最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

インプラント以外の選択肢 ~ブリッジに見えないブリッジ~

2014-11-07 12:36:51 | Weblog
歯が失くなった時、インプラントにするかブリッジにするか悩みますよね。でも、どちらも良い点や考えなくてはいけない事もあるのです。
この患者さんは、前歯の根の先に大きな膿がたまってしまい、周囲の骨を広く溶かし歯肉も痩せていました。歯を抜くしか治療は無かったのですが、問題は抜いた後です。
骨は無いので、インプラントにするには骨を移植するしかありません。しかし、骨を移植したから、綺麗に治る訳では無いのです。
*この点は、患者さんにはなかなか理解出来ないことかもしれません。

前歯のインプラントは非常に難しく、リスクもあります。でも、ブリッジだから出来ないということではありません。
結局、患者さんと何度も相談した結果、歯肉を増やす治療を行い、その後、ジルコニアの接着性ブリッジを応用しました。

綺麗で長持ちして安全な医療が一番ですよね。インプラントも素晴らしい医療ですが一番ではないですよ。担当する歯科医の先生や医院を選んでくださいね


PS 歯科医の先生方へ。このジルコニアの片側接着ブリッジですが、CADCAMで作成後、ウイングに穴を開けて機械的接着力も付与しています。もしかしたら、世界初かも・・・ただ、ジルコニアの強度は落ちる可能性もあります。患者さんとよくお話し合いをして治療法を選んでください。
なお、右の側切歯(前歯の隣の歯)はラミネートベニアで、ほとんど削っていません。

きちんと治す事とは・・・・・

2014-11-04 13:49:00 | Weblog

歯を綺麗に、そして長く持たせるためには、きちんとした医療が必要です。
「そんなこと、わかってるよ」って言われそうですが・・
この患者さんは、歯並びが悪いだけでなく、前歯の根が溶けてしまっていました。その為、まず、矯正治療が必要でした。その後、根の溶けた歯を抜きました。
しかし、その部は骨も溶けて、歯肉も痩せているので、骨の移植と歯肉の移植を行いました。
そして、失くなった歯を治すために、ブリッジ(両隣の歯を削って繋ぐ方法)かインプラントで行うかを再度相談して、インプラントにして治しました。
この写真は治療終了後5年後の状態です。

矯正治療をしなかったら・・・骨の移植をしなかったら・・・歯肉の移植をしなかったら・・
ブリッジをしていたら・・・
もちろん、すべての歯科医が、この方法や技術を提供出来るわけではありませんし、患者さんだって迷うし、戸惑うと思います。
それでも、医療として、長く、きちんと治すためには、必要な事だったのです。

どうか、大切なご自身の体の一部・笑顔の一部の『歯』です。きちんとした医療を選んでください。

PS 歯科医の先生へ、来月発売のデンタルダイヤモンド11月号に『矯正治療を伴う前歯部インプラントの審美的予後』として臨床論文が掲載されます。治療の診断・術式・経過を詳しく解説しました。ご一読ください。