最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

治療計画書を貰ったことありますか?

2009-09-23 15:35:37 | Weblog

『治療計画書』には、患者さんの‘現在のお口の中の状況’から、診査・診断をつうじて、どんな方法が良いのか、その理由やその考え方等を判りやすく書くように心がけています。もちろん、その治療費の概算や明細・治療期間についても言及していますが、重要な事は、‘治療の考え方’だと思っています。
無論、治療費については、患者さんにとって重要なポイント(その医院で治療をうけるかどうか。あるいは、その医師に治療を任せるかどうか等)だと思いますが・・。

私が患者さんに提示する『治療計画書』では、撮影したレントゲンや診査した模型や資料から診断して、大きく3つからなっています。その一つ目は、お口の中のレントゲン・写真を添付して、治療すべき部位や状況についての説明を、まず簡単に記載しています。

その後に、二つ目として、患者さんにあった有効な治療方法をいくつか提示して、その中から最良と思われる方法について説明するようにしています。(他の方法についても記載しています)
この時に、その治療方法を選んだ理由をわかりやすく説明して書いています。

3つ目として、治療費の概算について、セラミックの種類やインプラントの骨移植等の治療費等を細かく記入しています。

そして最後には‘治療に当たっては医師・小川勝久・麻酔専門医・南波香織 矯正専門医・山田幸二 歯科衛生士・平野伊美・印南有加 歯科助手・斉藤亜祈子、歯科技工士・浅見晃朗、等万全の体制で当たります。何か問題が生じた場合には真摯に対応することをお約束致します’と書いています。

すべて患者さん一人ひとり状況や程度が異なるので、治療計画書を書くには、時間も掛かりますが、この治療計画書は、絶対に必要なものと考えています。
この治療計画書をメールや郵送で送って、質問やご不安等があれば、診療室で再度説明してご理解をえられるようにしてます。

ぜひ、患者さんには、安いとか早いとかだけでなく、きちんとした診査や診断の下の治療計画を提示する歯科医院を選んで頂きたいと思います。

PS 歯科医の先生へ
来年の2月・歯科医療専門誌に特集として私が『治療計画書の書き方』(仮題)を論文として提示する予定です。

『ディファレンシャル・インプラントサイト・プレパレーション』ってしってますか?

2009-09-14 00:51:04 | Weblog
ディファレンシャル・インプラントサイト・プレパレーション

M県からの相談に来られた、とても美しい素敵な女性は、失った前歯をインプラント治療で治したいという強い希望を持っていました。
しかし、骨内にある、両隣の歯の根が近接していて、インプラントを入れる場所が無いのです。
矯正を担当している先生とも連絡を取って骨内の根の位置・方向を修正して、再度、コンピューターシミレーションを行いましたが、それでも狭い骨内にシミレーションの通りに手術をする事は大変難しいのです。

(チョッと専門的な説明になってしまいますが・・)
そこで、ピエゾーサージュリーを応用して、『ディファレンシャル・インプラントサイト・プレパレーション』という、従来のバーによるドリリング(穴を開ける事)を使わない方法で行いました。たぶん、実際のオペの症例で、HPに載るのは国内では初めてでしょう

従来のバーを用いた方法では、そのドリリングは上下方向に骨を削る事には良いのですが、左右への修正や位置や角度の修正は非常に難しく、骨内にピンポイントの形成を行う事は出来ません。
しかし、ピエゾーサージェリーでは、超音波微小振動から繊細な骨切除や骨整形が可能となり、0,1mm単位での位置・角度の修正が出来るのです。
*写真でオペにつかっている‘金色のチップ’が微振動して骨が削れるのです。

この『ディファレンシャル・インプラントサイト・プレパーレーション』を用いて、インプラント埋入を行い、その後、歯肉の整形と、周囲の歯にホワイトニングを行い、無事に治療を終える事が出来ました。

歯科医療もホントに進化しています。その進化した医療をさせて頂いた患者さんに本当に感謝です。


PS 歯科医の先生方へは、このピエゾーサージェリーでの方法は、近い将来に詳しく、臨床論文として紹介したいと思います。(10月・名古屋での講演でも紹介したいとも思っています)

あきらめないで

2009-09-08 16:42:00 | Weblog
あきらめないで。

数年前、インターネットでN県の患者さんから、治療についての問い合わせがありました。しかし、その時は、患者さんもいろいろな都合も重なって、治療を始める事にはなりませんでした。
お逢いして、状況を拝見すると・・・。(写真の上段が術前です)多くの歯が重度に進行した虫歯になっており、本当に困っておられました。ここまで悪くなるには、僕ら歯科医にも原因の一端はあります。なぜって、親身になって患者さんとお話したり、気持ちを察して治療に向き合う歯科医や医院があれば、ここまで悪くならいでしょ。

