最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

メリットとリスク (利点と危険)

2009-02-26 10:18:25 | Weblog
メリットとリスク

昨日・25日のニュースで、レーシック治療(近視のレーザー治療)での感染による事故が話題になっていた。
近視を治す為の治療で、使用する器械の滅菌をせず、結果、感染によって視力を失うという事になれば、本当に悲しい・・・。

胸部外科や整形外科に限らず・・・じつは、歯科治療の、その治療の多くが‘外科’なのです。
歯を削ったり、虫歯を取ったりも、バーという器具を使い、歯槽膿漏の治療や神経の治療も、メスや針を使っての外科処置なのです。つまり、失敗やミスによる‘危険’もあるという事になります。
ですから、できれば医療には、安全という対価を医師だけでなく患者さんや社会にも認識して戴きたいと思います。
無論、治療費用は、出来れば、安い方が良いでしょう。期間は早い方が良いでしょう。しかし、医療の中では、‘安い・早い’は・・・・


で、・・・今日の患者さんは、名古屋から治療に来られます。私は、ご高齢の為、ご家族にもお近くの専門医を紹介したい旨をお伝えしましたが、本人の強い希望で、今回は、当院で行う事になりました。(写真はお口の中の状態です)
前医も一生懸命に治療を行ったとおもいますが、残念ですが、全てのインプラント周囲の骨が溶けて、ガタガタになっているのです。ただ、一部の骨とは接合している為、ピエゾという繊細に骨を切ることのできる器械を使って、麻酔医との連携で無痛的に、これらのインプラントを除去させて頂きます。

* ピエゾは、骨だけ切れて、歯肉や粘膜にはダメージを与えない、優れた器械で、昨年、日本でも厚生省の認可が下りた最新の器械です。
* 麻酔医には、全身管理の下、静脈から抗生剤や鎮静剤も適応させていただき、眠っている間に治療を済ませる事ができます。

スタッフ一同、術後も痛みも腫れも無いように、万全を期して治療に望みます。

PS 歯科医の先生方へ。3月20日(金曜日・祭日)は、ピエゾの開発者のベロセティ教授・椎貝先生・白鳥先生&私・小川で、このピエゾの臨床応用ついて、東京・高輪プリンスホテルで学術講演を行います。ご希望の方は、お問い合わせください。

ブログを止めていた理由

2009-02-20 23:04:48 | Weblog
ブログを止めていた理由

この2年・・、診療の合い間に、自身の診療を纏めて、歯科専門誌(クイントエッセンス・デンタル・インプラントロジーに5編、デンタルダイヤモンドに7編、歯科評論に1編)に合計13編もの臨床論文を掲載し、さらに、2007年・10月に、砂書房から『審美領域のインプラント治療を考える』という本を出版する事ができた。これらは、本当に大変でした! 寝れない日々が続いたり、朝5時に起きて、論文を読んだり・・土日も朝から図書館に通ったり・・・。
その結果は、チョッとは嬉しかったですが、自分の診療に対する反省や欠点や間違いに気づかされて、恥ずかしいと・・で、真面目に取り組もうとすればするほど、出来ない自分に気が付きました。

そんな日々に、ブログの中で、自分を大きく見せたり、患者さんに対して、自慢している自分自身が嫌になってしまったのです。(まだ、カッコつけてるけど・・・)

もっと、正直に言うと、臨床論文や本に掲載した治療例や症例報告は、無論、上手く行った医療ですが、その反面、上手く行かなかった事や、患者さんに失望を与えた事もあったのです。特に‘審美’という目標には、患者さん固有の骨や歯肉の状況から、当然、限界があり・・・歯を失った原因をそのままで・・・感染があったり・・喫煙があったり・・・私の勉強不足も、その一旦だったこともありました。

若い歯科医や、インプラント治療の経験の浅い医師に対して、講演や講義を通じて、私の経験や治療例を伝える事は、大切な事ですし、意味もあると思います。が、このブログを読んでくれる一般の人には、コマーシャルでしかないと考えていたのです。

ただ、今は、これまでの意味合いも含めても、少しでも、若い歯科医や、迷っている患者さんにも、一つの意見やセカンドオピニオンとしてでも役に立てる歯科医でありたいと思っています。(まだまだ、出来ない事も沢山ありますが、頑張ります)

PS これが、砂書房から出版した、『審美領域におけるインプラント治療を考える』という、私の愚書です。興味のある歯科医の先生にはご一読戴き、ご批判やご指導頂ければ幸いです。

バレンタインの学会の夜に

2009-02-16 22:37:39 | Weblog
2月14.15日(土日)はビックサイト(東京・お台場)で『ITI Congress Japan 2009』 http://www.iti-congress.jp/index.html が2000人を超える歯科医・歯科衛生士が参加して開催されました。
私は、15日・日曜日の『良好な審美的結果を得るための硬・軟組織の造成』というセッションの座長として、この会議の進行役でした。当院のスタッフも別のセッションに参加しました。

