―「先程の記事(令和03年04月15日)」を補足します。―
(01)
「漢文・縦横書き」と「インデント」を説明するための「例文(作例)」としては、
① 非無不欲爲聖人除弊事者。
② 我非必不求以解中文法解漢文者也。
であれば、
② の方が「相応しい」。
(02)
① 非〈無{不[欲〔爲(聖人)除(弊事)〕]者}〉。
② 我非〈必不{求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]}者〉也。
に於いて、
□( )⇒( )□
□〔 〕⇒〔 〕□
□[ ]⇒[ ]□
□{ }⇒{ }□
□〈 〉⇒〈 〉□
といふ「移動」を行ひ、「平仮名」を加へると、
①〈{[〔(聖人の)爲に(弊事を)除かんと〕欲せ]不る者}無きに〉非ず。
② 我は〈必ずしも{[〔(中文を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求め}不る者に〉非ざる也。
然るに、
(03)
② 我非必不求以解中文法解漢文者也。
② 我 必 中文
解 法
以
漢文
解
求
不 者
非 也。
に於いて、
(ⅰ)「右よりも左を先に」読み、
(ⅱ)「下よりも上を先に」読む。
とするならば、
② 我必中文解法以漢文解求不者非也。
といふ「語順」、すなはち、
② 我は必ずしも中文を解する法を以て漢文を解せんことを求め不る者に非ざる也。
② 私は必ずしも中国語を理解する方法を用ひて漢文を理解しようとしない者ではないのである。
といふ「訓読の語順」で、「読む」ことになる。
然るに、
(04)
② 我非必不求以解中文法解漢文者也。
② 我 必 中文
解 法
以
漢文
解
求
不 者
非 也。
といふ「形」の「インデント(字下げ)」を、
(ⅰ)「右よりも左を先に」読み、
(ⅱ)「下よりも上を先に」読む。
といふことは、
② 我非〈必不{求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]}者〉也。
に於ける、
①( )
②〔 〕
③[ ]
④{ }
⑤〈 〉
に関しては、
① の中を全てを「読み終へた」直後に、
① の左の一字を「読み」、
② の中を全てを「読み終へた」直後に、
② の左の一字を「読み」、
③ の中を全てを「読み終へた」直後に、
③ の左の一字を「読み」、
④ の中を全てを「読み終へた」直後に、
④ の左の一字を「読み」、
⑤ の中を全てを「読み終へた」直後に、
⑤ の左の一字を「読ん」だ場合に「等しい」。
従って、
(04)により、
(05)
② 我非必不求以解中文法解漢文者也。
② 我 必 中文
解 法
以
漢文
解
求
不 者
非 也。
といふ「形」の「インデント(字下げ)」を、
(ⅰ)「右よりも左を先に」読み、
(ⅱ)「下よりも上を先に」読む。
といふことは、
② 我非〈 必不{ 求[ 以〔 解( 中文) 法〕 解( 漢文)]} 者〉也。
② 我非間 必不地 求乙 以下 解二 中文一 法上 解二 漢文一甲天 者人也。
に於ける、例へば、
①( )=二 一
②〔 〕=下 上
③[ ]=乙 甲
④{ }=地 天
⑤〈 〉=間 人
に於いて、
① の中を全てを「読み終へた」直後に、
① の左の一字を「読み」、
② の中を全てを「読み終へた」直後に、
② の左の一字を「読み」、
③ の中を全てを「読み終へた」直後に、
③ の左の一字を「読み」、
④ の中を全てを「読み終へた」直後に、
④ の左の一字を「読み」、
⑤ の中を全てを「読み終へた」直後に、
⑤ の左の一字を「読ん」だ場合に「等しい」。
然るに、
(06)
② 我非間 必不地 求乙 以下 解二 中文一 法上 解二 漢文一甲天 者人也。
③ 我非地 必不レ 求丙 以下 解二 中文一 法上 解乙 漢文甲 者天 也。
に於ける、
② 間 地 乙 下 二 一 上 二 一 甲 天 人
③ 地 レ 丙 下 二 一 上 乙 甲 天
に於いて、
②=③ ではない。
従って、
(05)(06)により、
(07)
③ 我非地 必不レ 求丙 以下 解二 中文一 法上 解乙 漢文甲 者天 也。
の場合は、
①( )=二 一
②〔 〕=下 上
③[ ]=乙 甲
④{ }=地 天
⑤〈 〉=間 人
に於いて、
① の中を全てを「読み終へた」直後に、
① の左の一字を「読み」、
② の中を全てを「読み終へた」直後に、
② の左の一字を「読み」、
③ の中を全てを「読み終へた」直後に、
③ の左の一字を「読み」、
④ の中を全てを「読み終へた」直後に、
④ の左の一字を「読み」、
⑤ の中を全てを「読み終へた」直後に、
⑤ の左の一字を「読む」。
といふ「ルール」が無い。
従って、
(08)
① レ
② 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・・
③ 上 中 下
④ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
⑤ 天 地 人
⑥ 一レ 上レ 甲レ 天レ
である所の、「返り点」の場合は、
① の中を全てを「読み終へた」直後に、
① の左の一字を「読み」、
② の中を全てを「読み終へた」直後に、
② の左の一字を「読み」、
③ の中を全てを「読み終へた」直後に、
③ の左の一字を「読み」、
④ の中を全てを「読み終へた」直後に、
④ の左の一字を「読み」、
⑤ の中を全てを「読み終へた」直後に、
⑤ の左の一字を「読み」、
⑥ の中を全てを「読み終へた」直後に、
⑥ の左の一字を「読む」。
といふ「単純極まりない、ルール」が無い。
従って、
(07)(08)により、
(09)
①( )=二 一
②〔 〕=下 上
③[ ]=乙 甲
④{ }=地 天
⑤〈 〉=間 人
といふ「括弧」と、
① レ
② 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・・
③ 上 中 下
④ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
⑤ 天 地 人
⑥ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」に於いて、
「 括弧のルール 」の方が、
「返り点のルール」よりも、「単純であって、分かり易い」。
といふ、ことになる。
然るに、
(10)
すべて一二点に変換すればいいのである。一二点は無限にあるから、どんなに複雑な構文が出現しても対応できる。実際、一二点しか施していないものも過去にはあった。一二点で返ったものを含めて返る必要がある時に上中下点を用いるのは、数学で( )の次に{ }を用いるのと似ている。数式は必ずしも{( )}の形にしなくてもよい。(( ))の形であってもその機能は同じである。そして{ }の次に用いる括弧がないから、数学の式を危機管理能力のない非論理的な体系だとは誰も言わない。高等数学ではどのようになっているのか私は詳しいことはわからないが、{ }を用いるのは数式が人間にとって認識しやすく便利だからという理由に過ぎないのではないか。パソコンに計算させるのなら( )いくら重ねても問題ないのだから(はてなブログ:固窮庵日乗)。
然るに、
(11)
「一二点だけの返り点」は、「過去にはあったが、今はない。」といふことは、「読みにくいので、淘汰された。」とすべきである。
従って、
(10)(11)により、
(12)
「人間にとって認識しやすく便利」といふ「機能」を考慮する限り、
(a)すべて一二点に変換すればいいのである。
(b)〈 { [ 〔 ( )( ) 〕 ] } 〉ではなく、( ( ( ( ( )( ) ) ) ) )の形であってもその機能は同じである。
といふことには、ならない。
(13)
因みに、「プログラミングの分野では、プログラムの構造を見やすくするために制御構文の内側にある行などの先頭に一律に同じ幅の空白を挿入することをインデントという(IT用語辞典 e-Words)。」
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