最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

前歯への審美的インプラントを希望の患者さんへ その2.

2006-03-23 14:59:59 | Weblog
前歯のインプラントが「なぜ、難しいか?」という疑問や質問に、もうチョッと詳しくお答えさせて頂きます。

まず、上前歯の埋まっている位置は、骨の中央でなく、外側(唇側)に埋まっているのです。ということは、外側の骨は薄いのです。正確には0,6mmくらいしかありません。歯を抜いたり、歯槽膿漏に罹ると、その薄い骨は簡単に溶けたり、痩せたりしてしまう為、インプラント理想的な位置に埋入することが大変難しいのです。
また、骨がやせると骨の形状が変化する為、インプラントが斜めに傾いて埋入されてしまう事につながります。そうなると、出っ歯になったり、長い歯になったり、歯肉が大きく痩せたりしてしまうのです。(インプラントとインプラントの距離も理論的に決まっていて4mmの間隔をあけることや、自分の歯との距離も2mmあけないと歯間乳頭の再建はできないのです。)

それと、骨が痩せると同時に歯肉も痩せるので、インプラントが埋入された分の歯肉を増やしておく事が、審美性を確保するのにとっても重要な事なのです。その為に、歯肉の移植や再生といった手術や治療を行なわなければなりません。
無論、CT撮影はもとより、治療計画や診断用ワクシングといった治療前のシュミレーションをしっかり立てて、患者さんに理解とご協力を求めていかなければなりません。

さらに、従来のインプラント治療は、奥歯や入れ歯の治療に対してデザインされたものが多く、また、術式や考え方が、日々変化し、新しい器具や材料も進歩しているので、私たち専門医は、常に勉強して技術を習得に努めていないといけません。

なので、くどいようですが、前歯でのインプラント治療や、奥歯でも審美的な形状や自然感を求める場合には、主治医の先生に、主治医の先生が行なった前歯のインプラントの結果を見せて頂き、本当にできるのかどうかを、聞いてから、医院や医師を選んで治療を受ける事が大切です。

PS 私や私の医院は、‘審美的な領域でのインプラント治療 模型実習&手術見学’という研修や講義を定期的に行ない、経験の浅い医師やこれからインプラントをはじめる先生の教育(日本歯科医師会 生涯研修認定)や指導を行なっております。
次回は6月4日日曜日10時~。午前中講義&模型実習、午後 実際の手術見学と検討会、という内容です。受講ご希望の先生は、http://www.itx.co.jp/events/contents/seminar_advance.shtml#08 ないし当院へお問い合わせください。

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