最初は、患者さんの気持ちになって、いろいろとお話を伺い、とにかく、費用の事よりも治療を始めて、患者自身さんが‘治そう’とか‘治るんだ’って思う事が大切だと思い・・私の気持ちを伝えました。

ただ、N県から新幹線で来院されるので、通院の問題と、痛みや緊急時の地元の医院との連携も含めて、無論、経済的問題も、じっくり患者さんのお気持ちを踏まえて、ご一緒に納得いくまでご相談致しました。

で、通院は月に一度。治療時間は1回・半日の3時間(多い時は午前・午後の6時間)と言う事。それと、出来る限り自分の歯は抜かずに治す事。この二つの大きな問題を含めて、出来る限りの治療を致しました。
根の治療。歯肉の治療(歯冠長延長術)。咬合治療(噛み合せの位置を修正)。インプラント治療。審美的治療・・

写真の下段は、6ヶ月後(7回目)の仮歯の写真です。この患者さんには許可を得て、神奈川歯科大学の補綴科(差し歯やセラミックの専門医)の若い歯科医へ‘臨床講義’をさせて頂きました。このことで、患者さんから多くの貴重な経験や結果を、多くの次の患者さんへも生かせる事になると思っています。また、若い歯科医にとっても本当に得がたい勉強をさせて頂いたと感謝しています。

で、このように仮歯(プラスチック)でここまで治れば、あとは、丁寧に型をとって被せ(セラミックや金属冠)て行くだけです。
ですから、このHPを見ている患者さんも歯科医の先生も‘あきらめないで’!!


PS そう、この治療で大きな(僕より)役目を果しているのは、歯科衛生士さんなんです。彼女達がいなければ、この治療は成功しません。歯科衛生士の皆さんもあきらめないで。
それと、ありがとう。

PS2 歯科医の先生へ。 前歯は全て、根管治療とフラップしてクラウン・レングスニングして、歯肉のラインを整形して・・インプラントしてません。根の治療や歯を残す事の大切さも解ってください。

ある患者さまへのお返事

2009-09-05 10:38:22 | Weblog

インターネットを通じて、インプラント治療・歯槽膿漏治療等への問い合わせには、患者さまのお気持ちや状況が判りにくいので、その分、気遣ってお返事やお答えをしようと・・。

先日は、「前歯のセラミックが外れ、自分で市販の接着剤で止めても良いか?」との問い合わせがあった、スタッフの電話のやりとりを聞いていて、代わって説明し、来院される事を勧めると、「ロスアンジェルス在住なんですが、主治医が休みで、どうしても重要な会議あって、時間も無く、困っている」との事でした。
思わず、「ロスからでは、今日は無理ですね」との事で、瞬間接着剤を上手く使って、応急的な方法を説明した。
数人の患者さんは、ロスの歯科医からの英語の紹介状を持って来院する事も・・、8月の骨移植の患者さんは、ロマリンダ大学のジェイソン先生からの紹介の患者さんであった。

昨日は、HPの予診表を通じて、上下をすべてインプラントで治療した場合の問い合わせであった。
インプラント治療では、患者さんのアゴの骨量・特に下あごでは神経までの距離、上あごでは上顎洞という空洞の存在があり、その難易度も大きく異なる事もあるのです。ですので、とにかく、一度、拝見させて頂き、その状態や状況から、患者さんの希望する治療方法を一緒にご相談させて欲しい旨を伝えさせて頂いた。

写真は、上下全部をインプラント治療で治療させて頂いた患者さんのお口の中とそのレントゲンです。このように審美的な事も解決できるのか、また、何本のインプラントを応用するのか、経済的な事も含めて、逢った事も無い患者さんのご不安やお気持ち踏まえてお返事したいのですが、文章だけでは、どうしても難しいのです。ですので、ぜひ、お逢いして、お話を伺い、一緒にご相談したいのです。

今朝は、歯槽膿漏の患者さんから、抜歯と骨の再生治療の問い合わせがあった、その方は全身疾患もお持ちなので、その事もご不安もあるとの事でした。
じつは、同じような状況の患者さんで、2年前に、抜歯をしないといけない旨を説明しましたが、ご納得していただけませんでした。しかし、最近では、その歯も2年前よりしっかりしてきて、抜歯しなく良かったと反省を込めて患者さんと向き合っています。

PS 歯科衛生士さんからも、歯周病治療の治療方法・患者さんとの向き合い方の質問メールもあって、とにかく、歯ブラシの大切さを説明しました。そう、痛いのはダメなんです。 

PS2 6日は大阪で、ピエゾーサージェリー(骨移植)の講演です。参加される先生たちへチョッとでもお役に立つように、一生懸命お話してきます。