最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

患者の気持ち Part3

2006-01-18 14:34:42 | Weblog
以前にも、患者の立場になっての感想を書いてみたが、、、。
先日、月島にO先生(医師として、尊敬できる歯科医で技術的にも最高の腕も持ちあわす先生)に治療を受けた。‘医者の不養生’とは、良く言ったもので、状態が理解できたりするので、ますます、自分のことは後回しに。
私は、以前から‘首のヘルニア’で、しばし、整形外科で牽引をしてもらっていた。下アゴから首を吊るようにして引き上げ、首を伸ばすのである。が、このことが原因して、引き金となり噛み合せの位置がズレて、前歯(左上側切歯)が破折したのである。
O先生から治療を受けた感じを、正直な感想として書いて見たい。

まず、仮歯を外す時の‘リムーバー’と呼ばれるもので、トントンと叩くように外すのですが、これが、けっこう響く。頭の方まで響くのである。でもって、チョッと痛い。
削られる時は、タービンは音だけで問題は無い。が、今流行のエンジンやコントラと呼ばれるものは、削られる時に、衝撃やその振動が、響くのである。うーん、患者の気持ちからいうと、タービンの方が楽。
*研磨やコントラを使うときは、振動や響かないように注意をしようと思った。

歯肉圧排は、とても大切な手技で、正確な印象や型取りには欠かせないものであるが、パスコードの細いものや、縫合糸を使うのであるが、痛いというか、違和感が強いものでした。できたら、歯肉縁上で、適合を確認できる形成が、良いと再確認。
* 圧排はできたら、麻酔下の形成時や仮歯の製作時に併用して行なっておくのも一つの方法では。

正確な型取りは、いわゆるラバー印象。彼の診療室のタイプは、硬化時間10分。わがまま言って、大きな全顎トレーでなく、小さなものを使用してもらったのであるが、10分は、辛かった。ホント。途中で、唾液が喉の奥に溜まってしまい、飲みもうとしても飲みこめず、、、。型取りの材料の一部が喉の奥に引っかかり、気持ち悪く、思わず、吐きそうにもなった。
* 型取りは、辛い事が良く判った。患者さんにもっと詳しい説明の必要性がある。

仮歯を付けてみると、裏のザラザラが気になる。また、そっーと噛んで、仮歯が先に当たると、その違和感は、なんと思っている以上に強く、我慢できないのである。舌の先で、仮歯を触った感じも、段差や形態に、慣れるのも大変。今もチョッと気になる。
* 仮歯の調整は時間が必要。ザラザラや高さに、もっと神経を使い、気配りしないと反省した。

このように、患者さんは、私たち医師が思う以上に、我慢して、辛い思いをしているのです。(*は私が、今後に生かそうとした点や感じた事です)

今日、初めて当院を来院されたKさんは、怖がりで、表情も硬かった。奥歯の詰め物が取れただけであったが、その説明に10分。表面麻酔を5分。温かい麻酔液を応用し、ゆっくり丁寧に麻酔をおこなった。その後、麻酔の効くのを5分待ち、この間にも治療の手技の説明をおこない、虫歯の治療を行なった。結果的に、1つの小さな虫歯の治療にも40分以上の時間を費やした。が、結果、Kさんの表情は柔らかくなり、笑顔も。
治療を受けると、患者さんの気持ちが良く判り、やさしくなれるのですね!!

PS 月島のO先生は、歯科医として尊敬できる先生です。私の我侭な性格からご迷惑ばかりをお掛けしているにもかかわらず、丁寧に治療をしてくださり感謝していまーす。

‘世界の医師団’を応援してください。

2006-01-12 18:08:22 | Weblog

メドゥサン・デュ・モンド(「世界の医療団」の意味、 文中MDMと略す)は、1980年パリに設立され、医師・看護師などの医療・保健衛生分野を中心とした専門ボランティアを世界各地に派遣、人道医療支援に取り組んでいる国際的なNGOです。
 その基本理念は、国籍、人種、民族、思想、宗教などのあらゆる壁を乗り越えて、世界で最も弱い立場にある人々に支援の手をさしのべようとするもので、世界16ヶ国のネットワークを通じて年間約1200人の専門家を世界数十カ国に派遣しています。

