日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(28)「同一性」の「is(である)」について。

2018-05-05 20:59:38 | 「は」と「が」
(01)
1    (1)  P∨ Q   A
 2   (2) ~P&~Q   A
  3  (3)  P      A
 2   (4) ~P      &E
 23  (5) ~P& P   34&I
  3  (6)~(~P&~Q) 26RAA
   7 (7)     Q   A
 2   (8)    ~Q   A
 2 7 (9) ~Q& Q   78&I
   7 (ア)~(~P&~Q) 29RAA
1    (イ)~(~P&~Q) 2367ア∨I
   ウ (ウ)  ~P     A
    エ(エ)     ~Q  A
   ウエ(オ)  ~P     A
   ウエ(カ)  ~P&~Q  ウエ
1  ウエ(キ)~(~P&~Q)&
          ~P&~Q  イカ&I
1  ウ (ク)    ~~Q  エキRAA
1  ウ (ケ)      Q  ウDN
1    (コ)  ~P→ Q  オケCP
(02)
1 (1)~P→ Q A
 2(2)~P&~Q A
 2(3)~P    2&E
 2(4)   ~Q 2&E
12(5)    Q 13MPP
12(6) ~Q&Q 45&I
1 (7)  ~~Q 26RAA
1 (8)    Q 7DN
1 (9) P∨ Q 8∨I
従って、
(01)(02)により、
(03)
①  P∨Q=PかQである。
② ~P→Q=PでないならばQである。
に於いて、
①=② である。
(04)
1  (1)~P→ Q A
 2 (2)~P    A
  3(3)   ~Q A
12 (4)    Q 12MPP
123(5)~Q& Q 34&I
1 3(6)~~P   25RAA
1 3(7)  P   6DN
1  (8)~Q→ P 37CP
(05)
1  (1)~Q→ P A
 2 (2)~Q    A
  3(3)   ~P A
1 3(4)    P 12MPP
123(5)~P& P 34&I
1 3(6)~~Q   25RAA
1 3(7)  Q   6DN
1  (8)~P→ Q 37CP
従って、
(04)(05)により、
(06)
② ~P→Q=PでないならばQである。
③ ~Q→P=QでないならばPである。
に於いて、
②=③ である。
cf.
対偶(Contraposition)。
従って、
(03)(06)により、
(07)
①  P∨Q=PかQである。
② ~P→Q=PでないならばQである。
③ ~Q→P=QでないならばPである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)
① PかQである(PでないならばQである)が、Pでない。従って、Qである。
② PかQである(QでないならばPである)が、Qでない。従って、Pである。
に於いて、
① は、「推論」として「正しく」、
② も、「推論」として「正しい」。
従って、
(08)により、
(09)
① AかBが犯人である。Aは犯人ではない。従って、Bが犯人である。
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
に於いて、
① は、「推論」として「正しく」、
② も、「推論」として「正しい」。
然るに、
(10)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② 犯人は一人だけしかゐなくて、Aがその犯人である。
といふことに、他ならない。
従って、
(10)により、
(11)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② A is a 犯人.
ではなく、
② A is the 犯人.
である。といふことに、他ならない。
然るに、
(12)
In non-mathematical contexts, identity is expressed usually by 'is' ; but since the verb 'to be' has many sense, we must indicate first in which sense 'is' expresses identity.
Consider the six English sentences below.
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I admire most.
(E.J.Lemmonn, Begining Logic, 1971, p160)
然るに、
(13)
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
に於ける、
(1)Socrates is
(2)Paris is
(3)Courage is
を、「is of predication(述語の is)」と言ふ。
(14)
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I admire most.
に於ける、
(4)Socrates is
(5)Paris is
(6)Courage is
を、「is of identity(同一性の is)」と言ふ。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② A is a 犯人.
ではなく、
② A is the 犯人.
であって、
② A is the 犯人.
に於ける、
②   is
は、「is of identity(同一性の is)」である。
然るに、
(16)
② A is the 犯人.
に於ける、
②   is
が、「is of identity(同一性の is)」である。
といふことは、
② A = the 犯人.
といふことに、他ならない。
然るに、
(17)
② A = the 犯人.
といふことは、
② The 犯人 = A.
といふことに、他ならない。
従って、
(16)(17)により、
(18)
② A is the 犯人.
② A = the 犯人.
といふことは、
② The 犯人 is A.
② The 犯人 = A.
といふことに、他ならない。
従って、
(15)~(18)により、
(19)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② The 犯人 is A.
といふこと、すなはち、
② 犯人はAである。
といふことに、他ならない。
従って、
(19)により、
(20)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② Aが犯人である。
② 犯人はAである(The 犯人 is A)。
といふことに、他ならない。
然るに、
(21)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② A以外は犯人でない。
といふことに、他ならない。
従って、
(20)(21)により、
(22)
② Aが犯人である。
③ 犯人はAである。
④ A以外は犯人でない。
に於いて、
②=③=④
でなければ、ならない。
従って、
(23)
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、
②=③=④
でなければ、ならない。
然るに、
(24)
「逆」には、
(1)真でないときと、
(2)真であるときがあります。
そこで(1)と(2)をひっくるめて、「逆は必ずしも真ならず」といいます(山下正男、論理的に考えること、1985年、13・14頁)。
従って、
(24)により、
(25)
① AはBである。
③ BはAである。
に於いて、必ずしも、
①=③ であるとは、限らない。
従って、
(23)(25)により、
(26)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
  ②=③=④ である。
従って、
(26)により、
(27)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
の場合は、
(Ⅰ)①、②、③、④ の、「四つとも、ウソ」であるか、
(Ⅱ)①、②、③、④ の、「①だけが、本当」であるか、
(Ⅲ)①、②、③、④ の、「四つとも、本当」であるか。
の「いづれか」で、なければならない。
然るに、
(28)
① パリは日本である。
② パリが日本である。
③ 日本はパリである。
④ パリ以外は日本ではない。
に於いて、
① は、「ウソ」である。
② も、「ウソ」である。
③ も、「ウソ」である。
④ も、「ウソ」である。
然るに、
(29)
① 中野は日本である。
② 中野が日本である。
③ 日本は中野である。
④ 中野以外は日本ではない。
に於いて、
① は、「本当」である。
② は、「ウソ」である。
③ も、「ウソ」である。
④ も、「ウソ」である。
(30)
① パリはフランスの首都である。
② パリがフランスの首都である。
③ フランスの首都はパリである。
④ パリ以外はフランスの首都ではない。
に於いて、
① は、「本当」である。
② も、「本当」である。
③ も、「本当」である。
④ も、「本当」である。

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