その14日の夜は、バレンタインなのに・・・歯科医の友人や学会のスタッフ・企業の役員との懇親会でした。
でも!懇親会の後で、チョッと嬉しい事がありました。
それは、皆さんもお判りのように、私はブログを2年間も休んでいました(これには、いろいろ訳が・・・あとで理由は・・)再開は、1月29日の『ブログ再開 お久しぶりです。』からですが、次の『診療が終わったら・・ふぅ。』に歯科医の方からのコメントがあったのです。
内容は、ブリッジとインプラントの生存率(長持ち)への質問でした。まぁ、私のブログは多くの歯科医が読んでいることは知っていましたが、ブログを再開してすぐに見知らぬ人からのコメントには困惑もありました。

で、その見知らぬ歯科医の先生と14日の学会の懇親会の後に出会う事に・・・ その歯科医は可愛い女医さんでしたが、ブログ上での無作法の丁寧なお詫びとお礼のご挨拶に来られたのです。
これには、本当に嬉しくて・・・・(自分のたわいも無いブログや思いが、何処かに届いている!!)って思ったら、目頭が熱くなって、思わず、感動!!してしまいました。

皆さん! 『切に思わば、是を遂げる』です。 頑張りましょう!

PS 写真は、15日の学会での私のオープニングスライドです。

『白い恋人』復活の秘密

2009-02-10 14:30:37 | Weblog
『白い恋人』の復活の秘密。

北海道のお土産のNO1ってなんだか知っていますか? 僕は、昨年、お歳暮で、患者さんから『生キャラメル』を戴いて、その美味しさにびっくりしたので、てっきり、花畑牧場の「生キャラメル」だと思った。
「白い恋人」は一昨年8月に、賞味期限の改ざんで、発売元の石屋製菓は、3ヶ月にも自主休業し、店頭から全ての商品が無くなっている。

しかし、昨年の売り上げ第一位は、なんと、その石屋製菓の『白い恋人』なんです。吉兆・雪印・不二家・赤福・・多くの有名企業が賞味期限を改ざんし倒産や廃業に追い込まれている。
なのに、なぜ、石屋製菓は・・・・。

驚く事に、石屋製菓の従業員で、自主休業中に誰一人辞めた人はいないです。また、製造責任者(工場長)は、森永から‘鬼軍曹’と呼ばれる厳しい人を当てて。
製造機械を新しくしたり、包装の器械も入れ替えて、15億もの費用を当てて改革に取り組んだと事でした。
細かい点では、社員の制服は、会社持ちでクリーニングする事にして、その士気も高めたとの事。
3ヶ月間の休業中は社員一同、信頼回復だけに全力を傾け、取り組んだとの事でした。
結果、3ヶ月の発売再開初日には、各店舗とも即日完売! なんと前年度比115%なのだそうです。

この不景気で、社員の解雇や売り上げの激減・政治の混迷・・悪い話が紙面を飾り、銀座では飲食店が300店も潰れたの噂・・・そんな中で、この話・・良い話ではないですか? なんか元気出ませんか? みなさんも頑張りましょう。

さて、ちょっとクイズ。写真は、前歯の歯槽膿漏の治療の前と後です。どのような方法で治したと思いますか?
答えてくださいね。

診療が終わったら・・・・・ふぅ。

2009-02-04 00:03:52 | Weblog
中学生時代・・・勉強する場所は、市立図書館だった。

今、臨床論文を書いたり、講演のプレゼンを作ってる場所は、六本木ヒルズの49回にある‘アカデミーヒルズ’。
図書館でありながら、コーヒーや軽食も食べられる‘カフェ’とよばれるスペースで、東京の夜景を見ながら、イヤホンを耳につけて好きな音楽を聴きながら、パソコンを開く.

昨年は、クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー(歯科医向けインプラント専門誌)に2編、デンタルダイヤモンド(歯科医療専門誌)に6編の臨床論文を書いた。
講演はなんと20回を超えた・・・いつも同じ内容だと、当然、厳しい意見があるので、基本的に、毎回、症例や内容を変えて講演内容のプレゼンを作っている。

診療室で残業しても良いのですが、チョッと精神的に詰まるので、場所と雰囲気を求めて、ヒルズの49階にいきます。
そこにいくと、多くの人が、原稿を書いたり、試験勉強をしていたり、翻訳をしていたりと真剣に勉強(仕事)しているのです。
なので、私も『よっし!やるぞー!』って思うのです。 

今日は、ストロベリー・スムージーを飲みながら、
5月から始まる連載『審美領域でのインプラントに必要な知識と手技と器材』(仮題)の原稿を纏めています。これは、私の一つの症例を通じて、治療を成功に導く為には、どんな診断を行うのか、その為の診断機器は。外科を行う時の臨床的テクニックと必要な器具は。セラミックを作成する時の注意点とその時使う材料は。手術にあたっての注意点や文献的考察は。等々、細かく判りやすく解説するものです。

朝、早起きして書くときもあるのですが、寒くて・・・、ベットの中で眠気と格闘して、いつも負け。本音は、原稿の締め切りのプレッシャーで、眠れない日々なんです。

もうチョッと頑張ります