日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(877)「私が理事長です(理事長は私です)。」=「私以外は理事長ではない。」

2021-05-07 16:32:33 | 「は」と「が」

(01)
① Pならば、Rである。
② Qならば、Rである。
といふ「2通り」だけが有って、
③ P
であるとする。
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)「Pならば、Rである。」然るに、
(ⅱ)     「Rである。」従って、
(ⅲ)「である。」
のかも知れないし、
(ⅰ)「Qならば、Rである。」然るに、
(ⅱ)     「Rである。」従って、
(ⅲ)「である。」
のかも知れない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① Pならば、Rである。
② Qならば、Rである。
といふ「2通り」が有って、
③ P≠Q
であるとするならば、
(ⅰ)「Pならば、Rである。」然るに、
(ⅱ)     「Rである。」従って、
(ⅲ)「Pである。」
といふ「断定」は、「虚偽」になり、このことを、『後件肯定の誤謬』といふ。
然るに、
(04)
① Pならば、Rである。
② Qならば、Rである。
といふ「2通り」だけが有って、
③ P=Q
であるとする。
然るに、
(05)
① Pならば、Rである。
② Qならば、Rである。
であって、尚且つ、
③ P=Q
である。
といふことは、
① Pならば、Rである。
② Pならば、Rである。
といふ、ことである。
然るに、
(06)
① Pならば、Rである。
② Pならば、Rである。
といふ「2通り」だけが有る。
といふことは、
① Pならば、Rである。
といふ「1通り」だけが有る。
といふことに、他ならない。
然るに、
(07)
① Pならば、Rである。
といふ「1通り」だけが有る。
といふことは、
① Pならば、その時に限って、Rである。
といふ、ことになる。
然るに、
(08)
① Pならば、その時に限って、Rである。
といふのであれば、
(ⅰ)「Pならば、Rである。」然るに、
(ⅱ)     「Rである。」従って、
(ⅲ)「Pである。」
といふ「断定」は、当然、「正しい」。
従って、
(03)(07)(08)により、
(09)
① Pならば、その時に限って、Rである。
とするならば、この場合は、『後件肯定の誤謬』は、成り立たない。
然るに、
(10)
① Pならば、その時に限って、Rである。
といふことは、
② Pであるならば、Rであり、
③ Pでないならば、Rでない。
といふ、ことである。
然るに、
(11)
(ⅲ)
「記号」で書くと、
1  (1) ~P→~R A
 2 (2)     R A
  3(3) ~P    A
1 3(4)    ~R 13MPP
123(5)  R&~R 24&I
12 (6)~~P    35RAA
12 (7)  P    6DN
1  (8)  R→ P 27CP
(ⅳ)
1  (1)  R→ P A
 2 (2)    ~P A
  3(3)  R    A
1 3(4)     P 13MPP
123(5)  ~P&P 24&I
12 (6)    ~R 35RAA
1  (7) ~P→~R 26CP
従って、
(11)により、
(12)
「日本語」で言ふと、
(ⅰ)
1  (1)Pでないならば、Rではない。 仮定
 2 (2)        Rである。  仮定
  3(3)Pでない。          仮定
1 3(4)        Rでない。  13肯定肯定式
123(5)  Rであるが、Rでない。  24連言導入
12 (6)Pでない、ではない。     35背理法
12 (7)Pである。          6二重否定
1  (8)Rであるならば、Pである。  27条件法
(ⅱ)
1  (1)Rであるならば、Pである。  仮定
 2 (2)        Pでない。  仮定
  3(3)Rである。          仮定
1 3(4)        Pである。  13肯定肯定式
123(5)  Pでないが、Pである。  24連言導入
12 (6)Rでない。          35背理法
1  (7)Pでないならば、Rではない。 26条件法
従って、
(11)(12)により、
(13)
③ Pでないならば、Rでない。
④ Rであるならば、Pである。
に於いて、
③=④ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(10)(13)により、
(14)
① Pならば、その時に限って、Rである。
といふことは、
② Pであるならば、Rであり、
③ Pでないならば、Rでない。
といふ、ことであって、尚且つ、
③ Pでないならば、Rでなく、
④ Rであるならば、Pである。
といふ、ことである。
従って、
(14)により、
(15)
① Pならば、その時に限って、Rである。
といふことは、
② Pであるならば、Rであり、
③ Pでないならば、Rでなく、
④ Rであるならば、Pである。
といふ、ことである。
従って、
(15)により、
(16)
「番号」を付け直すと、
① Pならば、その時に限って、Rである。
といふことは、
② Pであるならば、Rであり、
③ Rであるならば、Pであり、
④ Pでないならば、Rでない。
といふ、ことである。
従って、
(16)により、
(17)
① 私ならばその時に限って、理事長である。
といふことは、
② 私は、理事長であり、
理事長は、私であり、
④ 私以外は、理事長ではない
といふ、ことである。
然るに、
(18)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(17)(18)により、
(19)
① 私理事長です。
といふことは、
② 私は、理事長であり、
理事長は、私であり、
④ 私以外は、理事長ではない
といふ、ことである。



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