京女のハマリゴト

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やっぱり泣いた…

2005-11-02 02:30:01 | ドラマに夢中
終戦60年スペシャルドラマ『火垂るの墓』を見ました。

節子と清太の子役の演技の上手さに感動しちゃったよ。。。。

清太役;石田法嗣

節子役;佐々木麻緒

物語はアニメ『火垂の墓』と違い、今回は久子を中心に描かれていた。

アニメではかなり意地悪なおばさんだった久子ですが、何だか今回の久子は微妙でした。。。。

母を亡くした節子と清太に久子はとても優しく接していた。

ところが、久子の夫・源造が戦死してから、彼女の態度は一変する。

配給が滞り、幼い自分の子にも満足に食べさせてあげられなくなると、2人の兄妹に対し、冷たく残酷な態度になっていく。

まるで、菩薩から鬼へ変わったように。。。

その仕打ちに耐えられなくなった節子と清太は、自炊するため防空壕で暮らすことに。

子供だけで暮らせるはずもなく、幼い妹・節子は栄養失調で死んでしまい、兄・清太も後を追うように餓死してしまう。

恐らく、久子は当初は、清太や節子の母・京子との約束―お互いもしものことがあったら子供は守り合いましょう―を守ろうとしていたのでしょう。

しかし、夫が亡くなった時点で、京子との約束より、夫との約束―自分の子だけは守り抜く―という方向へ移っていったのでは。。。

食糧難や貞造の体の弱さがさらに久子に追い討ちをかけ、居候さえいなければ、自分たちは助かるという思いにかられたのでしょう。

幼い節子と清太を追い出し、さらに足の悪い善衛まで出て行かせることになっても、我が子だけは守り抜きたい、そう思ったのでしょうね。

久子は極悪人でしょうか?

アニメの久子は極悪人に思えました。

でも、ドラマの久子は極悪人には思えないのです。

食料がなく、明日食べれるか分からない状況だったら。。。。人は鬼になってしまうのではないでしょうか。。。

さらに、彼女には、海軍大佐の子への嫉妬もあったと思います。夫を巻き添えにした海軍への怒りも。。。。

究極の選択だな。。。と思いました。

自分の子だけは助けるため、他人は犠牲にする。
または、
自分の子が死ぬかもしれないが、他人も助ける。。。

これは、戦争という非常事態になってみないと分かりません。
今の飽食の時代では、飢餓という状況がわからないからです。

戦争は戦地だけでなく、兵隊だけでなく、幼い子も犠牲になり、母親を鬼にも変えてしまう恐ろしいものですね。

ラストに流れた世界の子供たちの映像が深く胸に刺さりました。

戦争は今でも世界のどこかで起こっていること。
そして、子供たちも犠牲になっているということ。

ドラマ自体については、冒頭と最後の現実の話だけが余分だった気がします。

あとCMの多さに辟易しました。。。


このドラマを父や母にも観ることを勧めましたが、絶対観ないそうです。。。

ちょうど清太と年の近かった父は、あの頃の悲惨な情景がフラッシュバックして、耐えられなくなるそうです。
父も清太や久子たちのように、戦中・戦後の食糧難の経験者。
当時のひもじい思いが忘れられないのか、今でも父は食べ物を粗末にすることは絶対にできないそうです。。。。
賞味期限切れなんてへっちゃら。食べ物を残すなんてことはご法度です。
そして、必ず明日のために…と少しだけ取って置きます。
いつ、何が起こっても、明日だけは生き延びられる…そんな思いからついついしてしまう行為らしい。

爆撃や戦闘だけが戦争じゃありませんね。

60年経った今でも、戦中の生活の習慣を忘れられない人がいるのですから。。。

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