日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(780)昔々、お爺さんが川へ洗濯に行きました。の「既知が」。

2020-12-08 13:36:05 | 「は」と「が」

(01)
① お爺さんと御婆さんゐる。
といふのであれば、
①(今、目の前に)お爺さんと御婆さんゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
① お爺さんと御婆さんゐる。
といふのであれば、
①(あるの時間の、ある場所に於いて)お爺さんと御婆さんゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(02)により、
(03)
① お爺さんと御婆さんゐた。
といふのであれば、
①(あるの時間の、ある場所に於いて)お爺さんと御婆さんゐた。
といふ「意味」である。
従って、
(03)により、
(04)
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さん_ゐました。
といふのであれば、
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さんゐました。
といふのであって、
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さんはゐました。
とは、言はない
然るに、
(05)
「(普通の)桃太郎」であれば、
① お爺さんは山に、薪を集めに、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
である。
然るに、
(06)
②(お婆さんではなく、)お爺さん_川へ洗濯へ行き、御婆さん_山に、薪を集めに行きました。
といふのであれば、
②(お婆さんではなく、)お爺さん川へ洗濯へ行き、御婆さん山に、薪を集めに行きました。
といふのであって、
①(お婆さんではなく、)お爺さんは川へ洗濯へ行き、御婆さんは山に、薪を集めに行きました。
とは、言はない
従って、
(06)により、
(07)
② 川へ洗濯へ行きに行ったのは、お爺さんであって、御婆さんではない
といふことを、「確認」したいのであれば、その場合は、
② お爺さん川へ洗濯へ行き、御婆さん山に、薪を集めに行きました。
といふ風に、言ふことになる。
然るに、
(08)
② 川へ洗濯へ行ったのは、お爺さんである。
③ お爺さん以外は、川へ洗濯へ行かなかった
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② お婆さん(お爺さん以外)は、川へ洗濯へ行かなかった
といふことを、「確認」したいのであれば、その場合は、
② お爺さん川へ洗濯へ行ました。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(09)により、
(10)
② お婆さん(お爺さん以外)は、川へ洗濯へ行かなかった
といふことを、「確認」したいのであれば、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんがゐましたが、
②(お婆さんではなく)お爺さんが川へ洗濯へ行き、(お爺さんではなく)御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ「日本語」は、「少しも、不自然ではない」。
従って、
(05)(10)により、
(11)
① Once upon a time, there lived an old man and an old woman. The old man went to the mountains to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
② Once upon a time, there lived an old man and an old woman. The old man went to the river to do the washing, and the old woman went to the mountains to gather wood.
に対する、
① 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐました。 お爺さんは山に、薪を集めに、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐましたが、お爺さん川へ、洗濯に行き、お婆さん山に、薪を集めに行きました。
といふ「翻訳」は、「両方も、不自然ではない」。
従って、
(11)により、
(12)
The old man(お爺さん
The old man(お爺さん
であるため、
①「The ~」と「~ 」が、「既知」に対応するのであれば、
②「The ~」と「~ 」も、「既知」に対応する。
従って、
(12)により、
(13)
「The ~」の「The」が「既知」を表してゐるやうに、
「~ は」 の「」 も「既知」を表してゐる。
といふことには、ならない
従って、
(13)により、
(14)
次の例を見てください。
例1:「むかしむかし、あるところに おじいさんと おばあさん いました。
    おじいさん 山へ 芝刈りに、おばあさん 川へ 洗濯に . . . 」
初めの方の文では、「おじいさん」と「おばあさん」は(話し手は知っているが、
聞き手はまだ知らない)新しい情報として提示されているために「が」が使われ、
後の方の文では、(話し手だけでなく、聞き手もっている)情報であると
いうことで「」が使われています(日本語を考える by takashi hayashi)。
といふことには、ならない



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