日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(742)「2個のxだけがFである。」の「否定」の「述語論理」。

2020-10-20 18:47:38 | 論理

(01)
① ∃x(Fx) ≡「1個以上のxが、Fである。」
② ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}≡「1個以下のxが、Fである。」
cf.
「1個以下」≡「0個か1個」。
然るに、
(02)
③「1個以上で、1個以下の、xがFである。」といふことは、
③「過不足なく、ただ1個の、xがFである。」といふ、ことである。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∃x(Fx)                  ≡「1個以上のxがFである。」
② ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}       ≡「1個以下のxがFである。」
③ ∃x(Fx)&∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}≡「ただ1個のxがFである。」
然るに、
(04)
(ⅲ)
1 (1)∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  A
1 (2)∃x(Fx)                  1&E
 3(3)   Fa                   A
1 (4)       ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  1&E
1 (5)         ∀y(Fa&Fy→a=y)  4UE
1 (6)            Fa&Fa→a=a   5UE
 3(7)            Fa&Fa       33&I
13(8)                  a=a   67MPP
1 (9)               Fa→a=a   38CP
1 (ア)            ∀y(Fy→a=y)  9UI
13(イ)         Fa&∀y(Fy→a=y)  3ア&I
13(ウ)      ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} イEI
1 (エ)      ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 13ウEE
(Ⅲ)
1  (1)      ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2 (2)         Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2 (3)         Fa             2&E
 2 (4)            ∀y(Fy→a=y)  2&E
 2 (5)               Fb→a=b   4UE
  6(6)            Fb&Fb       A
  6(7)               Fb       6冪等律
 26(8)                  a=b   57MPP
   (9)                  a=a   =I
 26(ア)                  b=a   89=E
 26(イ)                  b=b   8ア=E
 2 (ウ)            Fb&Fb→b=b   6イCP
 2 (エ)         ∀y(Fb&Fy→b=y)  ウUI
 2 (オ)       ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  エUI
 2 (カ)∃x(Fx)                  3EI
1  (キ)∃x(Fx)                  12カEE
1  (ク)∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  オキ&I
従って、
(04)により、
(05)
(ⅲ)∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
(Ⅲ)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
に於いて、
(ⅲ)=(Ⅲ) である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
① ∃x(Fx)           ≡「1個以上のxがFである。」
② ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}≡「1個以下のxがFである。」
③ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}≡「1個の、xだけがFである。」
然るに、
(07)
③ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}≡「1個の、xだけがFである。」
であるならば、
④ ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]}≡「2個の、xだけがFである。」
であるに、違ひない。
cf.
「xはFであり、yもFである。」&「xとyは別人である。」&「誰かがFであるならば、xかyの、どちらかと同一人物である(三人目のFはゐない)。」
然るに、
(08)
(ⅴ)
1     (1)~∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y )& ∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]} A
1     (2)∀x~∃y{Fx&Fy&(x≠y) & ∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]} 1量化子の関係
1     (3)∀x∀y~{Fx&Fy&(x≠y) & ∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]} 2量化子の関係
1     (4)  ∀y~{Fa&Fy&(a≠y) & ∀z[Fz→(z=a)∨(z=y)]} 3UE
1     (5)    ~{Fa&Fb&(a≠b) & ∀z[Fz→(z=a)∨(z=b)]} 4UE
1     (6)    ~Fa∨~Fb∨(a=b) ∨~∀z[Fz→(z=a)∨(z=b)]  5ド・モルガンの法則
1     (7)   [~Fa∨~Fb∨(a=b)]∨~∀z[Fz→(z=a)∨(z=b)]  6結合法則
 8    (8)                   ~∀z[Fz→(z=a)∨(z=b)]  A
 8    (9)                   ∃z~[Fz→(z=a)∨(z=b)]  8量化子の関係
  ア   (ア)                     ~[Fc→(c=a)∨(c=b)]  A
  ア   (イ)                   ~{~Fc∨[(c=a)∨(c=b)]} ア含意の定義
  ア   (ウ)                     Fc&~[(c=a)∨(c=b)]  イ、ド・モルガンの法則
  ア   (エ)                     Fc                 ウ&E
  ア   (オ)                        ~[(c=a)∨(c=b)]  ウ&E
  ア   (カ)                          (c≠a)&(c≠b)   オ、ド・モルガンの法則
  ア   (キ)                       Fc&(c≠a)&(c≠b)   エカ&I
  ア   (ク)                    ∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  キEI
 8    (ケ)                    ∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  8アクEE
 8    (コ)    [~Fa∨~Fb∨(a=b)]∨∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  キ∨I
