最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

インプラントサミットとピエゾってなに?

2009-03-23 14:04:24 | Weblog
小雨の降る20日金曜日。品川の高輪プリンスホテルにて、『インプラント・サミット2009』が(歯科医師の為の学会の一つで、2年に一度行なわれます)、800人の参加の下、盛大に行なわれました。
今回のテーマは‘ピエゾ・サージェリー’というもので、超音波微振動で、骨を切ったり整形し、歯槽膿漏やインプラント治療に生かす方法でした。
(*この器械は、骨だけ切れて、周囲の歯肉や皮膚にはダメージを与えない非常に安全で有効な最先端の機器です。私の医院では5年前から、骨移植やインプラント治療に導入して、日本での始めての臨床論文も昨年11月に発表いたしました。)
開発者のイタリアのベロセロイテイ教授、東京医科歯科大学の春日井教授。東京歯科大学の椎貝教授、静岡の白鳥先生と、私の5人で、基礎研究から臨床応用にまでを一日講演いたしました。
写真は、講演中の私です
私は、今回、演者として、このピエゾサージェリーの臨床的にどのように使って生かすのかを実際のオペのビデオや治療例を通じて1時間お話させて頂きました。
それと、この治療法は大変に有効で、患者さんにとっても有益なものですが、外科手術なので、トレーニングと専門的な勉強(ピエゾは安全な機器ですが、扱うのは人間なので、しっかりとした練習や知識がないと出来ないのです)が必要だという事も重ねてお話させて頂きました。

多くの参加された歯科医の先生から、懇親会の席でご質問やいろいろなお話をさせても頂き、私自身も大変勉強になりました。

PS 18日水曜日は、東京都調布市歯科医師会の学術講演会でも1時間30分、インプラントを成功に導く鍵と題して講演させて頂きました。懇親会が終わったのが12時過ぎでしたので、ちょっと大変でした。
PS2 歯科医の皆さんへ、 講演内容の質問は、下記のアドレスに頂ければ幸いです。
e-mail dentist-ogawa@pop06.odn.ne.jp

前歯の審美って・・・

2009-03-10 13:00:13 | Weblog
前歯は見栄えに大きく影響しますよね。この写真の3歯の治療は、右上前歯・中切歯はオールセラミック。 左上前歯・中切歯はインプラント。欠けていた左上側切歯はレジン充填。で治しました。

右上・中切歯では、歯肉から生えてくるように、正確に歯肉の中まで削って、歯肉圧排を二重に行なって、正確に型を取りました。この時に、左右の歯肉のシンメトリー(対称)は重要。

左上・中切歯は、残念ですが、根の中の化膿していたので、抜歯して、まず、骨移植。その後インプラント治療と歯肉の移植を行っています。
で、インプラントを入れる位置(角度とか深さ)がとっても大切なんです。深すぎても浅すぎてもダメですよ。

左上・側切歯は、ビーナスという特殊な詰め物(レジン)で、ステイン(色付け)しながらダイレクトボンデイング法(直接、お口の中で、形を作って、盛って、色を合わせて)で治療しています。この詰め物をするにもマイクロ(拡大鏡)を使ってます。

いろいろな手技や細かな工夫をしないと、綺麗には治りません。ちょこっと時間や費用が掛かっても、自然で、綺麗な生まれ変わった歯に治した方が、笑顔も素敵になるんですよ。

PS 若い先生へ 
審美歯科は総合力です。インプラントだけでなく、詰め物や被せ物、歯周外科・根管治療といった基礎をしっかり学んでください

歯科医の未来

2009-03-07 16:39:32 | Weblog
先週・一人の歯科医師が当院に見学に来ました。私の医院は、講演や手術見学の研修を行っているので、多くの先生が手術や治療の見学にお見えになります。(患者さんのプライバシーはお守りしています)

彼は、シックなスーツにネクタイが似合う好青年でした。話を伺うと、現在・某大学の臨床研修生で、4月から都内の大学のインプラント科に配属になるの事でした。しかし、将来を見据えて、ちょっと迷っているようでも・・・。
私は26年前を思い出しながら(保母先生に怒られた事や、母校の補綴科の先生を思いだしながら)、『歯科医の人生は焦る事は無い。根の治療や詰め物、噛み合わせ、歯周治療・・を一つ一つ重ねていく事が、結果、良い歯科医になる』と、チョッと説教じみた(説教です)お話をさせて頂きました。
今の若い歯科医の中には、根の治療や抜歯が満足に出来ないのに、インプラントや審美治療に憧れ、一部には、そのような風潮にもあるので・・・・。

その彼から写真にあるような素晴しいお手紙を頂きました。私の思いや心配は、彼には全く必要の無い事が、お手紙の文脈から感じ取れました。久々に、本当のお手紙(お礼状)を拝読させて頂き、私の未熟さ(自分にはこのような手紙が書けない事)や彼の育った環境や周囲の人たちの素晴しさに、改めて感動しました!

じつは、彼は、高校中退なのです。その後、若くして起業(会社を立ち上げ)した後、歯学部に入学し、昨年、歯科医師になったのです。
おそらく、起業し、社会で、さまざまな経験や勉強を積んだのでしょう。医師としてよりも人としての品格や資質に満ち溢れた彼は、きっと素晴しい歯科医になると思います。

その時に、私も彼に恥ずかしくないような老医師になっていたいものです。

「これ以上、頑張れない」って平気な顔で言うな

2009-03-02 22:48:46 | Weblog
「これ以上、頑張れない」って平気な顔で言うな。

この言葉は、シドニー・アテネのパラリンピックのメダリスト・車椅子ランナー‘廣道純’の言葉である。
高校一年の時、バイクの事故で脊髄を損傷し下半身が麻痺。その後、‘助かった事には意味がある。だから、第二の人生は・・’と、リハビリ中から車椅子のレースにのめりこみ、がむしゃらに練習を積み、英語も話せないのに、なんと、世界チャンピオンの教えを乞いたい為にアメリカに飛んでトレーニングを積み、現在・日本記録を3つも持つ.

『目標に向かい自分を追い込む事で発せられる本気が、相手に伝わる。それに応えようとする相手の思いを受けて自分が変る』

1日、大阪での講演が無事に終了し、新幹線に乗り込んで、目にした雑誌から飛び込んで来た、その言葉は衝撃でした。なぜか・・目頭が熱くなり・・頬を濡らしていた。

『頑張る事が出会いを生み、そこから自分が成長できる』

時に、皆さん・・私もですが・・・自身の不遇や環境を他人や社会の性にして、どうせ・・この程度って、諦めていませんか。
ちょっとくらい不景気だって・・やりたい事が出来なくても・・上手くいかない事があっても、そんな嫌や事が重なったって・・頑張るしかないです。

そう。「これ以上、頑張れない」とは決して言いませんよね。