観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

スイスで見た自然と人の在り方

2013-08-24 08:06:47 | 13.8
4年 萩原もえか

 この夏休み、私は初めてスイスに行ってきた。私にとって、スイスは「ハイジ」に見るような自然の中に牧場があり雄大な国というイメージであった。実際、そのイメージ通りの国であった。
 私の旅行の目的はユングフラウ、マッターホルン、モンブラン三大名峰を見ることだった。そのために登山列車、ロープ―ウェイを使い頂上まで行った。ロープ―ウェイは30分ほどで3000m、4000mの地点まで登った。出発地点の気温は25℃ぐらいだが、頂上は-2℃と大きな差があった。私は初めて高い山に登ったので、空気が薄い場所では頭がふらふらし、少し苦しかった。



夕日のマッターホルン

 頂上では氷河を見ることができた。ロープウェイが登ってゆく途中、氷河を登っている人を見ることができた。こんなに寒いし、誤ってクレバスに落ちれば命はない。こんな死と隣り合わせの登山にたくさんの人が挑んでいるのをみて理解できないと思った。しかし、そうして自分の足で登頂したときは、ロープ―ウェイで登った人とは違う感動があるのだろうなと感じた。
 私は事前にそこに生息している野鳥、哺乳類について情報を調べていたが、クロウタドリ以外の野鳥を見ることができなかった。哺乳類はいないかなと思っていたら、遠くの山の尾根沿いに黒い影があった。シャモアかな?アイベックスかな?と双眼鏡を覗いてみると・・・頭から体の半分までが黒く、そこから尻尾までが白い家畜のヤギであった。残念。


唯一見られたクロウタドリ

 これまでに3つの山を訪れたがどの山も乗り物が充実しており、誰でも簡単に景色を見ることができる。でも、これらが山に悪影響を与えているはずだとも思った。
 けれども環境に配慮した素晴らしいことがあった。私がチューリッヒからツェルマットへバスで移動しているとき、ガイドさんに急に車を降りるように言われた。どうしてかなと思ったら、ツェルマットではガソリン車が禁止されているため、電気自動車に乗り換えなければならないということであった。その徹底した環境配慮に感心した。また、スイスは国全体が農業を尊重し誇りに思っていようだった。その源はスイスの小学校で誰もが行っている農業体験にあるらしい。その農業体験は数週間あり、その間子供たちは牛の世話をしたり、街へ出て牛乳を売るなどの手伝いをする。そして農業の大変さ、食のありがたさを知るということだ。


高原に放牧された牛たち

 スイスは自然を愛するとともに、農業を大切にし、誇りしているという点で素晴らしい国だと思った。そして、日本もスイスのように自然や農業を一人一人が考える国になってほしいと心から思った。

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