 日本支部は、1995年阪神淡路大震災に際しパリから緊急支援チームを神戸に派遣し被害者の支援に当ったのを契機に設立され、現在は「特定非営利特別法人メドゥサン・デュ・モンド ジャポン」として、主に、医療ボランティアの募集・現地への派遣、広報活動、資金調達などの役割を担っています。
 日本支部は設立以来、ルワンダ、サラエボ、コソボ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ニジェール、エチオピア、リベリア、マダガスカルなどへ日本人ボランティアやスタッフを派遣してきています。

 日本支部の活動の中で特筆されるのは「スマイル作戦」への参加です。これは、口唇口蓋裂などの先天性疾患、戦争、病気などで顔面に著しい損傷を負い、社会差別に苦しむ子どもたちに形成外科手術を施し、彼らに笑顔を取り戻させようというもので、その歴史は15年前に遡ります。
日本からは1996年に住民大虐殺で混乱の極みにあったルワンダでの作戦に参加したのを皮切りに、毎年、カンボジアを中心にラオス、ニジェール、マダガスカルなどで合計14回のプログラムに延べ36人の形成外科医・看護師が参加、フランス、ドイツなどからの専門医と協力して手術を行い、それにより多くの子どもたちとその家族が笑顔と生きる希望を取り戻しています。一回のミッションの現地活動期間は2週間程度ですが、この14回のプログラムを通じ1,000人以上の子どもたちの手術を手がけたことになります。

 この間、日本人ドクターの中で中心的役割を果たしてきた与座聡先生からこんな話を伺いました。1997年ラオスでのことです。
先生が6人兄弟の長男だという17歳の少年の手術を終えた時、その顔を見た付き添いの
父親が大声を上げたそうです。まだ術後の腫れが引いていない状況だったので、手術の結果に不満なのかと一瞬思ったそうですが、通訳を通じて聞いてみると、「息子が“人間になった”」という歓喜の叫びだったのだそうです。ラオスやカンボジアでは、生まれてくる子どもの「みつ口」は親の犯した罪の報いという考え方があり、その子だけでなく家族のすべてが社会から差別、蔑視されることがあるといいます。この手術の成功は、単に病気の回復というに留まらず人間としての尊厳の復活であり、それによってこの子どもとその家族が地域社会とのつながりを取り戻すことが出来たということを意味します。先生が、その後今日まで継続してこの作戦に参加し続けるようになったのは、この時の経験が大きかったといいます。
 
 2005年11月、スマイル作戦は15周年を迎え、その発祥の地、カンボジア、プノンペンのコサマック病院で記念式典が盛大に行なわれ、政府の要人も多数参加しました。また日本人ドクターを含むスマイル作戦医師団は王宮で国王と謁見する機会を得ました。内戦の苦しみから立ち上がろうとしているカンボジアで、多くの子供達とその家族に希望を与え続けてきたことと、カンボジアでの医療水準向上のために努力してきたことが評価されたものでしょう。

 2006年中にMDM全体としては世界各国で28回のスマイル作戦が計画されていますが、
その内カンボジア、ニジェールなどを中心に3-4回、日本人形成外科医/看護師延べ10人前後の派遣が予定されております。
このスマイル作戦は一回のミッション(約2週間、手術対象平均60人)に200万円前後の費用がかかりますが、従来から、日本国内でも個人・企業を問わず多くの方々からのご支援を戴いております。日本法人としては、今後もこのプログラムを最重点プログラムとして育てていく方針であり、関係者の一層のご理解とご支援を御願いするものです。

尚、2006年1月の西アフリカ、ニジェールでのスマイル作戦には、上記の与座先生のほか日本事務局からもスタッフが参加しますが、その様子は、TBS系の人気テレビ番組「情熱大陸」で取り上げられます。放映は3月になると思いますが是非ご覧いただき、メドゥサン・デュ・モンド及びスマイル作戦に対するご理解を深めていただきたいと思っております。

