最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

歯科医療教育の本質って。

2010-11-29 12:30:29 | Weblog
昨日・28日(日曜)は、大阪(千里サイエンスセンター)で、骨移植の講演を行って来ました。
以前にも、ブログで紹介しましたが、微細振動で骨を切ることが出来る‘ピエゾ’を応用したテクニックで、このピエゾサージェリーを応用した、歯科医療での骨の移植法や術式の注意点を、一日かけて講演してきました。(一日、喋ると喋り疲れます)。

で、その時に、質問が出て・・・ピエゾとは関係ないのですが、歯肉圧ぱいの糸のサイズや種類を聞かれてブログで公開する事とお約束致しました。
* 糸はGingBraid(0n) と KnitTraX(0).止血剤はTDゼットです。

歯科医療のある意味、教育の本質は、インプラントや審美ではなく、根の治療の大切さや型取りの正確さ・噛み合わせの重要性を示す事だとも思っています。


さて、雑談を。 KYKってしってます? 大阪でKYKっていったら、‘トンカツ屋’さんなんです。
ただ、KYKの頭文字の意味が、‘瓦町・洋裁・研究所’のK・Y・Kなんで、意味不明ですよね。びっくり。なんでも・・瓦町洋裁研究所の跡地に、トンカツ屋を立てた事から名づけたそうです。


診査・診断の大切さと意味

2010-11-24 09:23:11 | Weblog
診査・診断の大切さと意味

例えば、インプラント治療する時に、‘診査・診断’しますよね。 なんとなくお口の中見て、レントゲン診て、それだけで、診断できると思いますか?
‘診断’とは、治療や手術にあたり、その手技や内容をきちんと、判断して‘決定’を下すわけですから、しっかりとした‘診査’が必要なのです。

この写真は、来月に手術を行なう患者さん診査資料です。上の段は、一般的になレントゲン写真です。が、下の段の2つは、CTから、同じ部位の最新コンピューター解析の結果です。
平面で診査するのではなく、立体として骨の厚みや長さ、神経や血管等も見えるので、治療や手術にあたっては非常に有効です。

じつは、この患者さんは、他院でインプラント治療をされたのですが、上手いかず、そのやり直しとリカバリーの手術を行なうのです。ですから、この次は、絶対に成功させないとならず、人一倍気を付けて診断しています。

断面も判るので、例えば、埋入するインプラントの大きさや長さも調べられます。また、抜歯する前に、抜歯後の骨の形態や状況も判るので、非常に有効です。
今では、多くのインプラント専門医や当院のようなインプラントセンターでは、このような診査にて診断を行なっているのです。

さらに、今回は、コンピューター解析から、実寸の光造形から骨の模型を製作して、手術のシミレーションや問題点を、オペ前に把握して、手術に望みます。

患者さんのみなさんも、ぜひ、診査と診断の大切を理解してください。



衆議院と歯科医師会とワイン

2010-11-17 09:52:56 | Weblog
今日は・・・。

夕方16時~ 患者さんの紹介で、衆議院・第二議員会館会議室で開かれる、『歯科医療の現状と課題について』の意見懇談会に参加してきます。
医療には、治療費や医師の数、そしてこれから高齢化社会にむけて歯科も含めて難問山積ですよね。
他方からの見識者との意見交換会みたいなので、楽しみです。 すこしても良い医療が行なわれるように、私の拙い経験ですが、ちょっとでも、お役に立てるのであれば、歯科医として生きた証にでもなりますし、愚息(歯科大2年)を含め、後輩へのアドバイスも出来るとおもっています。

で、その後なんですが・・・・
品川歯科医師会学術講演会19時~ で、『前歯部欠損補綴を再考する』と題して、講演をおこないます。
判りやすく言うと、‘前歯が虫歯や歯槽膿漏で、無くなった時、どんなふうに治すのが良いのか、もう一度考えよう’ってことです。
今、インプラントが、何でも出来て、100%上手く行くように言われていますが、そんなことはないんです。ブリッジだって上手く行くし、時には‘取り外し式’でも良い場合もありますよ。

きっと今日は、長い一日になりそうです。

PS 夜は、美味しいワインが飲めるかな。

審美に必要な歯肉圧排。

2010-11-12 13:35:06 | Weblog
審美に必要な歯肉圧排 (9月の6日の続き)

綺麗な歯(差し歯・セラミック)を作るには、どうしても‘歯肉圧排’っていう治療が必要なんです。前(9月6日のブログも見てください)にも書いたのですが、もう一度ね。

歯を削って、その削った歯と歯肉の‘境目’を明確にあらわす治療なんですが・・。その境目に‘糸’を入れて、すこし歯肉を広げるのです。
う~ん。ちょっと痛い事もあるので、ほんの少しだけ麻酔をする事もあります。多くの患者さんは、この治療の経験が無いので、説明をきちんとしないとなりません。

それと、型を取るには、ゴムを組み合わせて行ないます。精密なゴムは柔らかいので、削った周囲に流して、その周りに別のゴムで包み込むようして型を取ります。この時、ゴムが固まるまで5分くらい必要なので、患者さんもちょっとガマンしてくださいね。

で、上手く歯肉圧排と型が取れたら、技工士さんが丁寧にセラミック(差し歯)を作る事が出来るのです。

そうそう!!歯肉は歯垢や歯石で腫れていたり歯槽膿漏で出血してると、この治療は出来ないので、よく磨いておかないとダメなんです。

PS 難しい患者さんでお困りの歯科医の先生へ。
明日土曜日は、他院(葛飾区)の患者さんへの手術。明後日・日曜日は保谷(西東京市)の歯科医院に出張です。もし、難しい治療や特殊な治療を望まれる患者さんでお困りの場合は、私が出向くので、ご相談ください。

痩せた歯肉を戻す!

2010-11-10 09:30:52 | Weblog
歯肉の移植・マイクロサージェリー(痩せた歯肉を戻す方法)

歯肉が痩せて、歯と歯肉の境目が凍みたり、傷んだりしてませんか? 見た目にも歯が長くなって見栄えも悪くなりますよね。

そんな時、今では、歯周外科(マイクロサージェリー)で歯肉の移植や歯肉を増やす事ができるのです。
この写真の治療は、よく見ると判ると思うのですが、糸きり歯の根元の痩せた歯肉を、元に戻すだけでなく、すこし厚くして治しているのです。

この方法では、凍みや痛みが止まるだけでなく、もちろん歯を削ったりしないし、歯肉の形も綺麗に治せるので、非常に良い方法なんです。

ただ、非常に繊細な治療なので、専門知識を得た上でトレーニングを行い、特殊な器材を用いて行なわないと出来ないのです。(マイクロ機器や非常に細い糸)

これから冬の寒さで、歯肉が凍みて痛い時には、安易に神経を取ったり、歯を削ってプラスチックを詰めたりしないで、こんな別の治す方法がある事も知ってくださいね。