観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

オーロラを見て

2012-06-24 08:37:26 | 12.2
4年 野呂ほづみ

 2月上旬に1週間ほどフィンランドに行ってきた。これまで何度かフィンランドに行ったことがあるが、今回は完全に個人旅行だった。今回の目的は、オーロラ、トナカイ、ハスキー、サンタ村、フィンランドの歴史にまつわる場所の観光。 その中でもオーロラ観察は、とても印象的だった。
 これまでの旅行では、オーロラが出ると誰かが起こしてくれて空一面にかかるカーテンのようなオーロラを見ていた。フィンランドは、夜になればオーロラが出る、それが普通だと思っていた。私は分かっていなかった。オーロラは簡単に見られるものではない、ということを。今回は、自分たちで20分おきに外に出て、凍った池の上に立ち空を見渡す、これを何度も繰り返した。外にいられるのはせいぜい10分。それ以上だと体の芯まで凍えてしまう。途中、モヤがかったオーロラは現れたが、それ以上大きくなることはなく、数時間…探せど探せど、私の知っているオーロラは現れなかった。

 それでも、オーロラ観察は楽しかった。限界まで凍えた体で小屋に戻り飲む紅茶、一緒に食べるクッキー、暖炉で暖まりまた外に出る、そして目をこすりながらオーロラを探す… 。寒いからこその温もりのありがたみ、現れないからこその現れた時の感動や期待。相対するものがあるから、価値が増す。そのことを、身をもって感じた。

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