最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

お盆でも骨移植

2006-08-14 10:40:17 | Weblog
写真はピエゾーを使って下アゴから採取した骨を、上前歯の凹んだ部位に移植している様子です。(怖い画像で、ゴメンなさい)

14日の東京は、朝から停電で、ドタバタ始まりになりそうです。(原因は今のところ不明みたいですが・・・)
私の診療室は、オフィス街の高層ビルの中にあることもあって‘お盆’も診療をしています。衛生士や受付のスタッフは交代でお休み。

今日のメインは、午後から、上の前歯への骨移植です。見学の先生も数名来られるようです。
骨移植には、患者さんご自身の骨を使う‘自家骨移植’と、科学的に作られたものや動物性由来のものを使う‘移植材’(骨補填材)と呼ばれる材料を使う方法があります。
当院では、‘ピエゾー’という特殊な超音波を使った器具を使用して、患者さんご自身の骨を移植するようにしています。このピエゾーは、骨のような固いものは切れるのですが、皮膚や粘膜のような柔らかいもは傷つけること無い非常に安全で便利な器具です。お口の中のような、歯肉の周辺を傷つけず、目的の部位の骨だけを自由な形に切ったり採取出来るので、欧米では歯科領域でも多く採用されています。
取ってきた骨は、動いたり、ずれたりすると生着せず、腑骨(死んだ骨)になってしまう為に、小さなピンや膜で固定して留めておく事が重要です。また、移植される側の骨表面に小さな穴を開けて、骨髄血の出させて移植した骨との血液供給を図る事もとても重要です。
怖い話ですが・・・本当に大切で重要なポイントなんです。

PS  今日は、入道雲が真っ青な空にくっきり。子供の頃に見た雲みたいです。空だけ見てるとカルフォニアと変わらない・・・・・気分だけサンタモニカの天王洲です。


ブリッジ(つなげて治す方法)の欠点

2006-08-09 17:07:16 | Weblog
写真は失った歯の前後の歯を削った時のものです・・・・・

数日前、30代女性(OL)が奥歯の違和感を訴えて来院しました。診て見ると、奥歯を2歯失った状況で、前後の歯を支えにしてブリッジで治していました。が、後ろ側の支えの歯が傷んで壊れていたのです。
つまり、2歯で4歯分の噛み合せを支えていたのですが、力の掛かる奥(後ろの歯)の歯が壊れていました。
一般的に、噛み合せは40Kg~60Kgもの力が加わる事から、ブリッジ治療では負担過重となり、今回のように支えにしていた歯も失う事になってしまうのです。
「この状況では、同じような治療は残念ながら出来ないのです」とお口の中の状況をモニターとレントゲンでご説明しましたが、なかなかご理解頂けませんでした。「十数年も、大丈夫だったのですよ。なんとか同じように治せませんか?」と懇願されましたが、この状況で、再度、同じように治した場合、今は何とも無い健康な手前の歯が、近い将来に必ず壊れて、さらに多くの歯を失う事になるのです。

不幸にして歯を失った時、ブリッジ治療は、その失った歯の前後の歯を繫いで治す治療です。が、以下のような、大きな欠点がある事を受け入れて治さなければなりません。
1、 前後の歯を削る。健康な歯であっても削らなくてはなりません!
2、 失った歯の分も含めて前後の歯で噛み合せの負担をする為、削った歯に、さらに大きなダメージが加わる事になるのです。
3、 銀歯の適合性は、一つの歯でもピッタリ合わすことが難しいうえに、ブリッジとなれば、その適合性はさらに難しくなります。ピッタリ合わなければ、また虫歯になってしまいます。
4、 健康な歯の美しさを失い、銀歯になる事になります。

そして、その長期予後や経過観察から、ブリッジの10年後の残存率は50%を切っているのです。つまり、ブリッジの半分は15年後には壊れて、さらに大きな問題を抱えて治療をする事になるのです。

インプラント良いとか、ブリッジが悪いとか・・・入れ歯はダメだとか・・・ではなく、ご自身の大切なお口の中や楽しい食事や快適な生活の為に、何が一番良い方法なのかを、その患者さんご自身のお口の中の状況や生活環境や経済的問題も含めて、検討しお考え頂くことが本当に大切なことではないでしょうか。

PS 今日の15階の窓から見える東京の景色は、さながら「ホラー映画」にで出てくるような黒く厚い雲(台風の影響の雲)が、生き物のように動いてゾッとしました。
晴れたらお日様カンカンの下で何処か素敵な海に入りたいものです。(きっと夢に終るかも・・・・)

そうそう!!日曜日の菅井先生の講演は聴いていて本当に勉強になりました。

ほろ苦く・・・美味しい中華レストラン

2006-08-02 08:23:03 | Weblog
写真は、9月の講演用の表紙です。


1日火曜日は五反田のH歯科への出張手術でした。問題なく無事に終了。帰りがけに患者さんから「思っていたより楽だったので、反対側もお願いします」と言われ、お盆過ぎに行うことに・・・・
その後、H歯科の院長先生と手伝って頂いたスタッフの皆で、スタッフの友人が経営する青山の中華レストランへ・・・・「先生。山王病院のそばなんです」「え!もしかして‘ハーデン・タイテン?」「先生!知っているんですか?」「うーん・・・・」何気ない会話をしながらタクシー。
南青山から六本木に向かう道沿い、山王病院の真向かいのビルの2階に、ひっそりとバーのような隠れ家のような中華レストラン‘harden-tighten’は、おそらく20年以上前からあるとおもう。洒落たイタリアンレストランかバーのような内装や雰囲気で、美味しい中華料理を楽しめる素晴しいお店なんです。ワインを飲みだすと、20年前の・・ほろ苦い思い出(このお店での微笑ましい思い出なんですが、)をチョッと思い出しながら、アワビの冷菜やチンゲン菜の炒め物、絶品のスープ、塩味のラーメン等をいただきました。
でね、昨日は、酔うと大変なので早めに帰って来ました。

さて、この写真は、9月に神奈川歯科大学で行なう講演の表紙なんです。僕の講演のタイトルは「審美領域におけるインプラント治療を考える」で、今回は、鶴見大学での講演の反省を踏まえて、新しい内容に作り変えています。この一枚の写真を作るのに2時間!掛かるのですよ・・よく見て頂くと骨移植もベニアグラフトをピンで留めたり、クラッシュ骨をチタンメッシュやゴア膜で固定したり、インプラント周囲に補填したり・・・の細かいケース別にシェーマも含めて描かれているのです。
下の段は、全顎のインプラント! 口唇とフレームワークとの関係の大切さも判るでしょ。
写真をクリックすると大きくなるので興味のある人はよく見てみてください。

PS 今週日曜日は、菅井敏郎先生(東京医科歯科大学 臨床教授)‘インプラント治療にCT画像をどのように生かすのか’等についての講演の司会と座長を私が行なう予定です。