日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(674)「The ソクラテス(も確定記述)」と「ソクラテス(だけ)が」。

2020-07-02 13:28:09 | 「は」と「が」

(01)
1     (1)∃x∃y{Sx&Py&Txy&~∃z(Tzy&x≠z)} A
 2    (2)  ∃y{Sa&Py&Tay&~∃z(Tzy&a≠z)} A
  3   (3)     Sa&Pb&Tab&~∃z(Tzb&a≠z)  A
  3   (4)               ~∃z(Tzb&a≠z)  3&E
  3   (5)                 ~(Tcb&a≠c)  A
  3   (6)                  ~Tcb∨a=c   5ド・モルガンの法則
  3   (7)                   Tcb→a=c   6含意の定義
   8  (8)∃z∃y(Σz&Tzy)                 A
    9 (9)  ∃y(Σc&Tcy)                 A
     ア(ア)     Σc&Tcb                  A
     ア(イ)     Σc                      ア&E
     ア(ウ)        Tcb                  イ&E
  3  ア(エ)                       a=c   7ウ
  3  ア(オ)     Σa                      イエ&I
  3   (カ)     Sa                      3&E
  3  ア(キ)     Σa&Sa                   オカ&I
  3   (ク)           Tab               3&E
  3  ア(ケ)     Σa&Sa&Tab               キク&I
  3  ア(コ)  ∃y(Σa&Sa&Tay)              ケEI
  3 9 (サ)  ∃y(Σa&Sa&Tay)              9アコEE
  3  9 (シ)∃x∃y(Σx&Sx&Txy)              サEI
  38  (ス)∃x∃y(Σx&Sx&Txy)              89シEE
 2 8  (セ)∃x∃y(Σx&Sx&Txy)              238EE
1  8  (ソ)∃x∃y(Σx&Sx&Txy)              12セEE
従って、
(01)により、
(02)
(1)あるxとあるyについて{xはソクラテスであって、yはプラトンであって、x以外に、yを教へたzは存在しない}。然るに、
(8)    あるzについて{zはΣΩΚΡΑΤΗΖであって、yを教へた}。従って、
(ソ)あるxとあるyについて{xはΣΩΚΡΑΤΗΖであって、ソクラテスであって、yを教へた}。
といふ「推論(三段論法)」は「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)Socrates was the only philosopher who taught Plato.
(ⅱ)ΣΩΚΡΑΤΗΖ was Socrates. therefore,
(ⅲ)ΣΩΚΡΑΤΗΖ taught Plato.
といふ「三段論法」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
1     (1)∃x∃y{Sx&Py&Txy&~∃z(Tzy&x≠z)} A
 2    (2)  ∃y{Sa&Py&Tay&~∃z(Tzy&a≠z)} A
  3   (3)     Sa&Pb&Tab&~∃z(Tzb&a≠z)  A
  3   (4)               ~∃z(Tzb&a≠z)  3&E
  3   (5)                 ~(Tcb&a≠c)  A
  3   (8)                  ~Tcb∨a=c   5ド・モルガンの法則
  3   (9)                   Tcb→a=c   8含意の定義
   8  (8)  ∃z(Az&~Sz)                 A
    9 (9)     Ac&~Sc                  A
  3   (ア)     Sa                      3&E
    9 (イ)        ~Sc                  9&E
     ウ(ウ)        a=c                  ア
    9ウ(エ)        ~Sa                  イウ=E
  3 9ウ(オ)     Sa&~Sa                  アエ&I
  3 9ウ(カ)        a≠c                  ウオRAA
  3 9ウ(キ)                  ~Tcb       9カMTT
  3   (ク)     Ac                      9&E
    9 (ケ)        Pb                   3&E
  3 9 (コ)     Ac&Pb                   クケ&I
  3 9 (サ)     Ac&Pb&~Tcb              キコ&I 
  3 9 (シ)  ∃y(Ac&Py&~Tcy)             サEI
  38  (ス)  ∃y(Ac&Py&~Tcy)             89シEE
  38  (セ)∃z∃y(Az&Py&~Tzy)             スEI
 2 8  (ソ)∃z∃y(Az&Py&~Tzy)             23セEE
1  8  (タ)∃z∃y(Az&Py&~Tzy)             12ソEE
従って、
(04)により、
(05)
(1)あるxとあるyについて{xはソクラテスであって、yはプラトンであって、x以外に、yを教へたzは存在しない}。然るに、
(8)あるzについて(zはアリストテレスであって、ソクラテスではない)。故に、
(タ)あるzとあるyについて(zはアリストテレスであって、yはプラトンであって、zはyを教へなかった)。
といふ「三段論法」は、「妥当」である。
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)Socrates was the only philosopher who taught Plato.
