どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

五つのパン

2018年06月04日 | 昔話(ヨーロッパ)

          世界むかし話/東欧/松岡享子・訳/1989年

 こんな昔話もありなんですね。ちょっとひねった算数の問題です。

 一人が三つのパン、その道ずれが二つのパンをもっていました。

 みしらぬ第三の旅人がやってきて、パンをわけてくれるようにいいます。

 三人は、五つのパンをまたたくまに食べてしまいます。

 旅人は、お金をうけとらないと断った二人に5ペンスをおいていきます。

 5ペンスをパン三つもっていた男は3ペンスをとり、パン二つをもっていた男には2ペンスやろうとしますが、パン二つの男は、ちょうど半分にしようといいだします。

 裁判官もパン三つもっていた男は3ペンス、パン二つをもっていた男は2ペンスが妥当だろうといいます。
 それでも納得しないパンを二つ持っていた男。

 それではと裁判官がいいだしたのは、パンを三つにわけて考えてみようといいだします。

 パン二つは6個
 パン三つは9個

 いずれも五切れ食べたので、旅人が食べたのは一個と4個。

 五ペンスの配分は、4ペンスと1ペンスという裁定です。

 なにかだまされた感じもしますが、裁判官の名裁定です。あまり欲はだすなということでしょう。