日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(321)「鼻が長くない象はゐない。」の「述語論理」。

2019-08-14 14:04:27 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
① 鼻が長くない象はゐる。⇔
① ∃x∃y(象x&鼻yx&~長y)⇔
① あるxとあるyについて、xは象であり、yはxの鼻であり、yは長くない。
従って、
(01)により、
(02)
② 鼻が長くない象はゐない。⇔
② ~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y)⇔
② あるxとあるyについて、xは象であり、yはxの鼻であり、yは長くない。といふことはない。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1  (1)~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y) A
1  (2)∀x~∃y(象x&鼻yx&~長y) 1量化子の関係
1  (3)∀x∀y~(象x&鼻yx&~長y) 1量化子の関係
1  (4)  ∀y~(象a&鼻ya&~長y) 3UE
1  (5)    ~(象a&鼻ba&~長b) 4UE
1  (6)   ~象a∨~鼻ba∨~~長b  5ド・モルガンの法則
1  (7)     ~象a∨~鼻ba∨長b  6DN
1  (8)   (~象a∨~鼻ba)∨長b  7結合法則
 9 (9)   (~象a∨~鼻ba)     A
 9 (ア)    ~(象a&鼻ba)     9ド・モルガンの法則
 9 (イ)    ~(象a&鼻ba)∨長b  ア∨I
  ウ(ウ)              長b  A
  ウ(エ)    ~(象a&鼻ba)∨長b  ウ∨I
1  (オ)    ~(象a&鼻ba)∨長b  9アイウエ∨E
1  (カ)      象a&鼻ba→ 長b  オ含意の定義
1  (キ)   ∀y(象a&鼻ya→ 長y) カUI
1  (ク) ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y) キUI
(ⅲ)
1  (1) ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y) A
1  (2)   ∀y(象a&鼻ya→ 長y) 1UE
1  (3)      象a&鼻ba→ 長b  2UE
1  (4)    ~(象a&鼻ba)∨長b  3含意の定義
 5 (5)    ~(象a&鼻ba)     A
 5 (6)     ~象a∨~象b      5ド・モルガンの法則
 5 (7)     ~象a∨~象b ∨長b  6∨I
  8(8)              長b  A
  8(9)     ~象a∨~象b ∨長b  8∨I
1  (ア)     ~象a∨~象b ∨長b  45789∨E
1  (イ)    ~(象a&鼻ba&~長b) ア、ド・モルガンの法則
1  (ウ)  ∀y~(象a&鼻ya&~長y) イUI
1  (エ)∀x∀y~(象x&鼻yx&~長y) ウUI
1  (オ)∀x~∃y(象x&鼻yx&~長y) エ量化子の関係
1  (カ)~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y) オ量化子の関係
従って、
(03)により、
(04)
② ~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y)
③  ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y)
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(05)
「交換法則」により、
② 象x&鼻yx=鼻yx&象x
③ 象x&鼻yx=鼻yx&象x
従って、
(02)(04)(05)により、
(06)
② 鼻が長くない象はゐない。⇔
② ~∃x∃y(鼻yx&象x&~長y)⇔
③  ∀x∀y(鼻yx&象x→ 長y)⇔
③ すべてのxとすべてのyについて、xが象であり、yがxの鼻であるならば、yは長い。
然るに、
(07)
④{象、兎、馬、キリン}を「変域(ドメイン)」とすると、
④「鼻は象が長く、耳は兎が長く、顔は馬が長く、首はキリンが長い。」
従って、
(07)により、
(08)
④ 鼻は象が長い。⇔
④ 鼻は象は長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
④ ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
④ すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
従って、
(06)(08)により、
(09)
③ 鼻が長くない象はゐない=∀x∀y{(鼻yx&象x)→長y}。
④ 鼻は象が長い     =∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
に於いて、
③の右辺は、④の右辺の「部分論理式」である。
然るに、
(10)
1   (1)鼻は象が長い。                         A
1   (〃)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
 2  (2)兎は象ではないが、兎には鼻がある。               A
 2  (〃)∃y∃x(兎y&~象y&鼻xy)                A
1   (3)  ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
1   (4)     (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a  3UE
1   (5)                 (鼻ab&~象b)→~長a  4&E
  6 (6)  ∃x(兎b&~象b&鼻xb)                A
   7(7)     兎b&~象b&鼻ab                 A
   7(8)     兎b                         8&E
   7(9)        ~象b                     8&E
   7(ア)            鼻ab                 8&E
   7(イ)                  鼻ab&~象b       アイ&I
1  7(ウ)                           ~長a  4ウMPP
1  7(エ)     兎b&鼻ab                     9ア&I
1  7(オ)     兎b&鼻ab&~長a                 ウエ&I
1  7(カ)  ∃x(兎b&鼻xb&~長x)                オEI
1 6 (キ)  ∃x(兎b&鼻xb&~長x)                67カEE
1 6 (ク)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x)                キEI
12  (ケ)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x)                26クEE
12  (〃)あるyは兎であって、あるxはyの鼻であって、xは長くない。   26クEE
12  (〃)鼻が短い兎がゐる。                       26クEE
従って、
(09)(10)により、
(11)
④ 鼻は象が長い。
といふ「命題」ではなく、
③ 鼻が長くない象はゐない。
といふ「命題」からは、
⑤ 鼻が短い兎がゐる。
といふ「命題」を、「導出」することは、出来ない。



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