(ⅱ)Aristotle was not Socrates. therefore,
(ⅲ)Aristotle did not teach Plato.
といふ「三段論法」は、「妥当」である。
然るに、
(07)
(ⅰ)Socrates was one of Plato's teachers.
(ⅱ)ΣΩΚΡΑΤΗΖ was Socrates. therefore,
(ⅲ)ΣΩΚΡΑΤΗΖ taught Plato.
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)ソクラテスは、プラトンの教師たちの中の一人であった。
(ⅱ)ΣΩΚΡΑΤΗΖはソクラテスであった。従って、
(ⅲ)ΣΩΚΡΑΤΗΖはプラトンを教へた。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(08)
(ⅰ)Socrates was one of Plato's teachers.
(ⅱ)Aristotle was not Socrates. therefore,
(ⅲ)Aristotle did not teach Plato.
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)ソクラテスは、プラトンの教師たちの中の一人であった。
(ⅱ)アリストテレスはソクラテスではなかった(が、プラトンの教師たちの中の一人であった)。従って、
(ⅲ)アリストテレスはソクラテスを教へなかった。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
言ふまでもなく、
① Socrates was one of Plato's teachers.
② Socrates was the only philosopher who taught Plato.
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(10)
さて定冠詞(the)は、それが厳密に用いられるときには、一意性を内含している。確かに、しかじかのひと(So-and-so)がいく人かの息子もっている場合でさえ、「the so of So-and-so」という表現を使用するが、本当はその場合には、「a so of So-and-so」という方がより正しいといえよう。
(勁草書房、現代哲学基本論文集Ⅰ、バートランド・ラッセル、1986年、53頁)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① Socrates was one of Plato's teachers.
② Socrates was the only philosopher who taught Plato.
であれば、
①=② ではないものの、
① Socrates was the    philosopher who taught Plato.
② Socrates was the only philosopher who taught Plato.
の場合は、
①=② であると、バートランド・ラッセルは、言ってゐる。
然るに、
(12)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(12)により、
(13)
① 私理事長です。
理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
従って、
(13)により、
(14)
① ソクラテスプラトンを教へた哲学者です。
プラトンを教へた哲学者はソクラテスです。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(15)
プラトンを教へた哲学者はソクラテスです。
③ ソクラテス以外はプラトンを教へた哲学者ではない
に於いて、
②=③ は「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(16)
③ ソクラテス以外はプラトンを教へた哲学者ではない
④ ソクラテスだけがプラトンを教へた哲学者です。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
① ソクラテスプラトンを教へた哲学者です。
② プラトンを教へた哲学者はソクラテスです。
③ ソクラテス以外はプラトンを教へた哲学者ではない
④ ソクラテスだけがプラトンを教へた哲学者です。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(18)
① ソクラテス  プラトンを教へた哲学者です。
② ソクラテスだけがプラトンを教へた哲学者です。
に於いて、
①=② である。
従って、
(11)(18)により、
(19)
① Socrates was the    philosopher who taught Plato.
② Socrates was the only philosopher who taught Plato.
に於いて、
①=② であると、バートランド・ラッセルは、言ってゐて、
① ソクラテス  プラトンを教へた哲学者です。
② ソクラテスだけがプラトンを教へた哲学者です。
に於いて、
①=② であると、私は、言ってゐる。
従って、
(19)により、
(20)
② Socrates was the only philosopher who taught Plato.
② ソクラテスだけがプラトンを教へた哲学者です。
といふ「英語と日本語」から、
②「only
②「だけ
を除いても
② Socrates was the only philosopher who taught Plato.
② ソクラテスだけがプラトンを教へた哲学者です。
といふ「意味」に、「変り」は無い
従って、
(20)により、
(21)
② ソクラテスだけがプラトンを教へた哲学者です。
から、「だけonly)」を除いても、「意味」自体は、変らない
といふことは、「英語」に於いてもさうである
といふ、ことになる。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