メドゥサン・デュ・モンド ジャポン
                                     事務局  岸 達也



このようにメドゥサン・デュ・モンド(「世界の医療団」)の活動は、社会貢献のひとつとして、大切な事業です。
しかし、もっと多くの医師や歯科医の助けが必要な事も事実です。無論、私たち開業医が実際に現地に行く事は大きな問題があることも理解しています。
ですので、私(当院)は、患者さまのお口の中から‘取り外した被せ物や、壊れた入れ歯、使えない金属’等を集めて、精製(有効な金属や、再利用可能な金属に換えて)し、そこから得た資金で、この「世界の医師団」の応援と支援をしています。
このブログを読んだ戴いた患者さんも、いろいろな形で応援や援助はでるものと考えています。
これらを踏まえて、この活動にご援助、ご理解を頂ければ幸いです。(詳しくは、TEL特定非営利活動法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポン Tel:03-3585-6436 にお問い合わせください)

 小川勝久


歯肉移植の繊細さと難しさと

2006-01-07 15:36:50 | Weblog

6日金曜日は、歯肉移植(結合組織)の手術だった。
歯を失うと、歯を支えていた骨は溶けてしまいます。特に破折や歯槽膿漏では、大きく骨が溶けてしまうだけでなく、その部分の歯肉も痩せて(付着歯肉も無くなる)しまう事になります。
患者Tさんは、上の前歯の2歯(左右の中切歯)が破折し周囲の骨や歯肉も痩せて、昨年の8月に来院されました。CT診断や精密歯周組織診断から、骨移植と歯肉の移植の必要性を説明し、同意して頂きました。

上の前歯のような審美領域の手術では、‘安全で確実’な治療計画が、大切である。というよりも、術者の技量や患者さんの組織の状況が、大きくその‘結果’を左右するので、術者が自分の技量と患者さんの状況を冷静に診断しなければならない。今回は、特に審美的要求も強く望まれたので(インプラント後の、歯と歯の間の‘歯間乳頭’とよばれる歯肉の再生を。)、慎重を第一に、術者にも患者さんにとっても安全で確実な方法を選択した。

抜歯即時での骨移植は、感染や手技の難しさから、2度に別ける方法を選択し、治療を進めていきました。
まず、一番目は、抜歯。感染部の治癒を待ち、インプラント埋入と同時に陥凹(骨が溶けている部位)に骨移植を行いました。移植した骨やインプラント上部では、血液供給が不十分になりがちなので、歯肉の移植は、移植した骨が安定してから行う方法を選びました。約5ヵ月後、骨移植部の再生の確認を行うと同時に、歯間乳頭の再建を目的とした歯肉移植(結合組織移植)を行った。
今回は、口蓋側から切開を加え、左右の小臼歯相当部口蓋側から、表層歯肉は残して、内側の組織を採取し、結合組織を挟み込み、高さも得られるように考慮した。(チョッと上手く説明できずにすみません!

私が思うに、インプラント手術は、骨がしっかりしていれば、比較的簡単な手技である。しかし、特に歯肉の移植のような‘軟組織のコントロール’は、非常に繊細で、本当に難しい手技である。

また、採取する部位は、口蓋動脈もあるので、出血のコントロールも大事。採取した結合組織から脂肪分をトリミングし、形態を整え、、、。つい、息がつまる。というか呼吸できない。
移植には、6-0の髪の毛よりも細い縫合糸(マイクロガット)で丁寧に慎重に縫い合わせていく。唇側の縦切開部は、見える部位のなで、切開部に段差が無いように特に丁寧に縫い合わせていく。‘じーっと’一つの部位に神経を集中するので、つい首が痛くなる。一つ縫っては大きく深呼吸する事も。

いやー。疲れたー!。といっても満足感の方が大きいので、本人は、大して疲れていないかも。(勘違いされるかもしれませんが、けっこう、楽しんでいる部分もあるのですよ。)

さっき、消毒に来院されたTさんに尋ねてみると。「昨晩は痛みは無かったです。が、チョッと出血がありました」とのお返事。「お口の中の左右の裏側から、歯肉を取ってきたので、その部位の出血なのです」とご説明しご理解を頂いた。じっさいは、我ながら上手くいったオペだった。(自己満足しすぎ!ですね。でも、この手技をおこなう歯科医の先生は、解ってくれますよね!)


