をする機会には恵まれなかったが、浅間山を見ながら温泉に入り、その後大好きな軽井沢で過ごした秋の日は忘れられないひとときとなった。
永遠にこの時間が続けばいいと思っていたが、彼のことを気遣い過ぎたため、ネガティブなことやささやかな望みさえ全部自分の心の中に隠して過ごしていた私は、知らぬ間に徐々に壊れていった。眠れぬ夜に言い知れぬ不安感が襲って来るようになり、冬の訪れとともに限界がそこまで来ているのを感じ始めた。(つづく)
「桜色舞うころ」
桜色舞うころ 私はひとり 押さえきれぬ胸に 立ち尽くしてた
若葉色萌ゆれば 想いあふれて すべてを見失い あなたへ流れた
めぐる木々たちだけが ふたりを見ていたの
ひとところにはとどまれないと そっと教えながら
枯葉色染めてく あなたのとなり 移ろいゆく日々が 愛へと変わるの
どうか木々たちだけは この思いを守って
もう一度だけふたりの上で そっと葉を揺らして
やがて季節はふたりを どこへ運んでゆくの
ただひとつだけ確かな今を そっと抱きしめていた…
中島美嘉HP→http://www.mikanakashima.com/