最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

綺麗に治す秘密 

2012-11-29 14:29:38 | Weblog
『左上の前歯が笑うと黒く見える』と悩んで来院されました。
レントゲンや模型で診査すると、糸切歯を失って、ブリッジが入っていましたが、大掛かりな治療は希望していませんでした。
そこで、歯と歯肉の境が凹んでいて、そこが黒く見える事や食べ物が詰まってしまうので、その歯肉の凹みを治す治療を行いました。

その後、ホワイトニングで全体を白く変えて、オールセラミックのブリッジを作りました。色も微妙に変化をつけて自然観を出しました。

このような治療には、きちんとした診査や診断が大切です。

PS 歯科医の先生へ。 凹んだ歯肉は、上皮化結合組織をトンネルテクニックで移植しています。セラミックはe-max でブリッジを作製しました。

綺麗なオールセラミックス 歯肉の境目も綺麗です。

2012-11-19 09:59:19 | Weblog
この写真は、今、注目されている、e-max と言われる、ガラスセラミック(二ケイ酸リチュウムガラス)で作った前歯のオールセラミックスです。
このオールセラミックスは、これまでのセラミックの約3倍の固さを持ち、なおかつ、いろいろな色調から選べて、作成方法も簡便なものです。

従来の前歯の作成方法は、金属の補強がある為、どうしても、歯肉の境目が黒くなったり、自然な色調を再現する事ができませんでした。しかし、このe-max は土台の部分からセラミックで作れるために境目が黒くなることが無いのです。
また、セラミックの厚さが形の変化から異なる為に、色調に自然観が出るのです。

ぜひ、前歯の色や形でお悩みの患者さんは、ご相談ください。

PS 昨日、18日は御茶ノ水で開かれた国際インプラント学会に出席いたしました。私は、午前中のシンポジュウの座長でした。浜松の石川先生・神奈川歯科の林教授のご講演もすばらしかったですが、日本大学の新井教授のお話しは、知らない事が多かったので勉強になりました。
例えば・・歯の根の先に病気が出来て、根の先の骨を溶かすんです。そうすると、その部分のレントゲンは黒く写ります

患者さんも、歯医者さんからレントゲンで説明を受ける時、『この黒くなったところが、虫歯ですよ』とか『この黒く見えるところが病気の処です』とか言われるでしょ。

しかし、身体って、これ以上悪くならないように、骨自身(体自身)が反応して、その黒く写った周囲の骨を、固くするのです。その為、病気で溶けて黒く写った骨の周りは‘白く’なると言うのです。

人間で、賢いですね。 すみません! つまらない!話でした・・・・。

サイナスリフト・上顎洞上術ってなに? 上あごには骨が少ない事が多いのです。

2012-11-15 14:19:02 | Weblog
患者さんへ。上あご・奥歯には、もともと骨が少ない事が多いのです。この患者さんは、多くの歯は健康で虫歯も無いのですが、左の上だけ小臼歯を失ってしまいました。こんな時は、上顎洞拳上術(サイナスリフト)という造骨の治療を行います。
このレントゲン(CT画像)は患者さんには判り難いと思いますが、現在の歯科医療は進歩しており、骨が薄いとか少ない場合でも、骨を増やす事が出来るのです。
移植材を使っても、ご自身の骨を利用する方法でも、安全に出来るようになってきました。

歯科医の先生へ。 12月2日の私の講義・手術は、このような手技を示しながらの実際の手術です。骨は、ピエゾサージュエリーを応用して、患者さん自身の骨を利用して行います。興味のある先生はご連絡ください。

PS 野田首相に思う事。

『野田首相は、‘自身の道徳観’を政局より優先した』との意見がある。‘うそつき’と言われるのがよほど嫌であったのであろう。

昭和32年生 55歳。私は、小学生~中学生時代は、マンガ‘巨人の星’で人生を学んだといっても良い。
~ 速水という快足の選手との勝負の中で、星はホームベースで落球する。球審は、アウトの宣告をするが、自ら落球を申し出る。
しかし、川上監督は、『馬鹿正直こそ尊い』といって、背番号16に手をかざすのである。~
‘正直に生きたい’というのは、嘘が当たり前のようになり、産地偽装・オレオレ詐欺・IPS細胞での嘘研究・経歴詐称など等、嘘で生計をたてるような世の中では、道徳観こそが、すべての人としての根源のような気がする。

その意味で、昨日の野田首相はカッコ良かった。

歯科医療の世界でも‘正直’は難しい。ピッタリ合った被せ物を入れる事。根の先まで詰める根管治療。インプラント治療での正しい適応。・・こじつけではなく、理想と現実での矛盾はあるが、それでも‘道徳観’を優先した歯科医療が、私は好きである。


接着ブリッジの欠点を知ってください。~ ジルコニアを応用した審美接着ブリッジ ~

2012-11-11 19:34:11 | Weblog
じつは、今日12日・日曜日は、新宿NSビルで、インプラント研修会(フローラルインプラント研究会)で講演してきました。
若い先生や真摯にインプラント治療に取り組んでいる先生方が、沢山参加しておりました。
私の講演のテーマは、『審美領域のインプラント治療』(これは、前歯のインプラントの事です)で、インプラント治療の良い点や反省点を含めて、午前・午後で5時間お話をさせていただきました。

いつも、HPやブログでも伝えている事ですが、前歯のインプラント治療は、非常に難しく、私のように専門にインプラントをしいてる先生でなければ、出来ないと言っても言い過ぎではないのです。(他の歯科医に怒られそうですが・・・)

他の方法でも良い方法はあります。しかし、良い方法でも欠点があるのです。
つまり、接着ブリッジは、歯を削らず、外科を避ける事が出来るのですが、‘接着’で付けているので、フランスパンとかお煎餅とかを、接着ブリッジの処で食べれば、外れる事もございます。
また、失った(抜いた)歯の噛み合わせや力を受けるので、支えとなる歯に負担が大きく掛かる事もございます。
また、上の歯と下の歯が、深く嚙みこんでいる人には、噛み合せの問題から不向きな場合もございます。(凸凹している歯並びにも、不向きです)

いま、帰ってきて(夜6時)みたら、患者さんからメール相談が‘接着ブリッジ’でした。『 前歯をうしない、通っている歯科医院では、骨移植して、インプラント治療を薦められてる。が、他の方法も探している・・』といった事でした。

なんども言いますが、けっしてブリッジ法も悪くなし、接着ブリッジも良い方法です。インプラントも、きちんと上手な先生が行えば、安心で非常に良いものです。ただ、誰が行うのかです!
どうか、専門医やその技術や経験を確かめて、医療をうけてください。

この写真は、結合組織移植を応用しジルコニアフレームの接着ブリッジです。

PS 若い歯科医の先生へ 『深謀遠慮』って知っていますか? ‘深く考えを巡らし、後々の先の事も考えて周到な計画を立てる事’です。インプラント治療の良い点を踏まえて、骨移植や歯肉移植・さらに、上手くいかなかった場合の事もリカバリーも含めて、患者さんにとって、最良の方法を模索しましょう。