さいたま市宇宙劇場での「渡部潤一講演会」に行って来ました。プラネタリウム内での講演です。渡部先生曰く、
「プラネタリウムでの講演会は、すごく評判がいいんですよ。椅子がいいでしょ、しかも寝心地がいい!ゆっくりしていって下さい」
ですと。さすが、本当に頭がいい人は、上手いこと言います(0^;
渡部先生は、
東大出身で国立天文台に所属している有名な天文学者さん。すばる望遠鏡にたずさわり、超ご多忙にもかかわらず、天文関係の広報活動も一手に引き受けていらっしゃる。NHKなどのTVで、お顔を拝見することもしばしばなので、ご存知の方も多いことでしょう。
もう7年ほど前、ラジオで流星の話をしていたのを聴いて、すっかりファンになってしまったにゃんこは、とても感激した旨を先生のHPを見てメールしたところ、何とお返事をいただいたのだ。
会津ご出身の渡部先生は、大の温泉好き。海外から帰って来ると、日本の温泉に行くのが何よりの楽しみだとか。そんな話がきっかけとなって、国立天文台の敷地内にあった渡部先生の官舎でおこなった、大バーベキュー大会にもお招きいただいたことがある。世界的な天文学者さんと、温泉がご縁で繋がったのは、何とラッキーなことだろう♪
大宮出身の宇宙飛行士・若田さんが微笑む入口から、プラネ内部へ。渡部先生は、冒頭から「渡辺淳一」と「渡部潤一」の比較をスライドで見せたりして、聴衆をすっかりリラックスさせて下さった(実は私、渡辺淳一先生の大ファンでもあるのよね~)。
その後
「はやぶさ」の話になり、実際にはやぶさが帰還した時の映像を見せて下さった。大気圏に入り、燃え尽きてゆくはやぶさ。長く尾を引いて彗星のように流れてくる格納カプセル。どちらも、流星のようだった。カプセルは何のダメージも無く新品同様で回収されたことや、オーストラリアの夜空には天の川が明るく輝き、その光で影ができるほどだったことなど、現地での楽しいエピソードをお話してくれた。
通信断絶(いわゆるとてつもなく広い宇宙での迷子ですね)から史上初の再起を果たし、サンプルリターンという奇跡的な成果をもたらした「はやぶさ」は、
4本の映画となって公開される。その予告編を全部用意して、見せてくれたのも斬新でありました。
そして本題の
「宇宙生命は存在するか」について。金銀プラチナは、超新星爆発でしかできないこと、したがって私たちの体は星のかけらでできているというお話から始まった。現在、てんびん座の周りに地球のような惑星があることが発見されているそうだ。生命体が存在する可能性がある条件が揃っている環境を
「ハビタブルゾーン」と言うが、その範囲内にある星は、銀河系だけで1000万個もある。要するに、
1000万個の地球の類似星が存在するのだ。きっと生命体も存在することだろう。
渡部先生は
「地球は宇宙の観覧席」と言った。そして来る2012年は、金環日蝕や金星の太陽面通過など、
貴重な天文現象のオンパレードの年になる。最近、忙しさのあまり、星見から遠ざかっていた。そのせいで、ちょっと心の状態が不安定になっているような気がする今日この頃。キーンと冷え切った夜空に、冴え冴えと星が輝く冬が来た。この講演会をきっかけに、また星の世界に近づいて行こうと思っている。満ち足りた気分で上尾駅に降り立つと、そこには天の川とブルーの星が瞬いていた。
渡部潤一先生HP→
http://pholus.mtk.nao.ac.jp/watanabe/
2012天文現象→
http://www.astroarts.co.jp/news/2011/02/01calendar/index-j.shtml