   サ  (サ)    [~Fa∨~Fb∨(a=b)]                     A
   サ  (シ)    [~Fa∨~Fb∨(a=b)]∨∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  ケ∨I
1     (ス)    [~Fa∨~Fb∨(a=b)]∨∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  78コサシ∨E
    セ (セ)    [~Fa∨~Fb∨(a=b)]                     A
    セ (ソ)  ~~[~Fa∨~Fb∨(a=b)]                     セDN
    セ (タ)     ~[Fa&Fb&(a≠b)]                     ソ、ド・モルガンの法則
    セ (チ)     ~[Fa&Fb&(a≠b)]∨∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  タ∨I
     ツ(ツ)                    ∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  A
     ツ(テ)     ~[Fa&Fb&(a≠b)]∨∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  ツ∨I
1     (ト)     ~[Fa&Fb&(a≠b)]∨∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  スセチツテ∨E
1     (ナ)      [Fa&Fb&(a≠b)]→∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  ト含意の定義
1     (ニ)   ∀y{[Fa&Fb&(a≠b)]→∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]} ナUI
1     (ヌ) ∀x∀y{[Fx&Fy&(x≠y)]→∃z[Fz&(z≠x)&(z≠y)]} ニUI
(Ⅴ)
1     (1) ∀x∀y{[Fx&Fy&(x≠y)]→∃z[Fz&(z≠x)&(z≠y)]}  A
1     (2)   ∀y{[Fa&Fb&(a≠b)]→∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]}  1UE
1     (3)      [Fa&Fb&(a≠b)]→∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]   2UE
1     (4)     ~[Fa&Fb&(a≠b)]∨∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]   3含意の定義
 5    (5)     ~[Fa&Fb&(a≠b)]                      A
 5    (6)    [~Fa∨~Fb∨(a=b)]                      5ド・モルガンの法則
 5    (7)    [~Fa∨~Fb∨(a=b)]∨~∀z[Fz→(z=a)∨(z=b)]  6∨イ
  8   (8)                     ∃z[Fz&(z≠a)&(z≠b)]  A
   9  (9)                        Fc&(c≠a)&(c≠b)   A
   9  (ア)                        Fc               8&E
   9  (イ)                           (c≠a)&(c≠b)   8&E
   9  (ウ)                         ~[(c=a)∨(c=b)]  9ド・モルガンの法則
   9  (オ)                      Fc&~[(c=a)∨(c=b)]  9イ&I
   9  (カ)                    ~{~Fc∨[(c=a)∨(c=b)]} オ、ド・モルガンの法則
   9  (キ)                      ~[Fc→(c=a)∨(c=b)]  カ含意の定義
   9  (ク)                    ∃z~[Fz→(z=a)∨(z=b)]  キEI
  8   (ケ)                    ∃z~[Fz→(z=a)∨(z=b)]  89クEE
  8   (コ)                    ~∀z[Fz→(z=a)∨(z=b)]  ケ量化子の関係
  8   (サ)    [~Fa∨~Fb∨(a=b)]∨~∀z[Fz→(z=a)∨(z=b)]  コ∨I
1     (シ)    [~Fa∨~Fb∨(a=b)]∨~∀z[Fz→(z=a)∨(z=b)]  1578サEE
1     (ス)    ~{Fa& Fb&(a≠b) & ∀z[Fz→(z=a)∨(z=b)]} シ、ド・モルガンの法則
1     (セ)  ∀y~{Fa& Fy&(a≠y) & ∀z[Fz→(z=a)∨(z=y)]} スUI
1     (ソ)∀x∀y~{Fx& Fy&(x≠y) & ∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]} セUI
1     (タ)∀x~∃y{Fx& Fy&(x≠y) & ∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]} ソ量化子の関係
1     (チ)~∃x∃y{Fx& Fy&(x≠y) & ∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]} タ
従って、
(08)により、
(09)
(ⅴ)~∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]}
(Ⅴ) ∀x∀y{Fx&Fy&(x≠y)→∃z[Fz&(z≠x)&(z≠y)]}
に於いて、
(ⅴ)=(Ⅴ) である。
然るに、、
(09)により、
(10)
「xとyとz」が「人物」であるとして、
(Ⅴ)∀x∀y{Fx&Fy&(x≠y)→∃z[Fz&(z≠x)&(z≠y)]}
の場合は、
① xがFであってyも、 Fならば、必ず、zもFである(3人がFであるのかも知れない)。
② xとyの、2人とも、 Fでない場合に、zはFであるかも知れない(zだけがFかも知れない)。
③ xとyの、1人だけが、Fである場合に、zはFであるかも知れない(zと他の一人がFかも知れない)。
然るに、
(11)
3人がFである。かも知れない。
1人がFである。かも知れない。
2人がFである。かも知れない。
といふことと、
④ 過不足なく、きっちり2人がFである。
といふことは、「矛盾」する。
cf.
(Ⅴ)は、実際には、「0人がFである。」としても、「」になる。
従って、
(07)~(11)により、
(12)
④ ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]}
⑤ ∀x∀y{Fx&Fy&(x≠y)→∃z[Fz&(z≠x)&(z≠y)]}
に於いて、確かに、
⑤ は、④ の「否定」になってゐる。
従って、
(07)(12)により、
(13)
④「過不足なく、2個のxだけがFである。」
⑤「過不足なく、2個のxだけがFである。」といふわけではない
といふ「日本語」は、
④ ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]}
⑤ ∀x∀y{Fx&Fy&(x≠y)→∃z[Fz&(z≠x)&(z≠y)]}
といふ「述語論理」に、「相当」する。
(14)
④  ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]}
⑤  ∀x∀y{Fx&Fy&(x≠y)→∃z[Fz&(z≠x)&(z≠y)]}
⑥ ~∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(z=x)∨(z=y)]}
に於いて、
④ & ⑥ は、「矛盾」そのものであるが、
⑤ は ⑥ に、「等しく」、その、
⑤ の「意味」からすると、
④ は、確かに、
過不足なく、2個のxだけがFである。
といふ、「意味」になる。



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