‘世界でいちばん大切な思い’&‘タマゴボーロの秘密’

2006-01-03 20:48:13 | Weblog
~ ある雨の日の夕方、美術学校に通う娘の為に傘を持っていく母親。しかし、貧しい姿を見られたくないと思う、年頃の娘の気持ちを思い、学校の隅で待つ。
しばらくして、ちょうど窓から顔を覗かせた娘と視線が合う。娘は、みっともない姿の母親に来ないで欲しいかのようなそぶりを。
それから一ヶ月。美術学校の絵の展覧会。娘から招待状をもらうが、自分が行けば娘が恥ずかしい思いをするとの思いから、学校へ行くのを躊躇するが。
あたりが暗くなった夕方、学校に着いてみると、そこには、仕事着のエプロンに古びた履物で傘をさして娘を待つ、自分が描かれていたのです。そして、その絵のタイトルは『世界で一番美しい姿』と書かれていました。 ~

このお話は、パク・インシク氏とイ・ミエさんの文と絵を、女優の笛木優子さんが訳した東洋経済新報社からでている‘世界でいちばん大切な思い’に載っています。韓国では170万部を越すベストセラーになっており、「この本は、忙しさに追われる日常の中で、忘れかけている大切な思いを、そっと取り出す宝石箱」と言われています。他にも、‘閉めない戸口’や‘ビリになるためのかけっこ’等、あふれる涙を堪えきれない心温まる物語が書かれています。そして、これらの話は全て本当の実話なのです。


~ 上場企業100社以上の大株主で、日本一の投資家、そして、タマゴボーロ(一度は皆さんも食べたことありますよね)で有名な竹田製菓の経営者の竹田和平さんのお話。

じつは、このタマゴボーロには秘密があって、一つは普通の3倍の価格もする有精卵を使っていること。他社に比べコストがかかりすぎ!なので儲けが少ないと思うでしょ。ところが、「いや。それがね。儲けが多くなるから不思議なんです」と。
そして、この戦略には、私も思わず、馬鹿な!!!!と叫んだくらいのアホくさい戦略が隠されています。
その戦略とは、、、、、。工場で、お菓子に「ありがとう」と語りかけているのです!!!!!
つまり、社員一人一人が、タマゴボーロに「ありがとう」と言っているのです。そして、さらにビックリ!! 一時間ありがとうと言って仕事をすると給与とは別にお金が支給されるとのこと(時給800円!) ~

じつは、この「ありがとう」という美しい言葉には魔法が含まれているらしく、『掃除で奇跡が起こる』にも同じような事が書かれています。
(「ありがとう」と言葉に出してお掃除を続けると自然に感謝の気持ちが溢れてきて、いろいろな奇跡が起きるようです。)

この話は、今年のディスカバーMESSAGE BOOK大賞の特別賞にも選ばれている‘名言セラピー’に載っています。他に、栃木県のカメラやさんの佐藤氏のお話や、ウサギとカメの裏話、100%の確立でモテる方法 等、とても良い話がたくさん載っています。

2006年のお正月は、このほかに、辺見じゅんさんの‘男たちの大和’、TVや映画で話題となった‘電車男’を読みました。思わず、時を忘れ、新年にもかかわらず、読書で夜更かし!でした。枕は涙で濡れたり、思わず声をだして感動したり、良い日でした!
みなさんも、ぜひ、‘世界でいちばん大切な思い’や‘名言セラピー’を読んでみてください。きっと幸せな時間を得られると思いますよ。