ハリー・ポッターと死の秘宝（上）

★ハリー・ポッターと死の秘宝☆　　Ｊ・Ｋ・ローリング

　スネイプの裏切りにより、ダンブルドアが死んだ。
ハリーはヴォルデモード打倒のため、ホグワーツには戻らないことを決める。
まもなくハリーは１７歳。
その誕生日を迎えると、ハリーの母による保護魔法が消える。
ヴォルデモートは魔法省にも触手を伸ばし、陥落寸前。
騎士団はハリーを守るためにダーズーリー家からの脱出に一計を案じる。
マッドアイ・ムーディは命を落としたが、
ハリーは無事に隠れ家にたどり着く。
が、魔の手はそこにまで及ぶ。
ハリーはロンとハーマイオニーとともに、逃亡生活を続けながら、
なんとかヴォルデモートの分霊箱を探し、破壊しようとするが、
ダンブルドアの残したヒントを解くことがなかなかできない。
決死の覚悟でついてきたロンだったが、
先の見えない行動に、怒りが爆発し、ハリーのもとを去ってしまう・・・

ハリー・ポッター最終巻。
７月発売で、すぐに予約をかけたのですが、
さすがに人気作、半年かかりました。
巻を経るごとにだんだんダーティーな世界になってきたハリーですが、
上巻はさほど、かな。
思ったより明るい。
まあ、ハリーは抱えているものが大きすぎて、陽気にはなれないけど・・・
山場は下巻だね、やっぱり。

覇王の番人（下）

★覇王の番人（下）☆　　真保　裕一

　織田信長の勢いは止まらない。
東の武田も打ち破り、天下は手の届くところまで来た。
それに比例するように、信長の重臣に対する態度は傲慢さを増してゆく。
光秀の信長に対する信奉の気持ちは揺らぎ始める。
そして、光秀がもっとも信頼する藤孝からの情報で、
信長が京都本能寺で護衛が薄くなることを知る。
光秀は逡巡の末、信長打倒を企てる・・・

開眼、って感じ、かな。
これを読むまでは、野心家の明智光秀、だったのですが、
決してそうではなかった。
彼が目指したのは天下泰平。
もし、光秀がおらず、信長が幕府を開いていたら
日本の歴史はどう変わっていたんでしょうね。
実在の光秀が、この小説のようなラストを迎えていてくれたら、と心から思います。