(01)
現在はシアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めているのは「鈴木(姓)一郎(名)」、
すなはち、「イチロー」である。
従って、
(01)により、
(02)
① 鈴木=イチロー
① 一郎=イチロー
である。
従って、
(02)により、
(03)
① 鈴木は日本人である。一郎は日本人である。従って、少なくとも、2人の日本人が存在する。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(04)
② 鈴木は日本人である。佐藤は日本人である。従って、少なくとも、2人の日本人が存在する。
③ 鈴木は日本人である。佐藤は日本人である。渡辺は日本人である。従って、少なくとも、3人の日本人が存在する。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① xは日本人であって、yは日本人であって、尚且つ(x=y)であるならば、少なくとも、1人の日本人が存在し、
② xは日本人であって、yは日本人であって、尚且つ(x≠y)であるならば、少なくとも、2人の日本人が存在する。
③ xは日本人であって、yは日本人であって、zは日本人であって、尚且つ(x≠y,x≠z,y≠z)であるならば、少なくとも、3人の日本人が存在する。
従って、
(05)により、
(06)
「日本語」で言ふと、
① あるxはFであって、いかなるxとyであっても{(xがFであって、yもFである)ならば、xとyは「同一」である}。
とするならば、
① 唯一のFが、存在する。
従って、
(06)により、
(07)
「記号」で書くと、
① ∃x(Fx)&∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)}
であるならば、
① 唯一のFが、存在する。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1 (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)∃xFx 1&E
3 (3) Fa A
1 (4) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1 (5) ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1 (6) Fa&Fb→a=b 5UE
7(7) Fb A
37(8) Fa&Fb 37&I
137(9) a=b 68MPP
13 (ア) Fb→a=b 79CP
13 (イ) ∀y(Fy→a=y) アUI
13 (ウ) Fa&∀y(Fy→a=y) 3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウEI
1 (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 23エEE
(ⅱ)
1 (1) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
2 (2) Fa&∀y(Fy→a=y) A
2 (3) Fa 2&E
2 (4) ∃x(Fx) 3EI
1 (5) ∃x(Fx) 124EE
1 (6) ∀y(Fy→a=y) 2&E
1 (7) Fb→a=b 6UE
8(8) Fa&Fb A
8(9) Fb 8&E
1 8(ア) a=b 79MPP
1 (イ) Fa&Fb→a=b 8アCP
1 (ウ) ∀y(Fa&Fy→a=y) イUI
1 (エ) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) ウUI
1 (オ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 5エ&I
従って、
(08)により、
(09)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx & ∀y( Fy→x=y)}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(10)
(ⅱ)
1 (1) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
2(2) Fa&∀y(Fy→a=y) A
2(3) Fa 2&E
2(4) ∀y(Fy→a=y) 2&E
2(5) Fb→a=b 4UE
2(6) ~Fb∨a=b 5含意の定義
2(7) ~(Fb&a≠b) 6ド・モルガンの法則
2(8) ∀y~(Fy&a≠y) 7UI
2(9) ~∃y(Fy&a≠y) 8量化子の関係
2(ア) Fa&~∃y(Fy&a≠y) 39&I
2(イ)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)} アEI
1 (ウ)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)} 12イEE
(ⅲ)
1 (1)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)} A
2(2) Fa&~∃y(Fy&a≠y) A
2(3) Fa 2&E
2(4) ~∃y(Fy&a≠y) 2&E
2(5) ∀y~(Fy&a≠y) 4量化子の関係
2(6) ~(Fb&a≠b) UE
2(7) ~Fb∨a=b 6ド・モルガンの法則
2(8) Fb→a=b 7含意の定義
2(9) ∀y(Fy→a=y) 8UI
2(ア) Fa&∀y(Fy→a=y) 39&I
2(イ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} アEI
1 (ウ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 12イEE
従って、
(10)により、
(11)
② ∃x{Fx& ∀y(Fy→x=y)}
③ ∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx & ∀y( Fy→x=y)}
③ ∃x{Fx & ~∃y( Fy&x≠y)}
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(12)により、
(13)
それ故、正確に1つのものがFをもつと言うことは、つぎのように言うことである。
(16)∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
さて(16)は、実はより短くすっきりとした次の式と導出可能なのである。
(17)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
(17)は、あるものがFをもち、そして任意のFをもつものはまさにそのものにほかならない、ということを主張する。
正確に1つのものがFをもつということの、いまひとつの言いかたがある。しかるに、まだもっと明瞭であるかも知れない、第3の同値な式がある。すなわち、
(18)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)}
― Fをもつものが存在し、その他のいかなるものもFをもつことはない。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、211・212頁)
といふ「説明」は、「正しい」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx & ∀y( Fy→x=y)}
③ ∃x{Fx & ~∃y( Fy&x≠y)}
に於いて、すなはち、
① あるxはFであって、いかなるxとyであっても{xがFであって、yもFであるならば、xとyは「同一」である}。
② あるxについて{xはFであって、いかなるyであっても、yがFであるならば、xとyは「同一」である}。
③ あるxについて{xはFであって、x=yではない所の、Fであるyは、存在しない}。
に於いて、
①=②=③ である。
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はたまた、営利目的で企業としての同一性を意図する場合のコーポレートアイデンティティなど、いろいろな局面で使われているようでもあります。
要するに、onomameusさんは、この概念は論理学上でも重要であると、おっしゃりたいわけですよね??